銅管

銅管とは

銅管とは、非常に優れた熱伝導性と耐食性を持つ配管のことです。

柔軟性にも優れているため、施工も容易です。配管は材質によって金属管と非金属管に分かれ、金属管には鋼管やステンレス管、アルミニウム管などがあり、非金属管にはポリエチレン管やポリブデン管、塩ビ管などがあります。

建築設備、冷暖房装置、工業用途で使用される場合が多いです。主に軟質銅管と硬質銅管があり、軟質銅管は屈曲性があり配管工事に適し、硬質銅管は曲げにくく建築用途や高圧配管に使用されます。銅管は鋼管と比べると高価ですが、リサイクル性が高く環境に配慮した素材です。

銅管の使用用途

1.  建物

軽量で耐食性と抗菌性が高いため、建物の裏側など狭い場所や熱湯や飲料水が通る配管に使用されています。柔軟性に優れ加工が容易で、複雑な形状で製作でき圧着継手やろう漬けで接続できます。

2. 熱交換器

熱伝導性が高く、熱交換器や太陽熱発電など加熱や冷却をする機器に使用されます。鋼管は強度が高いですが、熱伝導性は低いため、急激な温度変化には弱く変形や破損の可能性があります。しかし、銅管は柔軟性が高く、耐食性もあるので長寿命です。

3. その他

導電性のよさから自動車のモーター部品に、熱伝導率のよさからパソコンやゲーム機のCPU冷却装置に、また耐食性のよさから医療ガス用配管など、銅管は多岐にわたる分野で使用されています。

銅管の特徴

1. 抗菌性

大腸菌O-157やレジオネラ菌の繁殖を抑制する効果や、インフルエンザ・ウイルスやノロ・ウイルスの感染力を不活性化する効果などが実証されています。かつては、さびの一種である「緑青」が有毒物質であると信じられていましたが、現在では無害であることが検証済みです。

2. 耐食性

表面に酸素と結合した酸化被膜を生成することにより腐食を防ぎますが、酸性やアルカリ性や硫黄化合物、海水や潮風で腐食します。鋼管同様に塗装や腐食防止材を使用することが必要です。 腐食防止剤としてクロム酸やベンゾトリアゾールが使用され、塗装には樹脂系のエポキシ樹脂を使用します。

3. 熱伝導性

鉄の約7倍、ステンレスの約20倍も熱を伝えやすいので、加熱装置や冷却装置や金型の冷却配管や冷凍配管や空調の熱交換器などで使用されます。熱を伝えるだけなら金や銀も大きいのですが、非常に高額で強度も保てませんので銅が最も経済合理性が良いです。

4. 加工性

柔らかい銅管は容易に曲げることができるので、狭い場所への配管や接触面積を増やすために、緻密な配管ができます。しかし、小径の配管は手でも曲げることが可能で、施工後に接触すると曲がったり破損したりする恐れもあるため、設置場所には注意が必要です。

5. 低温耐性

銅は鉄に比べて低温脆性に優れています。低温下では鉄は脆くなりやすく、急激な温度変化に対しても敏感です。しかし、銅はそのような環境下でも比較的強靭であり、鉄よりも優れた耐摩耗性と耐食性を示します。

銅は熱伝導率が高く、熱膨張係数が低いことによるもので、高温下でも安定した性質のためです。

6. 導電性

配線用の配管と使用する際に管自体を接地線として使用でき、漏電防止をすることができます。

銅管の種類

日本工業規格 (JIS) H3300で規定され、外径、管厚さ、曲げ半径、耐圧性能などで分けられます。

1. 無酸素銅管

オー材とも呼ばれ、直管とコイル状の材料があり柔らかい管です。配線配管、冷媒管、水道管など幅広く使用されます。

2. 酸素銅管

オーエル材とも呼ばれ、性質は無酸素銅に近いです。タフピッチ銅が代表的で無酸素銅に比べて安価ですが、600度以上に加熱すると水素脆性が発生し、亀裂や割れが発生する恐れがあります。

3. 半硬質銅管

ハンカタ材とも呼ばれ、冷媒直管で主に使用されます。ベンダーで曲げ加工ができるので自動車用パイプなど圧力がかかり複雑な形状が必要な場所に使用されます。

4. 硬質銅管

ハード材とも呼ばれ、非常に硬くて強度があるので曲げることはできず、建築配管、冷凍配管、油圧配管などの強度が求められる場所に使用されます。

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