パワーシリンダ

パワーシリンダとは

パワーシリンダは、モータでボールネジを回転させることで、直線方向に高荷重の物体を押したり引いたりするためのアクチュエータです。

従来の油圧シリンダの場合、ポンプを稼働させて推力を維持する必要がありますが、パワーシリンダには必要がありません。ゆえに電力使用量の削減が可能です。

油を輸送する配管が不要であるため、システム構成が簡単であるというメリットがあります。モータを駆動するためのケーブル接続のみで済みます。

また停電時に電力を喪失しても、ブレーキ付きモータが作動することにより負荷が保持されるため、落下事故の心配がないというメリットがあります。 

パワーシリンダの使用用途

パワーシリンダは高負荷の直線運動が必要とされる重機械、建設機械、農業機械などにおいて主に使用されます。

具体的には、機械部品のロック機構や扉の開閉、各部位の角度・位置調整が挙げられます。
また重量物の昇降にも応用されます。

医療現場でもパワーシリンダによる昇降機能を利用して、車椅子やベッドを移動させることができます。

対象とする搭載物に応じて最大推力が広く定められています。また使用温度範囲も低温から高温まで対応できるパワーシリンダが使用されます。

パワーシリンダの原理

パワーシリンダはモーターとギアヘッド、ボールネジによって構成された機器です。これらの連動により直線的な伸縮運動を実現します。

動作原理について記述します。まずモーターから発生した回転運動がギアヘッドに伝わり、ギアヘッドの回転が生じます。

ギアヘッドはボールネジと連結されているため、ヘッドの回転方向に応じてネジが伸びたり縮んだりすることで、伸縮の大きさを調整することができます。

なお、ボールネジとはネジが切られたロッドにナットやベアリング用のボールが接続された部品のことです。ギアヘッドからの回転運動を直線運動に変換することができます。

その結果、直線運動における位置や速度といったパラメータの調節をモーターの動作により簡単に制御することができます。

比較的、低速でも動作が安定しており、加速時もスムーズに移行させることができます。
そのため、複数の位置でシリンダを停止させたい場合(多点停止)であっても、安定して使用することができます。

参考文献
https://www.tsubakimoto.jp/power-transmission/linear-actuator/electro-mechanical/power-cylinder/
https://www.weblio.jp/content/%E3%83%91%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です