ミーリングチャックとは
ミーリングチャックとは、エンドミルやドリル等の各種切削工具を把握し、加工機械のマシニングセンタやフライス盤の主軸に取付けることができるツーリング工具です。
重切削が可能な高剛性タイプから軽切削に用いるスリムタイプがあり、加工機械の形状や加工目的に合わせてさまざまな種類があります。
主軸の高速回転による触れの抑制や精度確保のために、ミーリングシャックと加工機械との接地面が2面拘束や3面拘束になっているものもあります。
ミーリングチャックの使用用途
ミーリングチャックには、回転数を数倍に上げることのできるスピンドルタイプやミーリングチャックの中に切削液を通して切削工具に切削液を供給できるセンタースルータイプ等便利な機構が付属しているものがあります。
ミーリングチャックの機械に取り付ける部分をシャンクといい、そのシャンクにも種類があります。
汎用フライス用にはNTシャンク、NC機やマシニングセンタ用にはBTシャンクまたはHSK規格のシャンク等があり、加工機械側の主軸規格とサイズに合わせて選定します。
ミーリングチャックの原理
ミーリングチャックのシャンクは、大きさにより、30番、40番、50番に分類されています。
シャンク形状は、主にBTシャンク、HSKシャンク、NTシャンクがあります。BTシャンクは、主にマシニングセンタで使用され、海外、国内問わず最も一般的なシャンク形状です。機械側からシャンクの先端にあるプルボルトを引っ張ることで、シャンクのテーパー部分と機械の主軸のテーパー部分が密着し保持します。HSKシャンクも、主にマシニングセンタで使用されますが、BTシャンクとの違いは、シャンク部分が短く、プルボルトがありません。テーパー部分が中空になっており内側を引っ張ることでテーパー部分が密着し保持します。BTシャンクより省スペースでの保管が可能です。NTシャンクは、テーパー部分の形状はBTシャンクに似ていますが、ATC(工具の自動交換)機能用のツバなどがありません。汎用フライスなどのATC機能がついていない機械で使用されます。