ベアリングローラとは
ベアリングローラは、軸受と中空軸とが組み立てられたものと、軸受と中心部にボルトを内蔵したものがあります。
中空軸と組み立てられたものは、主に中心部分に軸を挿入し、軸受外径をガイド部にします。
中心部にボルトが内蔵されたものは、主にタップ穴に挿入して、軸受外径部をガイド部にして使用します。
ガイド部はワークの搬送ガイドにしたり、搬送用のローラーにしたりします。
類似部品として、軸受部にニードルベアリングを使用した、ローラーフォロアとカムフォロアがあります。
ベアリングローラの使用用途
中空軸のものは、軸受の内径部に中空軸が挿入されていて、軸の任意の位置で固定可能な構造をしています。使用用途は次の通りです。
一本の軸に複数個のベアリングローラを配置して、その軸を複数本平行に並べることにより、ワーク搬送用のローラーとして使用する。
一本の軸に2つベアリングローラを配置して、軸受の外径面で薄膜のワークを押さえることで、テンショナーとして使用する。
ボルト内蔵のものは、中空軸の内径部分にボルトを挿入し、タップ穴に挿入することで簡単に固定可能な構造をしています。使用用途は次の通りです。
等間隔に複数個のベアリングローラをガードレールの様に配置して、ワーク搬送用ガイドとして使用する。
任意の距離で同一方向にベアリングローラを2個設置し、それぞれの外径部をつなぐ矩形に薄膜やベルトを通し、外側から押さえテンショナーとして使用する。
ベアリングローラの原理
中空軸のものは、軸受の内径部に中心が穴のリング材を挿入し、挿入した先端に止め輪が組付けられています。軸受がリング材から抜けない様に、リング材の肩と止め輪とで軸受の幅を拘束する構造になっています。そのリング材はボルト等によって内径を締め付ける(内径寸法を小さくする)ことが可能であるため、軸の任意の場所で固定が可能です。
軸受を使用しているので、高負荷で高速回転であっても滑らかに回転します。
ボルト内蔵のものは、中空軸のものの内径部にボルトが内蔵されています。ボルトの頭は六角穴等が付いているため、取り付けたい部分にタップ穴を加工すれば、簡単に任意の場所に取り付けることが可能です。
軸受の内径部にリング材を挿入する形状のほかに、軸受の外径部にリング材を圧入する形状もあります。
リング材の外径形状を溝にしたり、凸のR形状にしたりすることにより、ワークの形状に適したテンショナーやガイドにすることも可能です。
参考文献
https://www.iwata-fa.jp/html/index-14.html
https://www.mekasys.jp/series/detail/id/IMO_0081
https://www.imao.co.jp/catalog/imageindexlists2/?categorycode=$SMEGRO
https://www.thk.com/?q=jp/node/6729
https://www.thk.com/?q=jp/node/6728