圧縮試験機とは
圧縮試験機は、部材に圧縮する方向に力をかけて部材の挙動を確認したり、部材を圧縮破壊させて、物理特性を測定する時に使用する試験機です。
主に、試験時に発生する力と変位を所定の時間経過で測定し続けることができます。
ロードセル(力を測定するセンサー)の向きを変えることで、引張り方向の試験を行えるものもあります。
各社から卓上のコンパクトなサイズの試験機(数Nの測定)から、コンクリートや金属の圧壊に使用するサイズの試験機(数千kNの測定)まで、幅広くラインナップされています。
圧縮試験機の使用用途
研究室や材料メーカでの基礎研究における、材質の圧縮に対する物理特性を確認する時や、工業メーカでの圧縮による破壊試験実施等で使用することがあります。
各所の工業研究所・工業試験場に設置されていることも多く、使用申請をすることで、試験機購入の金額よりも比較的安価(1時間で数千円)で使用することができます。
シンプルな形状で持ち運び可能なワークで、ワーク設置に専用の治工具が不要、試験条件(ヘッドスピード、想定ストローク)がすでに決まっている、ワーク数が決まっている等、事前の段取りを行うことで、工業試験場でも、十分対応できるケースは多数あります。
圧縮試験機の原理
ワークを設置する台座と、上部にロードセルが取り付けられる可動部があり、ロードセルの測定値を取り込むPC等やタッチパネルから構成されています。
コントローラやPCから操作し、可動部を下に移動させ、ワークを台座と可動部で挟み込み、その状態で圧縮方向に力を負荷します。負荷する力をロードセルで測定することで、圧縮方向に発生している力を測定することが可能です。
可動部の位置データとロードセルの荷重データから、ワークの圧縮特性を把握することが可能です。例えば、炭素鋼の様な、ぜい性材であれば、圧縮破壊までの圧縮弾性率や破損荷重が測定でき、銅のような延性材であれば、圧縮弾性率や破損荷重や降伏荷重等の測定が可能です。これは、位置データと荷重データとを試験中1秒間で数点から数十点のデータ取得が、試験開始直後から試験終了まで継続して取得し続けれるため可能になります。
また、これらの試験データは数値で確認することもでき、システムのインターフェースでグラフにして可視化することも可能です。
参考文献
https://www.minebeamitsumi.com/product/mcd/1182012_6189.html
https://www.an.shimadzu.co.jp/test/products/mtrl03/index.htm
https://www.aandd.co.jp/products/electronic/sp-digital_caliper_other/sp-force_gauge/mct/
http://www.maekawa-tm.co.jp/product02.html