フレキシブルフラットケーブル

フレキシブルフラットケーブルとはフレキシブルフラットケーブル

フレキシブルフラットケーブルとは、平たい電線を並べ、絶縁コーティングをした電線のことです。

略してFFCとも呼ばれています。通常の電線は断面円形の電線を絶縁層を介して集め、断面が丸形となるように被覆していますが、FFCは平たい電線を並べて絶縁層となる樹脂フィルムで挟み込んでおり、平型で厚みが通常の電線と比較して大幅に薄いのが特徴です。

フレキシブルフラットケーブルの使用用途

フレキシブルフラットケーブルは屈曲が可能であるため、スペースを取らない電線として広く利用されています。近年、各種の機器の小型化や軽量化、省スペース化が進み、これに対応すべくフレキシブルフラットケーブルが製造されるようになりました。

フレキシブルフラットケーブルは、プリント基板と基板の接続や、基板と電子部品への接続も可能です。比較的価格が安く、繰り返し折り曲げて使用することができるため、稼働する場所に多く用いられます。具体的には、家電製品全般や液晶TV、石油ファンヒーター、プリンターおよび複写機、ステレオやVTR、電話機などです。

フレキシブルフラットケーブルのバリエーションは多く、芯数の多いタイプや、両面テープつき、ハロゲンフリーや、金メッキ仕様なども製造されています。

フレキシブルフラットケーブルの原理

平型の電線の上下を絶縁体となるプラスチックフィルムで挟んだ構造で、接合面には接着剤を塗布し、熱および圧力をかけて圧着しています。圧着することで、フレキシブルフラットケーブルの厚みを0.3mm程度など非常に薄くすることが可能です。なお、電線には主にスズメッキされた銅箔が用いられていますが、ニッケルめっきされた、金メッキされた銅も使用されています。

また、絶縁体となるプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート  (PET) やポリイミドなどが一般的です。接着剤としては、ポリエステル系のものなどが使用されています。使用温度の上限が75℃程度とあまり高くないものが多数ですが、材料により125℃程度を使用上限とする高耐熱性のフレキシブルフラットケーブルもあります。

フレキシブルフラットケーブル両端の端末部は、ポリエステルフィルムなどよりなる補強板で補強されており、コネクターに接続できる形状です。具体的な構造は、両端とも導体が露出しており、これを補強板で支えているもの、導体露出の面が逆になるように補強板で支えているもの、片側の端末部のみ補強板で支えているものなどがあります。また、この補強板の形状を工夫するなどして、コネクタへの篏合性能を向上させているものもあります。

なお、フレキシブルフラットケーブルと補強板の接着はホットメルト接着剤によるものです。コネクタに嵌合した状態で高温下 (150℃) にて使用すると、接着剤が軟化して接続安定性が不安定になることがあります。これを解決するために、ポリエステルを主原料とした接着剤が開発されたという報告もあります。

フレキシブルフラットケーブルその他情報

フレキシブルフラットケーブルの規格

フレキシブルフラットケーブルは、そのほとんどの製品がUL規格を満たしています。UL規格は、アメリカ保険業者安全試験所 (Underwriters Laboratories Inc.: UL) によって策定される製品安全規格です。フレキシブルフラットケーブルは、そのほとんどの製品がUL規格を満たしています。UL規格は、アメリカ保険業者安全試験所 (Underwriters Laboratories Inc.: UL) によって策定される製品安全規格です。

製品本体の表示は、UL規格を満たす規格品であることを示すためのマークです。製品におけるUL規格は、AWM (Appliance Wiring Material) というカテゴリーに分類されています。FFC製品はULスタイルに適合するようにつくられており、ULスタイルNo.ごとに定格 (温度、電圧) や難燃規格が定められています。すべてのFFC製品は難燃規格に合格しており、その規格は最も厳しい垂直難燃試験 (VW-1) です。

また、一部の用途においてはCSA規格の取得を求められる製品があります。CSA規格とは、カナダにおける工作機械、電子機器、医療機器等の電気用品に対する安全規格で、人命、財産の安全保証を目的として制定されています。

参考文献
http://www.wirestation-mall.jp/ffcstation/100ffc/1whatisffc.html
https://www.shibata.co.jp/products/ffc
https://www.wirestation-mall.jp/ffcstation/300ffc/#05
https://www.jetro.go.jp/world/qa/04S-040007.html#
https://www.shibata.co.jp/products/ffc
https://sei.co.jp/technology/tr/bn194/pdf/194-23.pdf

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