流量スイッチ

流量スイッチとは

流量スイッチとは、液体や気体といった流体の瞬時流量を検出する装置のことです。

運動子の回転数から流量を割り出す羽根車式、粘性液体の計測に適した容積・質量式、微量の流体も検知する電磁式など、さまざまな計測方式があります。

なお、渦流量計は液体や気体、上記など広範囲の流体計測に用いることができる圧力損失が比較的小さい流量計です。多種多様な流体を高精度で検出できるため、今後の更なる普及が見込まれます。

流量スイッチの使用用途

流量スイッチは、産業機械の製造工程や民生品の管理用途、医療機関などで用いられています。流量スイッチは、液体や気体の瞬時の流量を計測するセンサです。計測精度は製品や検出の機構に大きく依存します。

特に高精度の製品には、産業機械の製造工程中の必要に応じた流体の微細な液位変化をモニタするための使用用途があります。また、車載向けのトランスミッション中に用いる油などの潤滑流体や車両中の流体特性の測定、民生品エアコンの管理なども用途の1つです。

流量スイッチの原理

流量スイッチには、様々な方式の検出機構があります。代表的な方式は、サーミスタ式、カルマン渦式、MEMS方式の3つです。

1. サーミスタ式流量スイッチ

サーミスタ式流量スイッチは、流路中に加熱したサーミスタを設置し、そこに流体を流すとサーミスタから熱を吸収する方式です。サーミスタの熱の低減からの抵抗値上昇率が流速とある関係を有する性質により、流速を測定します。

2. カルマン渦式流量スイッチ

カルマン渦式流量スイッチは、流体の振動現象を利用する方式です。流れの中に棒状の物体を置くと渦発生体となって、下流側に交互に渦が発生します。

この渦はある条件下においては非常に安定であり、その周波数は流速に比例するので、周波数評価から流量を算出することができます。

3. MEMS方式

MEMS方式流量スイッチは、主に気体向けの流量測定方法を有する方式です。MEMSの抵抗値の流れに対する場所依存性が、流体の流速に比例するため、その抵抗値から演算処理することで流れの方向や流速を測定できます。

流量スイッチのその他情報

1. フロースイッチとポンプ

流量スイッチに近い機能を有するフロースイッチは、液体の流れを検知して動作するスイッチです。ポンプが動くと液体が流れ、ポンプが止まると流れも停止するため、液体の状態をON/OFFで検知したい時にフロースイッチが使われます。

ほとんどの場合、液体の流れの状態を見てシステムの制御を行うので、液体の流れを作るポンプと流れを検知するフロースイッチを組み合わせて使用します。フロースイッチとポンプはセットで使われることを想定して設計されているため、相性も良好です。

2. フロースイッチと流量計の違い

フロースイッチは液体の流れを検知して動作するスイッチなので、動作はONかOFFのどちらかです。電圧で言えばL (ロー) かH (ハイ) 、マイコンの処理情報で言えば0か1、表示で言えば動作と停止の2種類の状態のみであり、デジタル的な動作用途に用いられます。

これに対して流量計は、液体の流速や流量そのものを計測する機器のためアナログ的な動きをしています。表示される測定結果は、1分間に何リットルの流量なのかを示す様な連続的な状態で、計測結果が数値として表示されます。

また、フロースイッチの検出方法は検出器の内部に入った水などの液体の水位が上昇するとフロートと呼ばれる液体に浮かぶ部位が水位と共に上昇して、閾値まで達するとスイッチが切れる非常に簡素な仕組みです。これに対して流量計の検出方法はフロートスイッチと同様なタイプ以外に、差圧式などの多種多様の方法があります。求められる測定精度や条件に応じて、最適な選定をすることが大切です。

参考文献
https://www.smcworld.com/products/pickup/ja-jp/switch_sensor/flow_sensor.html
https://www.oval.co.jp/techinfo/keisoku/vortex.html
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tsj1973/20/9/20_9_526/_pdf/-char/ja
https://www.keyence.co.jp/ss/products/process/flowmeter/type/
https://kikai-syuuri.com/technica/post_2874/

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