ドアスイッチとは
ドアスイッチとは、ドアの開閉に応じて接点出力をする機器です。
広く使用される接触式ドアスイッチは、リミットスイッチやマイクロスイッチと似た構造をした機器で、ドアや扉に固定して使用する点が特徴です。
ドアスイッチの使用用途
ドアスイッチは、産業や家電に広く使用される機器の1つです。ドアスイッチの使用用途は、以下の通りです。
- 冷蔵庫や電子レンジの扉開閉検知用
- 納屋の自動点灯用
- 大型プレスや搬送機器のインターロック用
- 制御盤の照明自動点灯用
- プリンターや複合機のトレイ開閉検知用
- 自動車の扉開閉検知用
最も一般的に使用される事例は冷蔵庫です。冷蔵庫は扉の開放を長時間継続するとブザーを鳴らしたり、開放時に内部照明を点灯させる製品が多いです。この際、扉の開閉検知にドアスイッチが使用されます。
また、産業においては安全用のインターロック装置としてドアスイッチが使用される場合があります。主に大型の製造装置などに使用され、人身災害防止の観点から取り付けられることが多いです。
巨大装置や高トルク動力装置へ巻き込まれる事故は、過去より多く発生しています。これらの人身災害を未然に防ぐべく、装置全体を安全柵で覆うなどの対策を取ります。柵で覆うだけでは人が装置に近寄ることが困難になるためドアなどを設けますが、ドアを開けると装置が停止するようにインターロックを設けることが多いです。
インターロックに使用するドアスイッチをセーフティドアスイッチと呼ぶこともあります。ドアスイッチのみではインターロックが不完全だと判断される場合は、電磁ロック付きドアスイッチ等が採用されることもあります。
ドアスイッチの原理
ドアスイッチは、接点、機構部、取り付け金具などで構成されます。
1. 接点
接点は、デジタル接点信号を発信するための部品です。主に銀や金などの材料が使用されます。接点の許容される電流値は数A程度が一般的で、制御用回路に組み込まれることが多いです。
2. 機構部
機構部は、ドアの開閉を検知する部品です。用途に応じて接触式の製品や非接触式の製品などがあります。接触式の製品では主にマイクロスイッチが内蔵されており、非接触式の製品ではリードスイッチが内蔵されています。
3. 取付金具
取付金具はドアに取り付けるための金具です。ビス留めなどの構造の製品が一般的です。ワンタッチプラグが使用された製品も販売されています。
ドアスイッチの種類
ドアスイッチは、用途に応じてさまざまな種類の製品が存在します。代表的な種類は、以下の通りです。
1. 非接触式ドアスイッチ
非接触式のドアスイッチは、内部にリードスイッチを内蔵したドアスイッチです。専用のアクチュエータが付属しており、内蔵された磁石で開閉を検知します。ドアと接触しないため、機械的に摩耗するような部品が少ない点が特徴です。
一般的なリードスイッチは磁石を使用すれば接点の開閉が可能ですが、安全用途の場合は専用のアクチュエータを使用しなければならない構造になっています。これはリードスイッチの誤動作などを防止するためです。
2. 接触式ドアスイッチ
接触式は、内部にマイクロスイッチを内蔵した構造のドアスイッチです。先端のアクチュエータがドアに接触することで扉閉止を検知します。さまざまなアクチュエータの製品が販売されています。
堅牢かつ安価なため、冷蔵庫のドアやプリンターなどには接触式ドアスイッチが使用されます。ただし、経年使用によって内部のばねが弱まってしまった場合、誤不動作が発生する危険があります。
3. 電磁ロック付きドアスイッチ
電磁ロック付きは、電磁ロックによるドアの施錠機能を有したドアスイッチです。安全の用途でドアスイッチを使用した場合、ドアスイッチが故障すると人身事故の原因になります。
電磁ロック付きのドアスイッチを選定することで、ドアの施錠によって誤侵入防止が可能です。一般的には、施錠時に無理やりこじ開けると設備が停止するようにインターロックを設けます。