スーパーエンプラ加工

スーパーエンプラ加工とは

スーパーエンプラ加工とは、耐熱性・機械的強度・耐薬品性などに優れたスーパーエンジニアリングプラスチック (通称:スーパーエンプラ) に、用途に応じて切削、成形、溶接などの加工を施すサービスです。

スーパーエンプラとは、エンプラ (エンジニアリングプラスチック) の中でも特に性能が高く、150℃以上の耐熱性を持ち、金属代替や高機能部品として使用される高分子材料のことを指します。

代表的なスーパーエンプラは、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 、PPS (ポリフェニレンサルファイド) 、PI (ポリイミド) 、PES (ポリエーテルスルホン) 、PAI (ポリアミドイミド) などです。これらの素材は、機械加工や精密部品の成形に適しており、一般的な樹脂では対応できない過酷な使用環境にも耐えることができます。

スーパーエンプラ加工の使用用途

スーパーエンプラにはそれぞれ特徴的な性質があり、その加工サービスが活用される分野は多岐にわたります。

1. 自動車分野

自動車分野では、エンジン回りの高温部品や燃料系統の配管部材、軽量化を図るための金属代替部品などに使用されます。特にPEEKで作られる部品は耐熱性と耐薬品性に優れ、ガソリンや潤滑油との接触がある部位でも高い性能を維持します。

2. 電子・半導体産業

電子・半導体産業では、クリーンルーム内で使用される治具や、静電気対策が求められる部品に採用されることが多くあります。耐熱性と寸法安定性を兼ね備えたスーパーエンプラは、高精度な電子部品の加工・組み立て工程で不可欠です。

3. 医療機器

医療機器の分野でも、滅菌に耐える素材としてPEEKやPPSU (ポリフェニルスルホン) が利用されています。MRI対応のインプラント部品、手術用器具、または耐久性の高い人工関節など、人体への影響が少なく、生体適合性のある加工製品が求められる領域でも重要な役割を果たしています。

ISMS取得支援サービス

監修:アイソ・ラボ株式会社

ISMS取得支援サービスとは

ISMS取得支援サービスとは、企業や団体がISO/IEC 27001認証を取得するための専門サポートサービスです。

ISO/IEC 27001は、ランサムウエアによる被害やサプライチェーンの弱点を悪用した攻撃、標的型攻撃による機密情報の搾取などの情報セキュリティ問題に備えるための、情報セキュリティーに関する国際規格です。ISO/IEC27001が要求する情報セキュリティ管理システム (ISMS) の適切な運用体制を構築し、情報資産を保護する仕組みを備えていると認められた証明として広く利用されます。

ISMS取得支援サービスの使用用途

ISMS取得支援サービスは、取引先からISMS取得を求められている、社内にノウハウとリソースが足りない、中小企業でも効率よくISO/IEC27001に準拠したい等、ISMSを取得したい企業が活用するサービスです。以下のような場合に活用されます。

1. 内部体制構築・運用設計

ISMSでは情報セキュリティポリシーを定義し、組織内の役割分担や手続きを整えることが求められます。支援サービスを利用することで、自社の情報管理体制とISO/IEC27001との差異を調査し評価し、現場の実情を踏まえた効率的な規程策定が可能です。専門家の助言を受けながら、情報資産の洗い出し、リスクアセスメント、管理策の整備を共同で実施し、組織が自走できるISMSの構築が仕組みを設計できる点が特徴です。

2. 審査対策・文書管理

ISMS認証を取得するためには、規程類や手順書を整備し、外部審査員に対して組織全体の情報保護体制をわかりやすく示す必要があります。支援サービスではセキュリティポリシー、運用手順書、記録様式などの文書作成支援の実施が内部監査員育成研修などの社員向け教育を実施し、必要に応じて内部監査に立会い、模擬審査の実施や指摘事項の解決支援等も行います。

3. 継続改善

ISMSの認証は取得して終わりではなく、変化する脅威や業務内容に合わせた見直しが欠かせません。支援サービスを利用すれば、定期的な監査や管理体制の振り返り方法を検討し、課題が見つかった際の対応策を迅速に導入できます。セキュリティ文化を定着させる意味でも、継続的な専門家のアドバイスは有効です。

本記事はISMS取得支援サービスを提供するアイソ・ラボ株式会社様に監修を頂きました。

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インターロッキングブロック

インターロッキングブロックとは

インターロッキングブロックは、互いに噛み合わせることで安定した舗装面を形成するコンクリート製のブロックです。

インターロッキング (英: interlocking) とは、「かみ合わせる」という意味です。インターロッキングブロックは、ブロック同士を噛み合わせて、目地に砂を充填して手作業で施工されます。レンガ調の見た目ですが、工業製品のブロックであるためにレンガよりもコストパフォーマンスに優れており、目地に充填した砂により荷重分散効果が得られることが特徴です。ブロックの目地から下に雨水が浸透するため、水はけにも優れた舗装方法です。

色や質感、形には様々な種類があり、希望する舗装デザインに合わせて自由に選択することができます。また、その他に植生用や、透水ブロック、保水ブロックなど、様々な用途・機能性の製品が提供されています。

インターロッキングブロックの使用用途

1. 歩道・公園

インターロッキングブロックは、人が歩行する場所の舗装材として広く使われています。一般道路の歩道のほか、遊歩道、広場、公園、施設通路など様々な場所で利用が可能です。耐久性に優れ、レンガ調・石畳調の景観効果が得られます。スリップ防止効果があるため、歩行者の安全を向上させる機能的な舗装でもあります。

透水性や保水性などの機能性のあるブロックを用いると、雨水対策なども可能です。福祉対応型として目地幅を狭くしたり段差抑制を考慮したインターロッキングブロックもあるため、こどもや高齢者などへ配慮した舗装敷設を行うこともできます。

2. 車道・駐車場

インターロッキングブロックは、荷重分散効果により、ひび割れや変形が起こりにくい舗装材です。耐衝撃性と耐久性に優れることから、下地をきちんと整備すれば、車両利用にも耐えることができます。

車道、駐車場に広く利用され、大型車の走行にも耐えることが可能です。スリップ防止効果が高く、雨天時走行の安全性も高まります。透水性が高いため、水たまりができにくいことも特徴です。一般的なアスファルトよりも表面温度が上昇しにくいため、ヒートアイランド現象の緩和効果が期待できます。

3. 建築外構

インターロッキングブロックは、レンガ風・石畳風の意匠性の高さから、様々な建築外構に取り入れられています。アプローチ、駐車場、庭などの様々な用途で利用され、一般住宅の玄関のアプローチからショッピングセンターや商業施設まで、規模の大小を問わず利用が可能です。

破損したブロックだけを交換できるため、部分的なメンテナンス性の高さも特徴です。カラーバリエーションが豊富であることから、デザインパターンも無限に組み合わせることができ、直線的なレイアウトだけではなく曲線的なレイアウトにも対応します。

PEEK加工

PEEK加工とは

PEEK加工とは、PEEK素材を目的に応じた形状や機能に加工するサービスです。

PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) は、耐熱性、耐薬品性、機械的強度、絶縁性などに優れたスーパーエンジニアリングプラスチックの一種です。その高性能な特性により、金属代替素材としてさまざまな業界で注目されています。一方でPEEKは一般的なプラスチックと比べて加工が難しい面もあるので、専門的な知識と設備が必要です。

PEEK加工では、製品の性能や構造に応じて、切削、接着、溶接、溶着などの加工方法を適切に使い分けながら、要求される精度・強度・耐久性を実現します。試作から量産、特殊用途部品まで対応可能で、医療・化学・自動車・航空機・半導体など、厳しい使用条件を求められる分野で多く利用されています。

PEEK加工の使用用途

PEEK加工は、用途に応じていくつかの加工方法が採用され、それぞれ異なる目的に対応しています。以下で、加工方法ごとにPEEK加工の使用用途を解説します。

1. 切削加工

切削加工は、PEEK素材から必要な形状を削り出すことで、高精度かつ複雑な部品を製作する方法です。主に精密部品や試作品の製造に利用され、医療機器部品、航空機内部の構成部品、半導体装置の精密パーツなど、微細な設計が必要な用途に最適です。

2. 接着加工

接着加工は、PEEK同士あるいは他素材との接合を行う方法で、複雑な構造のアセンブリや異種材との一体化が求められる際に利用されます。たとえば、医療機器のハウジング部品や小型電子機器のケースなど、柔軟性と設計自由度が必要な場面で活用されています。

3. 溶接加工

溶接加工は、熱風や超音波、レーザーを使ってPEEK部品を強固に接合する方法です。例えば、振動や高圧がかかるような過酷な環境にも適用することができます。

4. 溶着加工

溶着加工は、PEEKの表面を加熱し、圧力を加えることで一体化させる方法です。例えば清潔性が求められる医療機器や食品加工設備などに使われ、接着剤を用いない安全な結合が実現できます。滑らかで異物のたまりにくい接合が可能なため、衛生面でも優れたものです。

汚泥濃縮機

汚泥濃縮機とは

汚泥濃縮機とは、排水処理工程で発生した汚泥を濃縮して体積を減らすための機械です。

排水処理で発生する汚泥は、通常99%以上が水であるため、埋立や焼却の前工程として濃縮や脱水によって体積を減らすことが必要です。汚泥濃縮機は、脱水機の前段階に利用し、脱水機の効率を高めることができます。また、脱水機と異なり減容後の汚泥形状が液状のため、処理後の取り扱いの上で液状のままが望ましい場合に特に有効です。

汚泥濃縮機では、一般的に、固形物濃度0.4~2%程度の汚泥を4%前後の濃度まで高めることが可能です。汚泥濃縮機による濃縮は、動力機構を利用して濃縮を行う「機械濃縮」に分類され、ベルト式濃縮機、遠心式濃縮機、スクリュープレス濃縮機などがあります。

汚泥濃縮機の使用用途

1. 下水処理施設

生活排水や雨水、産業排水などを処理する一般的な下水処理施設で汚泥濃縮機は利用されています。下水処理場などでは微生物の力で排水中の有機物を分解する水処理技術が一般的ですが、一方で増えすぎた微生物が汚泥の発生原因となるという側面があります。

沈澱池から送られた汚泥に凝集剤を添加し、主にベルト式濃縮機や遠心式濃縮機を用いた濃縮が行われます。主に汚泥脱水機の前段階で利用され、処理コストの削減や施設負荷の軽減、環境負荷の低減に効果があります。

2. 産業排水処理

工場や産業施設から排出される産業排水には重金属や化学物質などの有害成分が含まれる場合があり、汚泥は産業廃棄物として適切な処理を行うことが必要です。化学工場、メッキや表面処理の工場、発電所、建設現場などの利用シーンが挙げられます。

また、オフィスビルや大型商業施設など、地下に排水処理設備を備える施設では脱水ケーキの搬出ができないため、汚泥を液状のままバキューム搬出することが必要となります。このような場合、汚泥濃縮機を利用して搬出頻度を減らし、産廃費を削減することが可能です。

3. 畜産業

畜産業では糞尿を処理する際に汚泥が発生します。畜産業で発生する汚泥には窒素やリンなど有機物量が多く含まれることが特徴です。また、悪臭や病原性微生物によって水質汚染や土壌汚染を引き起こす可能性があることから適切な処理を行うことが必要です。

汚泥濃縮機を利用することで、糞尿汚泥も処理を行うことができ、含まれる有機物を有機肥料として農業利用へつなげることも可能です。また処理効率向上によりコストカット効果も期待されます。畜産業の中でも豚舎糞尿汚泥で特に多く利用されています。

バイオスティミュラント

バイオスティミュラントとは

バイオスティミュラントとは、植物の生長を助ける薬剤です。

海藻由来の成分や微生物由来のエキスなどが配合された薬剤です。植物体内で生長や開花などを調整する植物ホルモンの合成を促し、土壌中の微生物活性を手助けします。これにより、根の発育や葉の光合成をスムーズにすることが可能です。

化学肥料や農薬とは異なり、植物が自らの力で環境への適応や栄養吸収を高められるように促す技術として注目されています。また、植物の免疫力や抵抗力を高めるとされるため、栽培環境の変動に強くなる可能性も期待されます。化学的な成分に頼りきらない方法を模索する動きの中で、バイオスティミュラントは独自の立ち位置を確立しつつあります。

バイオスティミュラントの使用用途

バイオスティミュラントは魔法のように瞬時に効果をもたらすものではなく、植物の種類や土壌条件及び気候などによって作用が異なります。適切な組み合わせを模索することが大切です。以下は活用用途の一例です。

1. 土壌改良

微生物や酵素を含むバイオスティミュラントを施用することで、土壌微生物の活性化や有機物の分解促進が期待できます。土壌環境が整うと根が吸収しやすい栄養分が増え、植物の健やかな成長につながります。これにより、収穫物をより魅力的にすることが可能です。

2. 生育サポート

植物そのものの生育をサポートする薬剤も存在します。バイオスティミュラントに含まれるアミノ酸や植物ホルモンに類する成分が根・茎や葉の成長を促し、開花や結実のタイミングを整える可能性があります。うまく活用すれば、作物の品質向上や収量増加が期待できます。

3. 抵抗力・免疫力向上

環境ストレスへの対策にも活用されることが多いです。高温や乾燥、病害虫によるダメージなどに対して、植物の抵抗力を高める可能性があります。過酷な条件下でも生育が維持されれば、安定した生産の一助となります。これにより、収穫物を安定して出荷できるようになる可能性もあります。

耐震装置とは

耐震装置とは

「耐震装置(たいしんそうち)」とは、地震による建物や設備の揺れを軽減し、安全性を高めるために設置される装置やシステムのことです。建物そのものが地震に耐えるよう強化する「耐震構造」の一部として活用されることが多いです。

主な種類としては、揺れを吸収するダンパー(制震装置)、地面と建物を分離して揺れを伝えにくくする免震装置、建物の強度を高める補強材や耐震壁などがあります。これらは建物の倒壊を防ぎ、人命や財産を守る役割があるものです。特に地震の多い地域では不可欠な設備で、新築や改修時に導入されることが増えています。

耐震装置の使用用途

耐震装置の使用用途は、地震による建物や構造物の被害を軽減し、安全性を確保することです。
具体的には、以下のような用途があります。

1.建物の保護

地震の揺れから住宅、マンション、オフィスビル、商業施設などを守り、倒壊や損壊を防ぐために使用されます。特に高層ビルや集合住宅では、揺れを吸収・分散する仕組みにより、安全性を高めることができます。

2.設備や機器の保護

病院やデータセンターなどに設置された精密機器や重要な設備を揺れから守るために利用されます。これにより、重要な設備の被害を防ぎ、地震後も稼働を続けることが可能です。

3.重要施設の機能維持

電力施設、通信施設、交通インフラなど、災害時にも稼働が求められる施設の安全性を高めることが期待できます。これにより、被害を抑えながら、迅速な復旧を進めることができます。

4.文化財や歴史的建造物の保護

耐震装置は歴史的な建物や文化財の保存にも役立っています。地震から貴重な建造物を守り、その価値を次世代に引き継ぐために用いられる技術です。

5.仮設建築物への応用

災害後に設置される仮設住宅や仮設施設にも耐震装置が使用される場合があります。これにより、余震による被害を軽減し、被災者の安全を守ることができます。

6.橋梁やトンネルの保護

建物以外にも、橋梁やトンネルといった交通インフラに耐震装置が設置されることがあります。地震時の崩壊を防ぐことで、災害時の交通網の確保に役立っているのです。

7.産業設備の安定運用

化学プラントや発電所など、危険物を扱う施設では、耐震装置により設備の安定性を向上させることで、二次災害の発生を抑えています。

8.宇宙開発分野での応用

ロケットの打ち上げ施設や人工衛星の開発施設においても、耐震装置が利用されるも少なくありません。これにより、地震時にも精密な機器や装置を守ることができます。

産業用インクジェットプリンターとは

産業用インクジェットプリンター

産業用インクジェットプリンターとは、基本的には民生用のインクジェットプリンターと同様の原理で動作し、ドット状のインクを滴下することで印刷を行う装置のことです。

産業用インクジェットプリンターと民生品との違いは、使用用途にあります。民生品では文字や写真などを紙に印刷するのに対し、産業用のプリンターではバーコード・期限などの製品情報をパッケージに印刷したり、紙以外の材質にも印刷したりすることが可能です。

その他、産業用インクジェットプリンターにはCDや瓶などの表面にデザインを施すことができる製品もあります。

産業用インクジェットプリンターの使用用途

産業用インクジェットプリンターは、ポスター、看板などを製作する印刷業や、食品、医薬品、産業用製品などを製造する製造業などで使用されています。また、衣服の製造時に印刷を行うアパレル業界などでも有用です。

民生用のインクジェットプリンターでは印刷できない材質の記録媒体に対して、印刷を行えるのが特徴です。例えば、ガラス、樹脂、ゴム、金属、厚紙、木材、布などの記録媒体に印刷を行うことが可能です。

電子部品のような小型の記録媒体から看板のような大型の記録媒体まで、様々な大きさの記録媒体に印刷を行うことができます。曲面を有する立体的な記録媒体や表面に凹凸のある記録媒体などにも使用可能です。

産業用インクジェットプリンターの原理

産業用インクジェットプリンターはドロップオンデマンド   (DOD) メソッドとコンティニュアス (CIJ) メソッドに分けられます。

1. DODメソッド

DODメソッドとは、必要なときに必要な量のインクを吐出させて印刷を行う方式のことです。複数ノズルから不揮発性インクを吐出させます。DODメソッドはピエゾメソッドとサーマルメソッド、加えて電磁バルブメソッドに分けられます。

ピエゾメソッド
ピエゾメソッドでは、ノズルに設置されたピエゾ (圧電) 素子の電歪現象を利用することでインクを滴下させます。ピエゾメソッドのメリットとして、ピエゾ素子の電圧制御によりインクの吐出量を精度良く制御できる点や、熱をかけないためヘッドの耐久性が高い点が挙げられます。

一方、デメリットはノズル毎にピエゾ素子が必要なためヘッドの構造が複雑になりやすい点や、気泡が混入するとノズルが詰りやすい点です。

サーマルメソッド
サーマルメソッドでは、インクを加熱することで気泡を発生させてインクを押し出して滴下させます。サーマルメソッドのメリットとして、構造が簡単で小型化しやすい点や、印刷解像度を上げやすい点が挙げられます。

一方、デメリットはインクの熱劣化が発生しやすい点、熱の影響でヘッド寿命が短い点、インクの乾燥によってノズルが詰りやすい点です。

電磁バルブメソッド
電磁バルブメソッドでは、ポンプなどでインクに圧力を加えた状態で電磁弁を瞬間的に開放し、インクを滴下させます。電磁バルブメソッドのメリットとして、加圧によってインクを遠くまで飛ばせる点が挙げられます。

一方、デメリットはインク粒が大きくなって印刷品質が荒くなりやすい点です。

2. CIJメソッド

CIJメソッドとは、加圧されたインクをプリンター内で循環させながら、適切なタイミングでノズルから吐出させて印刷を行う方式のことです。単一ノズルから揮発性インクを吐出させます。CIJメソッドではインクが常に循環されるため、乾燥性に優れた揮発性インクを使用できます。

産業用インクジェットプリンターの構造

1. DODメソッド

インクを吐出するヘッドとヘッドが搭載されるキャリッジ、キャリッジを主走査方向に移動させる機構、記録媒体を副走査方向に移動させる機構を備えているプリンターが主流となっています。印刷時には、主走査方向へのキャリッジの移動と副走査方向への記録媒体の移動を交互に行います。

2. CIJメソッド

記録媒体の搬送装置に固定されるヘッドを備えています。搬送装置で搬送される記録媒体に印刷を行います。

酸化亜鉛

酸化亜鉛とは

酸化亜鉛 (英: zinc oxide) とは、化学式がZnOで表される亜鉛の酸化物です。

天然には紅亜鉛鉱として産出されますが、地域は限られています。酸化亜鉛を亜鉛華や亜鉛白と呼ぶ場合も多いです。

労働安全衛生法では、名称等を表示すべき危険物及び有害物、名称等を通知すべき危険物及び有害物に該当します。労働基準法、化学物質管理促進法 (PRTR法) 、毒物及び劇物取締法、消防法には、該当していません。

酸化亜鉛の使用用途

酸化亜鉛は、白色顔料のペンキ、絵の具、乳濁ガラスなどに使用されています。また、タイヤなどのゴム製品の添加剤として耐久性や熱放散性を高めるために用いられます。

幅広く化粧品として使用され、紫外線を反射する性質を有するため、日焼け止めとして利用可能です。消臭効果や汗を抑える効果のため、制汗剤やボディシートなどに使用されています。さらに、収れん作用、消炎、防腐効果があり、医薬品にも用いられ、軟膏剤や液剤等に利用可能です。

メタノールを合成するための触媒にも、酸化亜鉛は使われます。

酸化亜鉛の性質

常温で酸化亜鉛は白色の粉末で、加熱しても分解しません。300°Cほどまで加熱すると黄色になり、冷えると戻ります。1気圧で熱するとおよそ1,300°Cで昇華が開始します。これは酸化亜鉛を炭素で還元する温度より低いです。

酸化亜鉛は真性半導体です。広い波長域で光を反射する性質を持っています。遷移金属をわずかに添加すると、リン光体になります。可視光を反射し、紫外線を吸収可能です。太陽光でリン光を発し、陽極線や陰極線で緑色や紫色に発光して、熱した場合には白色の熱発光を発します。

酸化亜鉛は両性酸化物です。酸に溶解して亜鉛塩を、水酸化アルカリ水溶液に溶解して亜鉛酸塩を生成します。炭酸アンモニウム水溶液やアンモニア水で錯塩を形成して溶けます。ただし水には溶けません。

酸化亜鉛の構造

酸化亜鉛は亜鉛と酸素の化合物です。紅亜鉛鉱は六方晶系の結晶を形成しています。

酸化亜鉛は六方晶のウルツ鉱と立方晶の閃亜鉛鉱の、2種類の形で結晶化します。最も安定しているウルツ鉱型構造が最も一般的です。閃亜鉛鉱型構造は立方格子構造の基板上に酸化亜鉛を成長させると安定化できます。いずれの結晶も四面体であり、一般的なZn(II)の形状です。

酸化亜鉛のその他情報

1. 酸化亜鉛の合成法

天然の紅亜鉛鉱は、アメリカ合衆国の2箇所の鉱山でのみ産出される希少鉱物です。ポーランドにある亜鉛工場の煙突で析出した結晶が販売されています。

化学式がZnC2O4と表されるシュウ酸亜鉛を400°Cで熱分解すると、酸化亜鉛は得られます。ZnCO3・3Zn(OH)2である塩基性炭酸亜鉛を熱分解しても生成可能です。硝酸亜鉛や硫酸亜鉛の熱分解でも生じます。

工業的に酸化亜鉛は、金属亜鉛を加熱して気化させて、空気で燃焼して得ています。

2. 酸化亜鉛の反応

皮脂から遊離した脂肪酸が酸化亜鉛と反応すると、亜鉛イオンがわずかに生じます。地球の大気に酸化亜鉛が触れると、二酸化炭素と水を少しずつ吸収します。

酸化コバルトと灼熱した場合には、顔料であるコバルトグリーンを生成可能です。

酸化亜鉛をリン酸で処理すると、歯科で利用されているセメント状の物質を形成します。この主成分はホープ石と呼ばれ、化学式はZn3(PO4)2・4H2Oです。

3. 酸化亜鉛の危険性

酸化亜鉛自体には毒性がありません。ただし、亜鉛や亜鉛合金が高温で酸化した際に発生する酸化亜鉛の煙を吸い込むと危険です。真鍮の融点が亜鉛の沸点に近く、真鍮を含む合金を溶解するときに起こります。空気中の酸化亜鉛の暴露は、亜鉛メッキ鋼の溶接中にも発生し、金属煙熱を引き起こす可能性もあります。

日焼け止めなどに含まれる、酸化亜鉛と紫外線吸収剤を組み合わせた配合物は、酸化亜鉛が低分子の紫外線吸収剤と光分解を起こし、毒性を示すと報告されました。

スクリュープレス脱水機

スクリュープレス脱水機とは

スクリュープレス脱水機とは、回転する円筒型のスクリューを用いて汚泥や廃棄物の脱水を行う機械です。

スクリュープレス脱水機は、円筒状のスクリーンとスクリュー羽根から構成されます。スクリュー羽根が回転して汚泥を搬送しながら圧搾・せん断して脱水する仕組みです。脱水汚泥出口に向かって汚泥の充填部分が狭くなっており、脱水が進むにつれて段々圧力が高くなっていきます。駆動部が少なく低速回転で動作するため、エネルギー消費が少なく、維持管理コストも低く抑えられます。

スクリュープレス脱水機はフィルターを使わないため、ベルトプレス方式などと比べて目詰まりの心配がありません。メンテナンスが容易で、汚泥の洗浄にかかる手間やコストも削減でき、排水処理の効率を高めることが可能です。

スクリュープレス脱水機の使用用途

1. 下水処理

スクリュープレス脱水機は、下水・産業廃水・し尿などの処理を目的として、下水処理場や産業廃棄物処理施設などで利用されている装置です。

下水処理場などでは微生物の力で排水中の有機物を分解する水処理技術が一般的ですが、一方で増えすぎた微生物が汚泥の発生原因となるという側面があります。下水処理の最終工程では、スクリュープレス脱水機を用いて汚泥を脱水し、汚泥のリサイクルや廃棄物処分を行いやすくしています。特に、スクリュープレス脱水機は、目詰まりしにくいことから、下水処理で発生する有機性汚泥の脱水に適しています。

2. 食品廃棄物

食品加工業では、食品の製造・調理の過程において加工残渣や調理くずなどの食品廃棄物が発生します。これらの廃棄物は、含まれる水分量が多いため焼却すると燃焼効率を下げる恐れがあり、温室効果ガスの発生の原因ともなります。スクリュープレス脱水機は、各種の野菜 (もやし、キャベツなど) 、果実、茶殻、焼酎原料残渣などの食品廃棄物を脱水して、大幅に減量・減容することが可能です。脱水によって再利用加工が容易になるため、搾りカスを畑の堆肥、牛や豚の飼料としてリサイクルすることもできるようになります。各種食品工場や搾汁工場、酒造メーカーなどで積極的に利用されています。

3. 農業・畜産・水産

農業・畜産・水産において、スクリュープレス脱水機は、家畜糞尿や植物性残渣 (稲わら、野菜くず) 、水産加工工程で発生する廃棄物などの脱水処理に利用されています。スクリュープレス脱水機を用いることで、汚水処理を効率化し、汚泥の悪臭対策を効果的に行うことが可能です。農業用水源の汚濁防止にも貢献します。

脱水後の処理水は、農業用水などとしてリサイクル可能です。また、脱水を行うことにより、脱水処理後の固形物は堆肥、発酵肥料の原料、燃料などに再利用することができるようになります。