スーパーエンプラ加工とは
スーパーエンプラ加工とは、耐熱性・機械的強度・耐薬品性などに優れたスーパーエンジニアリングプラスチック (通称:スーパーエンプラ) に、用途に応じて切削、成形、溶接などの加工を施すサービスです。
スーパーエンプラとは、エンプラ (エンジニアリングプラスチック) の中でも特に性能が高く、150℃以上の耐熱性を持ち、金属代替や高機能部品として使用される高分子材料のことを指します。
代表的なスーパーエンプラは、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 、PPS (ポリフェニレンサルファイド) 、PI (ポリイミド) 、PES (ポリエーテルスルホン) 、PAI (ポリアミドイミド) などです。これらの素材は、機械加工や精密部品の成形に適しており、一般的な樹脂では対応できない過酷な使用環境にも耐えることができます。
スーパーエンプラ加工の使用用途
スーパーエンプラにはそれぞれ特徴的な性質があり、その加工サービスが活用される分野は多岐にわたります。
1. 自動車分野
自動車分野では、エンジン回りの高温部品や燃料系統の配管部材、軽量化を図るための金属代替部品などに使用されます。特にPEEKで作られる部品は耐熱性と耐薬品性に優れ、ガソリンや潤滑油との接触がある部位でも高い性能を維持します。
2. 電子・半導体産業
電子・半導体産業では、クリーンルーム内で使用される治具や、静電気対策が求められる部品に採用されることが多くあります。耐熱性と寸法安定性を兼ね備えたスーパーエンプラは、高精度な電子部品の加工・組み立て工程で不可欠です。
3. 医療機器
医療機器の分野でも、滅菌に耐える素材としてPEEKやPPSU (ポリフェニルスルホン) が利用されています。MRI対応のインプラント部品、手術用器具、または耐久性の高い人工関節など、人体への影響が少なく、生体適合性のある加工製品が求められる領域でも重要な役割を果たしています。