セミリジッドケーブル

セミリジッドケーブルとは

セミリジッドケーブル (英:semi-rigid coaxial cable) とは、外部導体に無継目金属管を使用した同軸ケーブルです。

外部導体が編組構造となっている一般の同軸ケーブルと比較すると、高周波域での伝送特性が優れています。また、絶縁体にフッ素樹脂を使用することで、誘電体損失も低減しています。

セミリジッドケーブルの用途は、通信装置、電子機器、測定器などの高周波信号の伝送です。

セミリジッドケーブルの使用用途

セミリジッドケーブルは、一般の同軸ケーブルと同様に、UHF (極超短波) 帯やSHF (マイクロ波) 帯を利用する機器の伝送用ケーブルとして使用されます。同軸ケーブルに比べ優れた特性があり、マイクロ波伝送路・遅延線路、高精度の測定などの用途が多くあります。

具体例

・レーダーを含む通信システム・制御システム
・放送機器、医療用電子機器
・高速コンピューターシステム
・誘導雑音の問題になる配線路
・耐熱性・耐寒性が必要な配線路
・オーディオ・計測機器など

セミリジッドケーブルの原理

同軸ケーブルは、4層の円筒状を重ねた構造です。一番内側に内部導体、その外膜にはポリエチレン誘導体などの絶縁体があり、次に外部導体、そして最外側は絶縁層で覆われています。外部導体は信号の漏洩や外部電波の侵入を防ぐシールドの役目をします。

セミリジッドケーブルは、この外部導体を金属チューブにすることで、一般の同軸ケーブルより優れた特性を持つ様にしたものです。素材にはさまざまなものが使われていますが、例えば内部導体には銀メッキ銅覆鋼線、外部導体には無酸素銅を使用します。また、絶縁体にフッ素樹脂を主に使用します。

セミリジッドケーブルは、自由に曲げることはできないが、遮蔽特性、インピーダンス特性、挿入損失、耐振動安定性などが一般の同軸ケーブルに比べ優位です。

セミリジッドケーブルの特徴

セミリジッドケーブルにはいくつかの特徴があります。

1. 低損失・低VSWR (電圧定在波比)

同サイズの他のケーブルに比べ、低損失です。また、絶縁体は厳しい許容差を維持しており、ケーブル構造の均一性が高く、反射による電力損失を最小限におさえています。マイクロ波帯域で安定した電気特性を示します。

2. 高遮蔽性

外部導体になどの金属管を使用しているため、遮へい特性に優れており、130dB以上の高い遮蔽能力があります。漏洩放射、および外部雑音の侵入はありません。

3. 高電力容量

同サイズの他ケーブルに比べ、低減衰量であることにより、高い電力容量が得られます。

4.優れた加工性

曲げ、巻き付け、剥き出し、はんだ付け、およびコネクターの装着が容易であり、また、外部導体を直にグランドできる等、他のケーブルにはない優位な点があります。

5. その他

・温度特性(-40℃~+100℃以上)に優れ、広範囲な温度で安定した特性が得られます。
・多くはRoHS指令 (EUの特定有害物質の使用制限に関する法律) 適合品です。
・低インピーダンス・ケーブルであり、10~20Ωタイプがあります。
・形状が固定されるので、不意なケーブルの曲がりで伝送特性を変化させることがありません。
・その他ケーブルより、同じ仕様でもより小さい外径のものを選ぶことが可能です。そのため、機器の小型化、高集積化および高精度化が図れます。

セミリジッドケーブルの規格

同軸ケーブルにはJISケーブル、軍用規格ケーブル、セミリジットケーブルがあり、それぞれ規格が定められています。セミリジットケーブルは、米軍規格MIL RGー402、MIL RGー405などの規格があります。

セミリジッドケーブルの種類

セミリジッドケーブルの種類は多くありますが、その中で内部導体・外部導体の材質別に3種類が多く使われています。

1.
外部導体 : 無酸素銅
内部導体 : Fe (Cu厚メッキに銀メッキ処理)
外径:0.9,1.2, 2.2,3.6mmの4種類

2.
外部導体 : キュプロニッケル
内部導体 : Fe (Cu厚メッキに銀メッキ処理)
外径:1.2,2.2,3.6mmの3種類

3.
外部導体 : キュプロニッケル
内部導体 : キュプロニッケル
外径:1.2,2.2,3.6mmの3種類

この他、航空機用として、誘電体にSiO2 (二酸化ケイ素) /純度99.995%を使用するケーブルもあります。フッ素樹脂ケーブルと比べ30~50%小サイズ及び軽量です。

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Bacitracin

What Is Bacitracin?

Bacitracin, an antibiotic, comprises a mixture of cyclic polypeptides. It originates from the Tracy strain of Bacillus subtilis, commonly found in soil and the human digestive system. The “Tracy strain” designation stems from its initial isolation from a leg wound of a girl named Margaret Tracy. Bacitracin’s principal component is bacitracin A.

Uses of Bacitracin

This antibiotic showcases potent antibacterial properties, predominantly against Gram-positive bacteria. It acts bactericidally by obstructing bacterial cell wall formation and cleaving DNA oxidatively. Due to its short action duration, topical application is required multiple times daily. Although bacitracin is nephrotoxic via intramuscular routes, potentially leading to renal failure, and is highly toxic orally, it is formulated into troches and ointments for safe topical wound application.

1. Lozenges

Bacitracin lozenges treat stomatitis from Gram-positive bacteria like Staphylococcus and Streptococcus, preventing bacterial growth in the mouth, reducing inflammation, and alleviating pain. They are also used to ward off secondary infections after tooth extractions and oral surgeries.

2. Ointment

Barramycin, an antibiotic ointment, combines bacitracin and fradiomycin sulfate. Fradiomycin inhibits bacterial protein synthesis. Their synergistic effect makes it a highly effective bactericidal and anti-inflammatory agent for treating purulent skin conditions, wounds, and burns. Being a topical medication, it rarely causes side effects, though kidney issues, hearing loss, and hypersensitivity reactions like rash and itching may occur.

Properties of Bacitracin

Focusing on bacitracin A, its chemical formula is C66H103N17O16S, with a molecular weight of 1,422.71. Its CAS number is 1405-87-4, and it’s listed in the Chemical Substances Control Law Official Gazette under publication number 8-474. Bacitracin, a white powder solid at ambient temperatures, melts between 221-225°C. It dissolves easily in water, is soluble in ethanol, and is almost insoluble in ether.

Other Information about Bacitracin

1. Manufacturing Method of Bacitracin

Produced by strains of Bacillus subtilis and Bacillus licheniformis, bacitracin synthesis employs specific bacterial cultures.

2. Precautions for Handling and Storage

Handling Precautions
Incompatible with strong oxidizing agents, handle bacitracin cautiously to avoid contact. Always wear protective gloves, safety goggles with side shields, and long-sleeved protective clothing, and use local exhaust ventilation systems during handling.

Fire Response
In the event of a fire, use water spray, alcohol-resistant foam, dry powder, carbon dioxide, or sand to extinguish, as combustion may release toxic gases such as carbon monoxide (CO), carbon dioxide (CO2), nitrogen oxides (NOx), and sulfur oxides (SOx).

Eye Contact
If bacitracin contacts the eyes, rinse thoroughly with water to prevent damage and seek medical attention promptly.

Inhalation Response
If inhaled, move to an area with fresh air immediately. Provide artificial respiration if breathing has stopped, and consult a doctor if symptoms persist.

Storage Guidelines
Store bacitracin in a tightly sealed glass container within a refrigerator (2-10℃), away from direct sunlight, in a locked storage area.

電動ボート

電動ボートとは

電動ボート

電動ボートとは、ボート(小型船舶)のうちエンジンではなくモーターで動くものです。

電動ボートは、軽油や重油といった化石燃料を燃やしてエンジンで動くボートよりも静かで、温暖化ガスの排出量が少なく、安価な費用で動かすことができます。

また、エンジンに比べてモーターは、構成部品が少ないので故障しにくく、摩耗や劣化も少ないので長持ちします。

電動ボートのモーターはバッテリー(蓄電池)で動きますが、現在、バッテリーについては効率を上げることがメーカーの課題となっています。

プレジャーボートなどの航行する距離が比較的短いボートは、現在のバッテリー効率であっても必要な距離の航行が可能なので、電動のものが比較的多く普及しています。

電動ボートの使用用途

エンジンを全く使わない完全電動船は、航行距離が短いプレジャーボートや遊覧船では普及していますが、長距離を航行したり大型の船では、バッテリー効率の問題から完全電動のものはあまり普及していません。

現在、すでに実現されている電気推進船としては、内燃機関を有する電動船であるディーゼル電気推進船やハイブリッド船があります。

ディーゼル電気推進船は、内燃機関を有するディーゼル発電機で発電し、その電気でモーターを駆動し、モーターで船のスクリューを回します。

ハイブリッド推進は、ディーゼル発電機の他にそれを補助するためのバッテリが船に搭載されており、出力が必要なときにバッテリを作動させたり、ディーゼル発電機からの余分な電気をバッテリに充電することもでき、電気だけを使って航行することも可能です。

防波堤

防波堤とは

防波堤

防波堤 (英: Breakwater) とは、港湾で外郭施設の主体を構成する構造物です。

海からの波や高潮の港内への浸入を軽減するために設置されています。船が停泊する港は波の穏やかな場所が適しており、古くは入り江、内海、前方が島に囲まれている海岸など、地理的・自然的条件により波の少ない場所に港が設定されていました。

海上交易が発展し船舶が大型化すると地理的・自然的条件に左右されずに港湾を設置するようになり、海中に石材を積み重ねて防波堤の設置が始められました。波や高潮を軽減するために設置される構造物に「堤防 (英: Levee) 」があり、波が陸地に侵入するのを防ぐのが役割です。海岸線に沿って作られる点で「防波堤」と使い分けられます。

防波堤の使用用途

防波堤は堤防のように細長い形状をしており、港湾を守るために陸域から海に向けて作られています。防波堤によって波浪から港湾内部を安静に保ち、高潮や津波の被害から陸域を守ったり、海岸の侵食を防ぐために役立ちます。

防波堤の原理

海の波力 (英: wave force) はとても大きいため、防波堤を設置していない場合には、波のすべての力が岸に打ち寄せます。防波堤の配置によって岸へ打ち寄せた波のエネルギーを弱めて水害の発生を抑止可能です。

古くから波浪で防波堤が破壊されたケースは数多くあります。近代的な防波堤の技術が発展して以降は、波浪によって防波堤が破壊される可能性は低くなりました。

ただし、安定性が高いケーソン式防波堤 (英: Caisson-type breakwater) でも波の力でケーソンが移動したり、崩壊が起きた報告例があります。

防波堤の構造

防波堤には多種多様な構造があります。具体例は、傾斜堤、直立堤、混成堤、消波ブロック被覆堤などです。また、消波ケーソン堤、上部斜面ケーソン堤、半円形ケーソン堤、二重スリット型ケーソン堤などもあります。

さらに、直立浮上式津波防波堤、双胴型防波堤、半円形防波堤などの研究が進められています。直立浮上式津波防波堤とは普段は海中に沈んでいる防波堤です。双胴型防波堤は津波の高さを10分の1に減らせますが、現時点では計算上の理論値です。半円形防波堤は半円形ケーソン防波堤とも呼ばれます。

防波堤の種類

1. 傾斜堤

傾斜堤は大きな石やコンクリートブロックを積み上げて建設します。伝統的な防波堤の形状であり、歴史的に最も古いタイプの防波堤です。現代では多数の石材が産出するエリアやあまり波浪が強くなくて水深が浅い港湾で使用されています。

捨石を用いたタイプを捨石式傾斜堤、コンクリートブロックを使ったタイプを捨ブロック式傾斜堤と呼びます。

2. 直立堤

直立堤はコンクリートブロックやケーソンと呼ばれる水中構造物などを使い、海底から海面上までほとんど垂直に作ります。海底の強固な地盤が必要です。そのため設置箇所は限定されます。

コンクリートブロックを使った種類をコンクリートブロック式直立堤、ケーソンを用いた種類をケーソン式直立堤と呼びます。

3. 混成堤

混成堤は傾斜堤を基礎にしてその上部に直立提を配置した防波堤です。高い安定性が特徴で、日本では防波堤として最も使用されています。基礎部と直立堤部のサイズによって傾斜堤や直立堤の機能が変化し、波に合わせて対応可能です。

直立堤部によりケーソン式混成堤やコンクリートブロック式混成堤とも呼ばれます。

4. 消波ブロック被覆堤

消波ブロック被覆堤は防波堤の構造に関係なく、堤体前面に消波ブロック (英: Tetrapod) を配置します。受ける波力を大幅に軽減可能です。

5. 消波ケーソン堤

波が通るための穴がケーソンに開いています。堤体への波のエネルギーを弱めて波の力を沈めます。

6. 上部斜面ケーソン堤

ケーソンの上部が傾斜しており、波のエネルギーを抑制可能です。

7. 半円形ケーソン堤

堤体への反射によって生成する反射波を抑えます。

8. 二重スリット型ケーソン堤

円形のケーソンの内部に空洞を2つ有します。そのため消波機能が高いです。

釣り用救命胴衣

釣り用救命胴衣とは

釣り用救命胴衣

釣り用救命胴衣とは、ライフジャケットとも呼ばれており、主に釣りをする際に使用され、落水したときに体を浮かせることができる救命道具です。

釣りは、船や堤防、磯などさまざまな場所で楽しむことができます。しかし、場所によっては足元が不安定であったり、風の影響で船から落水してしまったりするなど危険性が高いです。

そのため、釣り用救命胴衣を装着することで、生存率を大幅に上げられます。

釣り用救命胴衣の使用用途

釣り用救命胴衣は釣りの他に、川や海などの水辺で事故防止のために、装着して使われています。基本は救命道具ですが、釣り道具を収納することのできるポケットや、さまざまなホルダーを搭載しているものもあります。釣りや水辺のレジャーには、欠かせない救命道具です。

釣り用救命胴衣の原理

釣り用救命胴衣は、発泡スチロールなどの浮力材や、ガスの充填により浮力を得ています。その浮力によって水中に沈まず、浮くことができます。また、ガスを使った救命胴衣は、気室やボンベの点検が必要です。

釣り用救命胴衣の種類

釣り用救命胴衣には、浮力材の入った固型式と、ガスの放出で浮力を得る膨張式の2種類があります。

1. 固型式

固型式の釣り用救命胴衣は、発泡スチロールなどを浮力材として使用したタイプの救命胴衣です。メンテナンスが容易で、高い浮力もあるため信頼度は高いですが、かさばる、重い、暑い、動きにくいなどのデメリットもあります。

2. 膨張式

膨張式の釣り用救命胴衣は、ガスを気室へ充填して浮力を得る救命胴衣です。コンパクトで動きやすいなどの特徴がありますが、安全性を維持するために、手入れや定期的な点検が必要です。

固型式に比べると、管理に気を使う必要があります。また、膨張式には、自動膨張式と手動膨張式のものがあります。

釣り用救命胴衣の選び方

釣り用救命胴衣の選び方は、使用場所や使用用途に合わせて自分に合ったものを選ぶ必要があります。最適な釣り用救命胴衣を選ぶことで、効果を最大化できます。

1. ベストタイプ

ベストタイプの釣り用救命胴衣は、幅広い価格帯の製品があります。水に浮かぶための操作が不要なので子供用にも適しています。

発泡スチロールを浮力材としているため、大きくなりやすいというデメリットがありますが、動きやすい製品もあります。動きやすさを重視する場合は、注意が必要です。

2. 腰巻タイプ

腰巻タイプの救命胴衣は、船釣りで使用され、腰に巻くだけで動きやすいのが特徴です。初心者でも装着しやすく、目立ちにくいデザインも魅力的です。

ただし、腰まわりで浮き輪のように膨らむため、自分でバランスとる必要があります。ベストタイプとは違い、上半身は浮かび上がらないので、泳げる方に適しています。

3. 肩掛けタイプ

肩掛けタイプの救命胴衣は、膨張式でコンパクトで動きやすいのが特徴です。水中で上体が浮かび上がり、安定した浮き姿勢を取れるため、安全性が高いです。

ただし、肩や首まわりに接するため、動作の邪魔になる可能性があります。接触面が大きいので、安定して浮かびやすく、安全性が高い救命胴衣を求めている方におすすめです。

4. 桜マーク

桜マークは国が安全性を確認した救命胴衣に刻印されており、小型船舶の乗船者は着用が義務化されています。桜マークには 「Type A」「Type D」「Type F」など、さまざまなモデルがあります。Type Aはすべての航行区域に対応しているので、安心して使うことができます。

釣り用救命胴衣のその他情報

釣り用救命胴衣を使用する際の注意点

釣り用救命胴衣を着用する際は、しっかりとファスナーや締具を締め、落水時に脱げないようにすることが大切です。特に股ベルトはしっかりと付けて、フィット感を高めるのがポイントになります。

釣り用救命胴衣をしっかり着用することが、事故防止において不可欠です。

釣り用カヤック

釣り用カヤックとは

釣り用カヤック

カヤックは、足を前方に伸ばして座りシャフトの両端にブレードが付いたダブルブレードパドルで漕ぐクローズドデッキのカヌーです。基本的には、カヌーと言えばオープンデッキ型を、カヤックと言えばクローズドデッキ型を指しますが、カヌーという言葉の中にカヤックを含める場合も多いです。

釣り用カヤックはフィッシングカヤックとも呼ばれ、釣りを楽しむために専用に設計されたカヤックです。ボートでは浅すぎて入れないポイントにもアプローチができるように、魚に気づかれることなく静かにアプローチすることができるように、釣り竿やクーラーボックスやシート等のさまざまなフィッシングパーツを装着することができるように設計されています。

釣り用カヤックの用途

釣り用カヤックには、パドルで操縦するオーソドックスタイプの手漕ぎモデルと、パドルの他に足こぎ式のペダルを備えたタイプであるペダルドライブモデルがあります。ペダルドライブモデルは手に釣り竿を持ちながら足こぎペダルで動くことができますので、機動性が高く、行動範囲が広がります。

また、シット・オン・カヤックとシット・イン・カヤックという形状が異なるものもあります。シット・オン・カヤックは、デッキの上に座るタイプのカヤックで、視線が高く、艇本体が中空構造であるため荷物を多く積むことができ、転覆しても沈みにくく、水上での再乗艇が比較的容易です。シット・イン・カヤックは、コックピットが船の内部にあり足を伸ばして座るタイプなので、下半身が寒さや暑さの影響を受けにくく、重心が低く安定しておりますが、荷物をたくさん積むことはできません。

膨張式救命胴衣

膨張式救命胴衣とは

膨張式救命胴衣

膨張式救命胴衣とは、水難事故における非常脱出用の装備です。

複数人の脱出を想定した救命ボートや救命いかだに対して、専ら個人の生命保護を目的としています。救命胴衣には、膨張式の腰巻タイプや肩掛け (ベスト) タイプ、固定式などがあり、装着することで、溺れるリスクを軽減することができます。

救命胴衣の着用は多くの国で義務化されており、日本においても、2018年2月よりすべての小型船舶の乗船者に対し、救命胴衣の着用が義務付けられています。

膨張式救命胴衣の使用用途

膨張式救命胴衣は、水上での安全確保に幅広く使用される重要な装備です。船舶やボートでの乗船時、マリンスポーツ、水辺での作業やレジャー活動などで使用されます。

また、膨張式救命胴衣は、使わない時は折り畳んで保管しておくことができるため、船や飛行機等限られたスペースに用意する際にも有用です。水上での事故や災害時に命を守る大切な道具として、様々な場面で広く使用されています。

膨張式救命胴衣の原理

膨張式救命胴衣の原理は、ガスボンベが救命胴衣の背中もしくは胸に内蔵されており、ひもが引っ張られたり水を感知したりするとガスボンベに穴があけられ、胴衣の中に圧縮空気や二酸化炭素が注入されるようになっています。

また、膨張式救命胴衣は正常な動作をさせるため、定期的な点検とカートリッジやボンベなどの交換が必要です。

膨張式救命胴衣の種類

膨張式救命胴衣は、手動式と自動式の2つに分類されます。

1. 手動式

落水した際に自分で紐を引っ張るなどしてボンベを作動させるタイプです。自動式よりも価格が安く、膨張装置を外す必要がないため手軽に洗うことができます。

手動式は膨張装置の誤作動を防止することができますが、水上に落下した際、手を自由に動かせないような状況で作動できない可能性もあるため、その点は注意が必要です。

2. 自動式

自動膨張式の救命胴衣は、ジャケットの中にボンベが組み込まれていて、水を感知すると、ガスが出て自動で膨らむ仕組みになっています。普段はコンパクトな形状をしているため、場所をとることなく収納できます。

万が一のときでも、自動で膨らんでくれる安心感がメリットです。ただし、このタイプは使用ごとにガスボンベの交換が必要だったり、雨の日や洗うときに水に触れた場合、膨張する可能性があったりするのがデメリットです。

膨張式救命胴衣の選び方

膨張式救命胴衣は、多くのメーカーからさまざまな製品が販売されています。用途や環境に応じ適切なものを選ぶことが大切です。

1. 装着方法

腰巻タイプ
腰巻タイプの救命胴衣は、ウエストポーチのように腰に装着するタイプで上半身がフリーになるため、上半身を動かす作業や腕を振る動作を繰り返すフィッシングなどに向いています。

簡単に脱着可能で、豊富なデザインも魅力的です。ただし、腰まわりで浮き輪のように膨らむため、肩掛けに比べ安心感が劣ります。

肩掛け (ベスト) タイプ
肩掛けタイプの救命胴衣は、フィット感が良く動きやすいのが特徴です。落水時は、背中から後頭部を持ち上げるような体勢になるため、呼吸がしやすいです。

腰巻きタイプに比べると泳ぎにくいと感じる場合がありますが、接触面が大きいので安定して浮かびやすくなっています。安全性が高い救命胴衣を求めている方におすすめです。

2. 色

救命胴衣を購入する際は、色も重要な項目です。万が一沖に流されてしまったときに、目立つ色でないと認識できない可能性があります。救命胴衣を購入するときは、赤・黄色・オレンジなどの目立つ色を選ぶことをおすすめします。

また、雨の日や夜間帯は、派手な色でも視認しづらいため、反射材やホイッスルの有無についても確認しておくことも重要です。

3. 桜マークの有無

桜マークは国が安全性を確認した救命胴衣に刻印されており、小型船舶の乗船者には着用が義務化されています。桜マークには「Type A」「Type D「Type F」「Type G」の4種類があります。「Type A」の救命胴衣であれば、小型船舶におけるすべての航行区域に対応しているため、安心して使うことができます。

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Nitromethane

What Is Nitromethane?

Nitromethane, an organic compound, is represented by the chemical formula CH3NO2. As the simplest form of nitro compound, it holds a CAS registration number of 75-52-5. This compound is extensively utilized across various industries, serving roles in extraction, as a reaction and cleaning solvent. A notable historical event highlighted nitromethane’s explosive nature when a freight train carrying it exploded in 1950. Nowadays, it is transported with added stabilizers due to its higher explosive energy compared to TNT, a well-known explosive.

Uses of Nitromethane

Nitromethane finds its primary use as a raw material for solvents, combustion improvers, surfactants, explosives, pharmaceuticals, insecticides, and fungicides. Beyond its role as a raw material, it sees widespread industrial use as an extraction, reaction, and cleaning solvent. In organic synthesis, it functions as a one-carbon carburizing reagent and an organic solvent. Noteworthy reactions utilizing nitromethane include the nitroaldol (Henry) reaction, which condenses nitroalkanes with aldehydes and ketones to yield β-nitroalcohols, and the Michael reaction, facilitating nucleophile addition to unsaturated carbonyl compounds. Additionally, its capability to generate greater power with less oxygen than gasoline makes it a preferred fuel in motorsports, such as drag racing.

Properties of Nitromethane

With a molecular weight of 61.04, nitromethane is a colorless, viscous liquid at room temperature, featuring a melting point of -28℃ and a boiling point of 101℃. It possesses a distinct odor, a density of 1.13g/mL, and shows solubility in alcohol, ether, and dimethylformamide, though it is insoluble in water. Its acid dissociation constant (pKa) is 10.2, indicating the presence of a weakly acidic proton.

Types of Nitromethane

Primarily marketed as a research and development reagent, nitromethane is available in various capacities including 25 mL, 100 mL, 500 mL, and 500 g. These small-volume products are designed for easy laboratory handling. Given its potential hazards, nitromethane is a regulated compound, necessitating lawful and safe handling.

Other Information about Nitromethane

1. Synthesis of Nitromethane

Industrial production of nitromethane involves reacting propane with nitric acid at temperatures between 350-400°C. This process also yields nitroethane, 1-nitropropane, and 2-nitropropane. The reaction mechanism includes the formation of free radicals, such as alkoxy radicals (CH3CH2CH2O), from the homolysis of the corresponding nitrate ester. Laboratory synthesis commonly employs sodium chloroacetate and sodium nitrite.

2. Chemical Reaction of Nitromethane

The nitroaldol (Henry) reaction is a notable chemical reaction involving nitromethane. This process deprotonates nitromethane using a base, followed by condensation with an aldehyde or ketone to produce β-nitroalcohol. This reaction mechanism extends from the aldol reaction, where a carbanion stabilized by a nitro group nucleophilically adds to a carbonyl group. The resulting β-alcohol undergoes dehydration to create a nitroalkene, serving as a valuable substrate for further reactions such as Michael addition and Neff reactions.

3. Nitromethane Safety Information

A combination of nitromethane and ammonium nitrate forms an explosive mixture. While pure nitromethane is less shock-sensitive, stabilizers are incorporated to minimize risk. It is classified as a flammable liquid and vapor and poses various health risks, including mild skin irritation, severe eye irritation, potential carcinogenic effects, and potential damage to the liver, kidneys, and respiratory system.

水上バイク

水上バイクとは

水上バイク

水上バイクとは、水上オートバイとも呼ばれ、日本では特殊小型船舶の1つです。

英語圏ではプレジャーボートに包括されています。日本での正式名は「水上オートバイ」です。ジェットスキーはカワサキの登録商標で、マリンジェットはヤマハの登録商標です。また、アメリカではPWC (パーソナルウォータークラフト) と呼ばれています。

カワサキのジェットスキーが、最初の水上バイクだと思っている方も多いと思いますが、1968年にボンバルディア・レクリエーション・プロダクツ社 (BRP) が発売した1人乗りシッティングタイプの「ボンバルディア シードゥ」が、最初の水上バイクと言われています。

水上バイクの使用用途

水上バイクは、レジャーやスポーツ、レースと多様な使用用途があり、その特性や機能を活かし活用されます。

具体的な使用例は下記のとおりです。

  • 目標を定めることなく自由に航行するファンライドやツーリング
  • 決められたコースを周回し、速さを競うレース
  • アクロバットな演技を行い、点数を争うフリースタイル
  • 水上スキーを牽引するため船舶
  • 釣り
  • 警察の沿岸警備
  • 軍隊や民間会社等のレスキュー用

水上バイクは、手軽な乗り物ではありますが、マナーやルールを無視する愛好家も見受けられ、漁場を荒らしたり、海水浴客との衝突事故を起こしたりといった事例も報告されています。行政による対策としては、船舶職員及び小型船舶操縦者法や条例に基づいて操縦区域を制限したり、酒気帯び運転を取り締まったり、各地で安全講習会を行ったりして、事故の防止を呼びかけています。

水上バイクの原理

水上バイクは、エンジンによりジェットポンプ内のインペラを回転させ、船体下部の吸入口 (ジェットインテーク) より水を吸入し、ジェットノズルから高速で噴射させることで前進します。水上バイクは推進力を利用し旋回する仕組みで、スロットルとハンドル操作を同時に行なうことで旋回を行うことが可能です。

また、水上バイクで使用されるエンジンには4ストロークと2ストロークの2種類あり、2ストロークは4ストロークよりも単純な構造なため、軽量でメンテナンス性に優れ、2000年初期ごろまでよく採用されていました。ただし、構造上オイルを燃やして走るという環境への負荷と騒音の問題があり、規制の対象となることが多いため、現在は4ストロークが主流になっています。

水上バイクの特徴

長所

  • 船体がコンパクトであるため、停船場所を選ばない。また、停船しても、通常の船舶よりも場所をとらないため、交通の迷惑になりにくい。
  • 価格が比較的安いため、購入しやすい。
  • 他の船舶と比べ保険料や税金、検査料金など、維持費が安い。
  • 狭い場所や細い水路でも通行が可能。
  • スピンターンが容易で、回転半径が小さい。

短所

  • 体が船体で覆われていないため、事故を起こした場合衝撃を直接受ける。
  • 誤った操作をすると、スライドあるいはヒールして落水する恐れがある。
  • 低速航行時の燃費が、スクリュー推進の船舶よりも劣る。
  • 雨天時は視界が悪くなり、快適性が著しく損なわれる。

水上バイクの種類

水上バイクは主に3つのタイプに分けられます。

1. スタンディングタイプ

1人乗りで立って操縦する水上バイクです。バランスを取るのに少しコツがいりますが、自由度の高い運転が可能で、スピード感を楽しみたい方におすすめのタイプです。

2. ランナバウトタイプ

2人から4人まで座って乗ることができる水上バイクです。ボディが大きいため、バランスがとりやすく、操縦しやすいタイプです。

3. スポーツタイプ

競艇などに使われ、スピードが出るように設計された水上バイクです。通常使用する場合は、スピードを出し過ぎる危険があるため、スタンディングタイプかランナバウトタイプを選ぶことをおすすめします。

水上バイクのその他情報

運転に必要な免許

水上バイクを運転するには、「特殊小型船舶操縦士免許」を取得する必要があります。この免許は、水上バイクを運転するための免許で、16歳以上であれば取得することができます。

ジェットスキーを操縦するときに必ず必要な免許で、「一級小型船舶操縦免許」または「二級小型船舶操縦免許」を取得していたとしても、ジェットスキーは操縦できません。

省エネ空調

省エネ空調とは

省エネ空調とは、一般的な空調機に比べて空調動作に必要な消費電力を抑えた空調機のことです。

空調機に使用される電力はオフィスや住宅などで使用される電力消費割合の半分程度を占めているため、省エネ空調の導入は必要不可欠です。また、年々上昇する平均気温の変化に伴って空調機の需要も高まっています。消費電力を抑えながらも需要を満たすためには消費電力量の少ない空調設備の導入が必要です。

省エネ空調を設置することで国や市から補助金が受けられる場合もあります。補助金を受けるためには助成対象設備の要件を満たす必要があるため、補助金を希望される場合は対象になるか確認することが必要です。 

省エネ空調の使用用途

省エネ空調は一般的な空調機と同等な冷却及び暖房性能を維持しながらも、空調動作に必要な消費電力を抑えることが可能です。また、省エネ空調を導入することで消費電力を抑えられるため、空調動作にかかる電気料金も抑えられます。

省エネ空調は各家庭向け製品だけでなく、業務用向けにも展開されています。そのため、一般家庭だけでなく、大規模施設や中小規模においても省エネ空調は導入されています。 

省エネ空調の原理

省エネ空調も動作は一般的な空調機と変わらず、蒸発、圧縮、凝縮、膨張のサイクルを繰り返すことで動作を行っています。動作原理は同様ですが、省エネ空調と一般的な空調は主に熱交換に必要な消費電力量が異なります。

空調機の消費電力は主に圧縮機の動作で消費されるため、消費電力を削減するためには圧縮機の負荷を減らすことが必要不可欠です。熱交換時の圧縮機に対する負荷を減らす場合は、冷媒を撹拌するための流体撹拌装置を用いることで効果的に熱を放出できます。

冷媒の撹拌に流体撹拌装置を用いることで冷媒粘度が低減し、空調動作時のコンプレッサへの負担が軽減します。コンプレッサへの負担が減ることで動作に必要な消費電力量を低減させることが可能です。一般的にはコンプレッサの動作負担を減らすことで消費電力を10%から30%程度削減することが可能と言われています。

また、流体攪拌装置は既に設置されている空調設備に対しても後付することが可能です。既設設備によっては省エネ設備を新たに導入することなく、消費電力量を低減されられる場合もあります。 

省エネ空調の選び方

省エネ空調を新設する場合は使用する環境に合わせた空調機を選択することが大切です。空調機は設置する場所によって適する性能が異なります。そのため、省エネ空調を新設する場合には消費電力を効率的に抑えられるよう、空調機の馬力やランニングコストを部屋の形状に合わせて選択することが必要です。

また、既設の空調機に流体撹拌装置などの設備を取り付け、空調を省エネ化させる場合は設備販売元に相談することが大切です。使用している空調機のメーカーや稼働年数は使用環境によって異なるため、それぞれの使用環境に合わせた設備を導入することでより効果的な省エネ効果を発揮します。

設備販売元に導入検討を相談する際には、省エネ設備導入することで年間どれほどの消費電力を削減可能か確認することも必要です。削減可能な消費電力量が明確化することで、設備導入後も不安なく空調機を使用できます。販売元によっては設備導入前に使用機器での検証実験や検証レポートを報告してくれる場合もあるため、相談時に合わせて確認することがおすすめです。

しかし、家庭用空調機や小型業務用空調機など、機器によっては設備を導入できない可能性もあります。その他にも、水冷式やターボ式、吸収式など空調機の方式によっても設備が導入できない可能性もあります。そのため、設備導入を検討される場合は事前確認を徹底することが大切です。