膨張式救命胴衣

膨張式救命胴衣とは

膨張式救命胴衣

膨張式救命胴衣とは、水難事故における非常脱出用の装備です。

複数人の脱出を想定した救命ボートや救命いかだに対して、専ら個人の生命保護を目的としています。救命胴衣には、膨張式の腰巻タイプや肩掛け (ベスト) タイプ、固定式などがあり、装着することで、溺れるリスクを軽減することができます。

救命胴衣の着用は多くの国で義務化されており、日本においても、2018年2月よりすべての小型船舶の乗船者に対し、救命胴衣の着用が義務付けられています。

膨張式救命胴衣の使用用途

膨張式救命胴衣は、水上での安全確保に幅広く使用される重要な装備です。船舶やボートでの乗船時、マリンスポーツ、水辺での作業やレジャー活動などで使用されます。

また、膨張式救命胴衣は、使わない時は折り畳んで保管しておくことができるため、船や飛行機等限られたスペースに用意する際にも有用です。水上での事故や災害時に命を守る大切な道具として、様々な場面で広く使用されています。

膨張式救命胴衣の原理

膨張式救命胴衣の原理は、ガスボンベが救命胴衣の背中もしくは胸に内蔵されており、ひもが引っ張られたり水を感知したりするとガスボンベに穴があけられ、胴衣の中に圧縮空気や二酸化炭素が注入されるようになっています。

また、膨張式救命胴衣は正常な動作をさせるため、定期的な点検とカートリッジやボンベなどの交換が必要です。

膨張式救命胴衣の種類

膨張式救命胴衣は、手動式と自動式の2つに分類されます。

1. 手動式

落水した際に自分で紐を引っ張るなどしてボンベを作動させるタイプです。自動式よりも価格が安く、膨張装置を外す必要がないため手軽に洗うことができます。

手動式は膨張装置の誤作動を防止することができますが、水上に落下した際、手を自由に動かせないような状況で作動できない可能性もあるため、その点は注意が必要です。

2. 自動式

自動膨張式の救命胴衣は、ジャケットの中にボンベが組み込まれていて、水を感知すると、ガスが出て自動で膨らむ仕組みになっています。普段はコンパクトな形状をしているため、場所をとることなく収納できます。

万が一のときでも、自動で膨らんでくれる安心感がメリットです。ただし、このタイプは使用ごとにガスボンベの交換が必要だったり、雨の日や洗うときに水に触れた場合、膨張する可能性があったりするのがデメリットです。

膨張式救命胴衣の選び方

膨張式救命胴衣は、多くのメーカーからさまざまな製品が販売されています。用途や環境に応じ適切なものを選ぶことが大切です。

1. 装着方法

腰巻タイプ
腰巻タイプの救命胴衣は、ウエストポーチのように腰に装着するタイプで上半身がフリーになるため、上半身を動かす作業や腕を振る動作を繰り返すフィッシングなどに向いています。

簡単に脱着可能で、豊富なデザインも魅力的です。ただし、腰まわりで浮き輪のように膨らむため、肩掛けに比べ安心感が劣ります。

肩掛け (ベスト) タイプ
肩掛けタイプの救命胴衣は、フィット感が良く動きやすいのが特徴です。落水時は、背中から後頭部を持ち上げるような体勢になるため、呼吸がしやすいです。

腰巻きタイプに比べると泳ぎにくいと感じる場合がありますが、接触面が大きいので安定して浮かびやすくなっています。安全性が高い救命胴衣を求めている方におすすめです。

2. 色

救命胴衣を購入する際は、色も重要な項目です。万が一沖に流されてしまったときに、目立つ色でないと認識できない可能性があります。救命胴衣を購入するときは、赤・黄色・オレンジなどの目立つ色を選ぶことをおすすめします。

また、雨の日や夜間帯は、派手な色でも視認しづらいため、反射材やホイッスルの有無についても確認しておくことも重要です。

3. 桜マークの有無

桜マークは国が安全性を確認した救命胴衣に刻印されており、小型船舶の乗船者には着用が義務化されています。桜マークには「Type A」「Type D「Type F」「Type G」の4種類があります。「Type A」の救命胴衣であれば、小型船舶におけるすべての航行区域に対応しているため、安心して使うことができます。

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