黒マルチシートとは
黒マルチシートとは、農業用に用いられるマルチシートの最も一般的な黒色のマルチシートのことです。
マルチシートとは、畑の畝などを覆うための資材で、雨が降った時に畝が崩れて土壌が流れることを防いだり、地面の温度調整や雑草の増加を抑えたり、病気から作物を守ったりなど様々な効果が期待できる資材です。
マルチシートは、黒色が最も一般的ですが、黒色以外にも透明や銀、緑など様々な種類の色があり、その色により特徴があります。
黒マルチシートの使用用途
黒マルチシートは畑の畝を覆うために使われ、雨によって土壌が削れてしまったり、土壌からの水分の蒸発を防ぐことができます。また、雑草の発生を抑えたり病気予防や作物を育てるうえで重要な役割を果たし、多くの畑で用いられています。
黒色は日光により多くの熱を吸収します。黒マルチシートを夏場に使用する場合は、必要以上に土壌を温めてしまう可能性があるため、注意が必要です。
黒マルチシートの種類
黒マルチシートには、穴の有無やサイズによって種類が豊富にあり、土に還る素材を使用したものもあります。色によっても透明のものや白黒のリバーシブルのもの、シルバーのものなど様々な種類があります。また、腐葉土やウッドチップ、藁などを利用したマルチングの方法もあります。使用目的とコストに見合ったマルチシートを選びましょう。
黒マルチシートの使い方
黒マルチシートを使用する際には事前の準備が必要です。
下準備として、まずは土壌に石灰や肥料を混ぜて2〜3日置きましょう。黒マルチシートを敷くタイミングとしては、風の少ない日、昼間の温かい時間帯が適しています。
黒マルチシートの特徴
1. 長所
雑草の成長を抑制できる
黒マルチシートを敷くことで、雑草の成長を抑制することができます。これは作物周囲の土壌への日当たりを悪くすることで、雑草が生えてくるのを予防できるためです。特に広範囲で作物を栽培している場合は、雑草取りに割かれる時間を大幅に削減することができるでしょう。
土壌環境を良好に保つ
黒マルチシートを敷くことで、作物にとって快適な土壌環境を保つことができます。例えば、土壌の急激な温度変化の抑制、降雨による肥料の流出の防止、土壌の乾燥の防止などが挙げられます。この他にも、雨により土壌が固くなるのを防ぎ、土壌の団粒構造を維持しやすいです。
作物の病気を予防する
黒マルチシートを敷くことで、作物の病気を予防することができます。雨水によって土が跳ねて作物に付着し、そこから作物の病気が発生することは珍しくありません。泥跳ねを防ぐことで作物の病気を予防できる点も黒マルチシートの強みです。
2. 短所
追肥や土寄せが行いにくい
黒マルチシートを敷くと、追肥や土寄せの作業が行いにくくなります。 例えば追肥にあたっては、マルチの穴から手を入れて作業したり、マルチシートを剥がして作業する必要があります。 土寄せも同様に、マルチシートを避けながら作業する必要があり、マルチシートを敷かない場合と比べると手間がかかります。
作業や管理に手間がかかる
黒マルチシートは、敷く作業や剥がす作業、また風で剥がれた際の対処など、あらゆる面で手間がかかります。前項で記載したように、追肥や土寄せの作業も同様です。
コストがかかる
黒マルチシートの導入にはコストがかかります。特に広範囲に黒マルチシートを設置する場合は、コストだけでなく時間と労力も必要です。栽培する作物の種類や予算との兼ね合いを考慮して、導入を検討しましょう。