インターロッキングブロック

インターロッキングブロックとは

インターロッキングブロックは、互いに噛み合わせることで安定した舗装面を形成するコンクリート製のブロックです。

インターロッキング (英: interlocking) とは、「かみ合わせる」という意味です。インターロッキングブロックは、ブロック同士を噛み合わせて、目地に砂を充填して手作業で施工されます。レンガ調の見た目ですが、工業製品のブロックであるためにレンガよりもコストパフォーマンスに優れており、目地に充填した砂により荷重分散効果が得られることが特徴です。ブロックの目地から下に雨水が浸透するため、水はけにも優れた舗装方法です。

色や質感、形には様々な種類があり、希望する舗装デザインに合わせて自由に選択することができます。また、その他に植生用や、透水ブロック、保水ブロックなど、様々な用途・機能性の製品が提供されています。

インターロッキングブロックの使用用途

1. 歩道・公園

インターロッキングブロックは、人が歩行する場所の舗装材として広く使われています。一般道路の歩道のほか、遊歩道、広場、公園、施設通路など様々な場所で利用が可能です。耐久性に優れ、レンガ調・石畳調の景観効果が得られます。スリップ防止効果があるため、歩行者の安全を向上させる機能的な舗装でもあります。

透水性や保水性などの機能性のあるブロックを用いると、雨水対策なども可能です。福祉対応型として目地幅を狭くしたり段差抑制を考慮したインターロッキングブロックもあるため、こどもや高齢者などへ配慮した舗装敷設を行うこともできます。

2. 車道・駐車場

インターロッキングブロックは、荷重分散効果により、ひび割れや変形が起こりにくい舗装材です。耐衝撃性と耐久性に優れることから、下地をきちんと整備すれば、車両利用にも耐えることができます。

車道、駐車場に広く利用され、大型車の走行にも耐えることが可能です。スリップ防止効果が高く、雨天時走行の安全性も高まります。透水性が高いため、水たまりができにくいことも特徴です。一般的なアスファルトよりも表面温度が上昇しにくいため、ヒートアイランド現象の緩和効果が期待できます。

3. 建築外構

インターロッキングブロックは、レンガ風・石畳風の意匠性の高さから、様々な建築外構に取り入れられています。アプローチ、駐車場、庭などの様々な用途で利用され、一般住宅の玄関のアプローチからショッピングセンターや商業施設まで、規模の大小を問わず利用が可能です。

破損したブロックだけを交換できるため、部分的なメンテナンス性の高さも特徴です。カラーバリエーションが豊富であることから、デザインパターンも無限に組み合わせることができ、直線的なレイアウトだけではなく曲線的なレイアウトにも対応します。

汚泥濃縮機

汚泥濃縮機とは

汚泥濃縮機とは、排水処理工程で発生した汚泥を濃縮して体積を減らすための機械です。

排水処理で発生する汚泥は、通常99%以上が水であるため、埋立や焼却の前工程として濃縮や脱水によって体積を減らすことが必要です。汚泥濃縮機は、脱水機の前段階に利用し、脱水機の効率を高めることができます。また、脱水機と異なり減容後の汚泥形状が液状のため、処理後の取り扱いの上で液状のままが望ましい場合に特に有効です。

汚泥濃縮機では、一般的に、固形物濃度0.4~2%程度の汚泥を4%前後の濃度まで高めることが可能です。汚泥濃縮機による濃縮は、動力機構を利用して濃縮を行う「機械濃縮」に分類され、ベルト式濃縮機、遠心式濃縮機、スクリュープレス濃縮機などがあります。

汚泥濃縮機の使用用途

1. 下水処理施設

生活排水や雨水、産業排水などを処理する一般的な下水処理施設で汚泥濃縮機は利用されています。下水処理場などでは微生物の力で排水中の有機物を分解する水処理技術が一般的ですが、一方で増えすぎた微生物が汚泥の発生原因となるという側面があります。

沈澱池から送られた汚泥に凝集剤を添加し、主にベルト式濃縮機や遠心式濃縮機を用いた濃縮が行われます。主に汚泥脱水機の前段階で利用され、処理コストの削減や施設負荷の軽減、環境負荷の低減に効果があります。

2. 産業排水処理

工場や産業施設から排出される産業排水には重金属や化学物質などの有害成分が含まれる場合があり、汚泥は産業廃棄物として適切な処理を行うことが必要です。化学工場、メッキや表面処理の工場、発電所、建設現場などの利用シーンが挙げられます。

また、オフィスビルや大型商業施設など、地下に排水処理設備を備える施設では脱水ケーキの搬出ができないため、汚泥を液状のままバキューム搬出することが必要となります。このような場合、汚泥濃縮機を利用して搬出頻度を減らし、産廃費を削減することが可能です。

3. 畜産業

畜産業では糞尿を処理する際に汚泥が発生します。畜産業で発生する汚泥には窒素やリンなど有機物量が多く含まれることが特徴です。また、悪臭や病原性微生物によって水質汚染や土壌汚染を引き起こす可能性があることから適切な処理を行うことが必要です。

汚泥濃縮機を利用することで、糞尿汚泥も処理を行うことができ、含まれる有機物を有機肥料として農業利用へつなげることも可能です。また処理効率向上によりコストカット効果も期待されます。畜産業の中でも豚舎糞尿汚泥で特に多く利用されています。

スクリュープレス脱水機

スクリュープレス脱水機とは

スクリュープレス脱水機とは、回転する円筒型のスクリューを用いて汚泥や廃棄物の脱水を行う機械です。

スクリュープレス脱水機は、円筒状のスクリーンとスクリュー羽根から構成されます。スクリュー羽根が回転して汚泥を搬送しながら圧搾・せん断して脱水する仕組みです。脱水汚泥出口に向かって汚泥の充填部分が狭くなっており、脱水が進むにつれて段々圧力が高くなっていきます。駆動部が少なく低速回転で動作するため、エネルギー消費が少なく、維持管理コストも低く抑えられます。

スクリュープレス脱水機はフィルターを使わないため、ベルトプレス方式などと比べて目詰まりの心配がありません。メンテナンスが容易で、汚泥の洗浄にかかる手間やコストも削減でき、排水処理の効率を高めることが可能です。

スクリュープレス脱水機の使用用途

1. 下水処理

スクリュープレス脱水機は、下水・産業廃水・し尿などの処理を目的として、下水処理場や産業廃棄物処理施設などで利用されている装置です。

下水処理場などでは微生物の力で排水中の有機物を分解する水処理技術が一般的ですが、一方で増えすぎた微生物が汚泥の発生原因となるという側面があります。下水処理の最終工程では、スクリュープレス脱水機を用いて汚泥を脱水し、汚泥のリサイクルや廃棄物処分を行いやすくしています。特に、スクリュープレス脱水機は、目詰まりしにくいことから、下水処理で発生する有機性汚泥の脱水に適しています。

2. 食品廃棄物

食品加工業では、食品の製造・調理の過程において加工残渣や調理くずなどの食品廃棄物が発生します。これらの廃棄物は、含まれる水分量が多いため焼却すると燃焼効率を下げる恐れがあり、温室効果ガスの発生の原因ともなります。スクリュープレス脱水機は、各種の野菜 (もやし、キャベツなど) 、果実、茶殻、焼酎原料残渣などの食品廃棄物を脱水して、大幅に減量・減容することが可能です。脱水によって再利用加工が容易になるため、搾りカスを畑の堆肥、牛や豚の飼料としてリサイクルすることもできるようになります。各種食品工場や搾汁工場、酒造メーカーなどで積極的に利用されています。

3. 農業・畜産・水産

農業・畜産・水産において、スクリュープレス脱水機は、家畜糞尿や植物性残渣 (稲わら、野菜くず) 、水産加工工程で発生する廃棄物などの脱水処理に利用されています。スクリュープレス脱水機を用いることで、汚水処理を効率化し、汚泥の悪臭対策を効果的に行うことが可能です。農業用水源の汚濁防止にも貢献します。

脱水後の処理水は、農業用水などとしてリサイクル可能です。また、脱水を行うことにより、脱水処理後の固形物は堆肥、発酵肥料の原料、燃料などに再利用することができるようになります。

ステンレスシンク

ステンレスシンクとは

ステンレスシンクとは、手洗いや厨房などに利用されるステンレス製の流し台です。

ステンレスとは、鉄にクロムを添加して製造される合金です。ステンレスシンクには、一般的にSUS430やSUS304などが利用されています。耐腐食性があり、錆びにくいことが特徴です。業務用のシンクは、家庭用のシステムキッチンとは異なり、側面も全てステンレス製です。耐久性があるため、湿気などの様々な環境条件や、化学物質、油脂、熱湯などの利用にも耐えることができます。硬度が高いため、耐衝撃性にも優れ、変形しにくいことも特徴の一つです。

また、表面が非常に滑らかで、微細な隙間が少ない素材でもあります。汚れや細菌が付着しにくいため衛生性が高く、清掃・消毒も容易に行うことができます。このため、衛生性が要求される、食品関係や理化学関係での用途にも適しています。

ステンレスシンクの使用用途

1. 厨房

ステンレスシンクは、規模の大小を問わず様々な業務用の調理設備で利用されている製品です。具体的には、飲食店の厨房設備や、給食センター、病院の調理施設などが利用シーンであり、手洗い、食器・食材を洗うなどの用途で利用されます。飲食店では衛生管理の観点から、食品衛生法で洗浄設備としてのシンクの設置が義務付けられています。規模・用途にあった形状のシンクを選定することが必要です。

例えば、舟形シンクは、手前側の縁が他より低くなっているため、シンクの中にまな板を入れて魚介類の調理を行うことに適します。また、そばを冷やすためのそばシンクなどが利用される場合もあります。

2. 公共施設

学校や病院など、衛生に配慮する必要のある公共施設では、浴室や洗面台、トイレなどにおいて手洗い用のシンクとしてステンレスシンクが利用されています。

学校では、一度にたくさんの児童・生徒の手洗いができるよう、槽が大きいタイプの一槽シンクが利用されることが多いです。耐久性が高いため、長期に渡って衛生的に利用することが可能です。病院などの医療機関では、洗浄・手洗いを目的とした特殊形状の複合シンクが利用されています。医療機関では薬品などの使用が想定されるため、耐薬品性、耐摩耗性や抗菌性などに優れているSUS304が素材として利用されることも多いです。

3. 製造業・理化学用途

工場でのステンレスシンクの用途は、作業場や倉庫内における手洗い、機材や容器の洗浄などです。衛生性が高く、食品工場や精密機器工場など、清潔な環境が求められる製造業にも適します。特に、二槽シンクなどの大型の製品が利用される傾向にあります。シンクの横に水切り台をつけたタイプや、下部がキャビネットになっているタイプもあり、作業場の大きさや用途に合わせて選定することが可能です。

また、理化学研究設備では実験室用としてステンレスシンクが利用されています。ステンレスの耐久性や耐薬品性を生かし、実験器具などの洗浄が可能です。通常、実験用の場合は、排水トラップまでオールステンレスで製造されます。

金属塗料

金属塗料とは

金属塗料とは、金属素材の保護や装飾性の付加のために用いられる塗料です。

塗装を施さない無垢の金属材の中には、空気中の酸素によって錆を生じ、腐食しやすくなる素材が多くあります。そのため、金属塗料を用いて表面に塗膜を形成し、表面を保護することが必要です。

金属塗料には下塗り塗料と上塗り塗料とがあります。一般的に、下塗り塗料は金属表面を錆から保護し、上塗り塗料との密着性を高める役割を持ちます。一方、上塗り塗料は艶、光沢、色などを付加して装飾性を高めると共に、耐候性、耐摩耗性や耐衝撃性、導電性向上などの機能を付加する役割を持つ塗料です。塗料の成分には様々なものがありますが、保護する対象の金属素材に合わせて適切なものを選択することが重要です。

金属塗料の使用用途

金属塗料は、下記に挙げるような大規模な業務用金属製品の他にも、家電製品、装飾用フレーム、ゴルフクラブ、釣具、医療機器など、あらゆる一般的な金属塗料に利用されています。

1. 建造物・構造物

金属塗料は、一般的なビル・住宅などの建物の他、大小を問わずあらゆる金属製の建造物・構造物に利用されています。具体的な例には、道路の標識柱、グレーチング、ガードレール、照明柱、電車や高速道路の遮音壁、橋梁、欄干、遊園地の遊戯施設、立体駐車場などがあります。

これらの建造物は、屋外の過酷な環境に曝されていることが多いため、強力な錆止め効果と表面の保護が必要です。適切な金属塗料を塗装することにより、長期間の使用に耐える耐久性を保つことができます。

2. 車両・航空機

金属塗料は、耐久性向上に優れた効果を発揮するため、航空機、自動車、バイク、船舶、重機、電車、新幹線など、業務用車両から旅客輸送用車両まで、様々な車両に利用されています。

外観となるボディ部分の耐久性・意匠性を高めているだけでなく、様々な部品にも金属塗料が塗布されています。例えば、エンジンルームの部品など、高温になる部分には耐熱塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、車両の部品を保護し、寿命を延ばすことが可能です。

3. 産業用機器

金属塗料は、配管や工場設備、及び、計測器や工業用機器、映像機器などの業務用機器にも使用されています。

産業用機器・設備は、高温・化学薬品の使用など、過酷な環境下での動作が想定されるため、金属部材の腐食や劣化を防止するために塗装が不可欠です。とりわけ、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性など、機能性を付加した金属塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、動作中の摩擦や衝撃による損傷を防いで機器寿命を延ばすことが可能です。

クロスフローシュレッダ

監修:佐藤鉄工株式会社

クロスフローシュレッダとは

クロスフローシュレッダとは、家電などの廃棄物をリサイクル材とするために細かく破砕する装置です。

クロスフローシュレッダは、大きなチェーンを回転させて廃棄物を破砕します。二重扉構造の投入口を有し、破砕室内は密閉構造です。破砕中の粉塵は集塵口より排出・回収されるため、破砕物や粉塵が飛散することなく、安全に廃棄物処理を行うことができます。

複合素材で構成された廃棄物を噛み込みや絡みつきなく、素材ごとに分離できる分離性の高さが利点です。また、破砕物表面の付着物・コーティング・塗料などを剥離することにも優れており、貴金属を始めとする資源の回収率向上に貢献します。回転数と破砕時間を調整することで破砕の程度を変えることが可能です。

クロスフローシュレッダの使用用途

クロスフローシュレッダは、プラスチック、ペットボトル、缶、発泡スチロールなどの一般的な廃棄物の破砕にも適用可能ですが、主な用途は下記に示す種々の廃棄機械の破砕です。

1. 家電製品

クロスフローシュレッダは、一般的な小型家電やテレビ、冷蔵庫など様々な廃棄家電の破砕が可能です。多くの家電製品の筐体はプラスチックや金属などの複合材で構成されていますが、クロスフローシュレッダを用いることで素材ごとにバラバラに分離することができます。

特に、冷蔵庫の断熱材には回収が必要なフロンガスや引火性の高いシクロペンタンガスなどが使用されており、一般的な開放系の破砕機では安全に処理することが困難です。クロスフローシュレッダの破砕室は気密性が高いため、窒素ガス封入下にて冷蔵庫の破砕・分離を安全に行うことができます。

2. 自動車部品

自動車にはさまざまな機器部品が使用されており、適切に分離して資源の再回収を行うためにクロスフローシュレッダは利用されています。

例えば、自動車触媒には白金、パラジウム、ロジウムなどの貴金属が使用されており、クロスフローシュレッダを用いることで効率よく剥離させ・分離することが可能です。その他、エアーバッグの金属回収や、小型モーター類、熱交換器 (ラジエーター) 、バッテリー類の破砕にも用いられます。特にラジエーターは銅のパイプとアルミのフィンが組み合った構造をしていますが、クロスフローシュレッダによる効率的な破砕によって、純度の高い銅とアルミを資源回収することができます。

3. 電子機器・産業廃棄物

クロスフローシュレッダで破砕される電子機器には、パソコン、PCモニター、コピー機、携帯電話などがあります。これらの精密機器において、基板は有価金属を含んでいるため粉々にせずに回収することが望まれます。クロスフローシュレッダでは、回転数を遅くして時間を短くすることにより、このような製品から基板を損傷なく取り出すことが可能です。

その他、医療機器、建設廃棄物、自動販売機、漁網、電線、ガラス、セラミックなど、各種産業で排出される様々な廃棄物で利用されています。それぞれの分野で要求される破砕の程度は様々ですが、運転方法を柔軟に調整できるクロスフローシュレッダの長所を活かした利用が行われています。

本記事はクロスフローシュレッダを製造・販売する佐藤鉄工株式会社様に監修を頂きました。

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スライディングペーパー

監修:あすまる本舗株式会社

スライディングペーパーとは

スライディングペーパーとは、大型機械などの重量物の設置・据付の際、位置を微調整するための紙 (重量物の位置微調整紙) の一般的な名称です。

表面がツルツルとした質感になっており、ペーパーの滑る面同士を2枚重ねて1組とし、重量物の下に敷き、摩擦抵抗を減らすことで、簡単に滑らせることができます。

スライディングペーパーには、片面タイプと両面タイプがありますが、使用用途は同じです。種類によっては、2t以上もの重量物を男性1人で動かした実績があります。

基本、数cm内の位置調整に利用するものであるため、それ以上の距離の移動には適しません。そのため、所定の位置まではコロやチルタンクなどの機材による搬入が必要です。また、スライディングペーパーの抜き差しの際は、重量物をジャッキ等で持ち上げる必要があります。

基材が紙であることから、粗いコンクリートや突起物や小石などがある地面では利用できません。そのような凹凸のある地面で使用したい場合は、平滑な鉄板などを接地面とスライディングペーパーの間に敷くことで利用可能となります。

大変滑るため、必ず傾斜のない平面で使用してください。

スライディングペーパーの使用用途

1. 製造業

製造業において、スライディングペーパーは主に工作機械や製造ライン設備など、工場内の装置の位置調整に利用されます。

製造ラインのレイアウト変更や、設備のメンテナンス時など、重量物の位置の微調整を行うことが可能です。旋盤、フライス盤、研削盤をはじめとする大型工作機械などのほか、一般的な機械製造業に利用される各種機械設備など、幅広く重量物の位置調整が可能です。

2. クリーンルーム

スライディングペーパーの中には、クリーンルーム用(無塵紙タイプ)があります。

半導体製造などの精密機械工場や医薬・製薬・化粧品製造工場また電子機器などクリーンルームでの使用に適しています。

クリーンルーム用のスライディングペーパーは、A4などのカットしたシートで販売されており、そのままの大きさで使用します。

本記事はスライディングペーパーを製造・販売するあすまる本舗株式会社様に監修を頂きました。

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耐熱樹脂

耐熱樹脂とは

耐熱樹脂とは、高温環境においても変形や強度の低下を起こすことなく、機能を維持することができる樹脂素材です。

「高温」の明確な統一的定義はありませんが、通常、150℃もしくは200℃以上の連続使用に耐える樹脂素材を耐熱樹脂と呼ぶことが多いです。耐熱性を比較・評価する指標には、長期耐熱性、短期耐熱性、荷重たわみ温度、ガラス転移点などがあります。

代表的な耐熱樹脂としては、耐熱性の高い方から順に、PBI (ポリベンゾイミダゾール) 、PI (ポリイミド) 、PTFE (フッ素樹脂) 、PAI (ポリアミドイミド) 、PEEK (ポリエーテルエーテルケトン) 、PPS (ポリフェニレンサルファイド) などが挙げられます。最も耐熱性に優れた素材であるPBIは、連続使用温度が310 ℃にも達します。

耐熱樹脂の使用用途

耐熱樹脂は主に、航空宇宙・自動車産業や、電子・精密機器、医療機器などで利用されています。それ以外には、エネルギー分野における発電機器の部材、食品製造や化学処理装置における配管システム、梱包材、ポンプ、コンテナなどが挙げられます。

1. 航空宇宙・自動車産業

航空機や自動車のエンジン周辺は高温環境となります。耐熱樹脂は、従来の金属部品に匹敵する耐熱性を有しながらも金属部品より軽量な素材として、高温となる航空機や自動車のエンジン部材に使用されています。耐熱樹脂への代替により燃費の向上や機体・車体の軽量化が可能です。

具体的には、エンジン周辺部品や配管、内装部品、給排気系、電装部品、バッテリー周辺など様々な部材に利用されています。普段は高温環境ではない内装部材でも、耐熱樹脂を利用することで火災の際に有害ガスなどの発生を抑えることができるという利点があります。

2. 精密機器・電子部品

精密機器や電子部品の中には使用時に高熱になる可能性のある部材があり、熱による損傷を防ぐために耐熱樹脂が利用されています。消費電力の高い機器は特に発熱することが多いため、耐熱樹脂が積極的に利用されています。

具体的にはコネクタやケーブル被覆、ハウジング、電子部品の絶縁材として利用されている場合が多いです。耐熱樹脂を用いることで製品の耐久性を高め、安定した動作が可能です。スマートフォンなどの精密機器にも耐熱樹脂が用いられています。また、高温環境で動作するセンサーや半導体製造装置の部品にも適しています。

3. 医療機器

医療機器部品は、オートクレーブなどによる高温の滅菌プロセスに耐えることが必要です。耐熱樹脂は、オートクレーブによる滅菌が可能なため、医療分野で様々な製品に利用されています。

手術器具、器具トレイ、滅菌装置、オートクレーブハウジングへの耐熱樹脂などの器具類のほか、PEEK樹脂などの生体適合性が高い樹脂は人体へ直接使用するインプラントや人工関節、医療用チューブなどにも利用可能です。耐熱樹脂は金属に比べて軽量で成形性が高いというメリットがあります。複雑な形状の部品成形にも対応し、医療機器の小型化・軽量化に貢献します。

食品微生物検査

食品微生物検査とは

食品微生物検査とは、食品の安全性担保のため、衛生指標菌や食中毒に関わる微生物の検出・同定・定量を行うサービスです。

食品中の微生物の繁殖は、食品の腐敗や劣化、食中毒を引き起こす原因となります。そのため、食品の安全性評価の指標として微生物検査が利用されています。食品微生物検査では、微生物汚染の全般的な程度を表す一般生菌数の他、大腸菌群、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、リステリア、ボツリヌス、カビ、酵母など様々な病原性微生物の検出・定量・同定が可能です。

原材料、ロット、季節などの食材に関するデータを蓄積して、原料由来の危険性予測や、製造工程の加熱不足や交差汚染についても分析・フィードバックを行うことができます。検査される食材の具体的な例には、弁当・惣菜・洋菓子・乳製品・アイスクリーム・氷菓・食肉・卵類・魚介類・魚肉ねり製品などがあります。

食品微生物検査の使用用途

1. 原材料・製品の安全確認

食品製造業において、原材料や、製造済みの食品を検体として、安全性を確認するために食品微生物検査が行われています。

一般的な衛生の程度を表す一般生菌数や大腸菌などの衛生指標菌の検査を基本として、その他検体特性によりリスクの高い食中毒菌の検査を必要に応じて組み合わせることが多いです。例えば、卵を含む製品に黄色ブドウ球菌とサルモネラ菌の検査を組み合わせたり、魚介類を含む製品に黄色ブドウ球菌と腸炎ビブリオの検査を組み合わせたりする例などがあります。

2. クレームの原因分析・消費期限の設定

製造販売した食品にクレームや不具合があった場合や、食品が原因と推定される食中毒が発生した場合、原因究明を行うために残っている該当食品を微生物検査にかける場合があります。同一ロットの製品などを比較品として、クレーム品と同時に検査を行う場合もあります。

また、食品を保管・販売する条件で保存した場合の菌数変化を測定する食品微生物検査もあります。このような検査を用いて、弁当や惣菜などの加工品の消費期限を設定することが可能です。リスク管理や品質管理の指標を定めるためのデータの蓄積としても有用です。

3. 製造工程の衛生管理

食品を検体とする微生物検査だけでなく、食品の衛生を管理するために行われる微生物検査全体を食品微生物検査として呼ぶ場合があります。対物検査では、食品製造工場・調理場、調理設備など製造環境の微生物検査や、使用水の検査、輸出入時での衛生検査などが中心です。

また、対人検査では、食品製造に関わる従業員の衛生検査に食品微生物検査が利用されています。手指に付着している一般生菌や黄色ブドウ球菌などを検査したり、ハンドスタンプ検査によって手洗いの効果を検証したりと、効果的に衛生管理指導に役立てる事が可能です。

微生物検査

微生物検査とは

微生物検査とは、食中毒や各種感染症の原因となる細菌や真菌などの検出・同定・定量を行うサービスです。

検査を行う検体を採取し、液体培地もしくは平板培地に接種して菌数を増やした後に、分析を行う方法が一般的です。専門の設備と技術者を備えた企業・機関にて正確な検査が提供されます。尚、ノロウイルスや新型コロナウイルスの検査も微生物検査の中に含まれる場合がありますが、これらのウイルスは微生物用の培地で増やすことができないため、PCR法などによる検出が行われます。

微生物汚染の全般的な程度を表す一般生菌数の他、大腸菌群、黄色ブドウ球菌、サルモネラなど様々な病原性の菌類の検出・菌数測定・同定が可能です。様々な分野において、衛生・健康を守る目的で利用されています。

微生物検査の使用用途

1. 食品

微生物検査は、食品の汚染指標菌や食中毒菌の有無を確認し、安全・安心を担保する目的で行われています。細菌だけでなく、カビ (真菌) や酵母を調べることもできます。各種規格基準や衛生管理指標などに適合しているかどうかを調べる目的で利用されることも多いです。

原材料や製造工程、製造環境などに常在している微生物の種類をあらかじめ把握し、予防策構築のための資料とすることにも役立ちます。また、クレームや不具合があった場合や、食品が原因と推定される食中毒が発生した場合は、残っている食品を検査することで原因究明が可能です。

2. 医療・健康

臨床治療や労働従事者の健康管理では、ヒトから採取した検体を微生物検査にかけることがあります。医療現場では、喀痰や尿、便、膿、血液、体腔液などの患者検体を用い、感染症等の起因菌を検出する目的で検査が行われます。また、見つけ出した原因菌に対して、有効な薬剤の探索試験を行い、早期診断と治療・回復に役立てることが可能です。

食品事業者は、食中毒事故予防のため、労働従事者の健康管理や腸内細菌検査の実施などを行うことが法令で義務付けられています。無症状の保菌者を早期に発見し、感染拡大や食中毒事故を予防するため、微生物検査が利用されています。

3. 環境・工業

化粧品や化学工業品なども、製造工程などにおける微生物汚染の有無を確認するため、微生物検査が利用されています。建物・設備・機器の表面などに付着する表面付着菌や、空中浮遊菌などを調べることが多いです。クリーンルーム、病院の手術室、食品工場などでも利用されています。

また、土壌における病原性微生物の有無や、環境水の衛生状態を評価し、人間や動物の健康を保護する目的でも微生物検査は有効です。また、公共浴場やプールなど、レジオネラ菌対策が必要な場所でも水質維持のため、微生物検査が活用されています。