フォークリフト輪止めとは
フォークリフト輪止めとは、衝突事故防止等の為にフォークリフトの通路に設置する車止めの一種です。
フォークリフト輪止めは、作業現場に傾斜がある場合、車両を安全に停車させておくために必要です。傾斜がなければ法令上の使用義務はありませんが、実際は傾斜路がなくてもトラック荷積み・貨物用エレベータへの搬入・発進時などに事故が起きることがあります。フォークリフト輪止めを使用することで、これらの事故を未然に防ぐことができます。従来では固定式の輪止めが使われていたケースも多いですが、現在では持ち運び可能な輪止め製品が多く提供されています。持ち運び製品は、設置の際に床を傷つけることもなく、1つ当たりは片手で持てる重さで持ち運び易く、非常に便利です。
フォークリフト輪止めの使用用途
フォークリフト輪止めは、フォークリフトを使用する作業現場の安全確保・事故防止のために使用されます。
下記は様々な利用シーンにおける安全確保・事故防止の例です。
1. 傾斜のある現場における安全確保
フォークリフトを傾斜路に停車させざるを得ない場合、輪止めは絶対に必要です。停止していた無人のフォークリフトが逸走することにより多くの人身事故が起きています。傾斜路ではブレーキをかけてエンジンを止めただけでは不十分であり、必ず輪止めを使用する必要があります。
2. トラック荷積み
リーチフォークリフトはトラックに荷積みを行うことがありますが、荷積みの際にトラックとバースの隙間の見落としや幅の誤認が起きる場合があります。その結果、トラック後部とバース (プラットフォーム) の間に前輪が落下する事故の発生が報告されています。輪止めをトラックヤードの縁に設置することでこのような事故を予防することが可能です。
3. 貨物用エレベータへの搬入
貨物用エレベータにパレットを搬入する際、エレベータ側の耐荷重は通常パレット重量のみであり、フォークリフトの重量には耐えられない場合が多いです。搬入の際、フォークリフトの前輪が載ってしまう事故が発生する場合があります。この場合、エレベータがモータ過負荷でやや下降し、その状態でエラー停止となってしまいます。フォークリフトのバックもエレベータの上昇も出来ない状態になり、非常に危険です。復旧作業が必要となってしまいます。
輪止めを貨物用エレベータの手前に設置することで、このような事故を防ぐことが可能です。
4. 発進時の事故
フォークリフトを充電等のために壁のそばに停車させた場合、前後進のレバーを間違えて壁に接触する事故が発生する場合があります。このような場合も、壁の手前に輪止めを設置することで事故予防が可能です。
フォークリフト輪止めの原理
フォークリフト輪止めは、フォークリフトの前輪が当たるよう停車させたい場所の床に設置します。多くの製品は持ち運ぶことができ、1個3kgほどです。車輪に対しそれぞれ1個ずつ輪止めが必要であるため、通常前輪2個に対して輪止め2個1セットで使用します。
先端または全体が三角柱になっており、フォークリフトが転落・逸走するのを防ぎます。滑り止め部分はゴムなどの素材でできており、フォークリフトの自重で固定されます。輪止めと車輪径の関係によっては乗り越える場合があるため、注意が必要です。
フォークリフト輪止めの種類
フォークリフト輪止めは、金属製、樹脂製 (PE/PPなど) 、合成ゴム製などの様々な材質の製品があります。金属製などの製品でも、滑り止め部分は溝のついたゴムによってグリップ力を高めている場合が多いです。
固定せずとも使用することができる持ち運び型のほか、アンカーボルトで固定する製品もあります。通常2個1セットで使用されるため、ロープで繋がれている製品は置き忘れ防止などに有効です。また、マグネット付き製品は、フォークリフト本体側面などにくっつけて保管することができ、便利です。