金属塗料とは
金属塗料とは、金属素材の保護や装飾性の付加のために用いられる塗料です。
塗装を施さない無垢の金属材の中には、空気中の酸素によって錆を生じ、腐食しやすくなる素材が多くあります。そのため、金属塗料を用いて表面に塗膜を形成し、表面を保護することが必要です。
金属塗料には下塗り塗料と上塗り塗料とがあります。一般的に、下塗り塗料は金属表面を錆から保護し、上塗り塗料との密着性を高める役割を持ちます。一方、上塗り塗料は艶、光沢、色などを付加して装飾性を高めると共に、耐候性、耐摩耗性や耐衝撃性、導電性向上などの機能を付加する役割を持つ塗料です。塗料の成分には様々なものがありますが、保護する対象の金属素材に合わせて適切なものを選択することが重要です。
金属塗料の使用用途
金属塗料は、下記に挙げるような大規模な業務用金属製品の他にも、家電製品、装飾用フレーム、ゴルフクラブ、釣具、医療機器など、あらゆる一般的な金属塗料に利用されています。
1. 建造物・構造物
金属塗料は、一般的なビル・住宅などの建物の他、大小を問わずあらゆる金属製の建造物・構造物に利用されています。具体的な例には、道路の標識柱、グレーチング、ガードレール、照明柱、電車や高速道路の遮音壁、橋梁、欄干、遊園地の遊戯施設、立体駐車場などがあります。
これらの建造物は、屋外の過酷な環境に曝されていることが多いため、強力な錆止め効果と表面の保護が必要です。適切な金属塗料を塗装することにより、長期間の使用に耐える耐久性を保つことができます。
2. 車両・航空機
金属塗料は、耐久性向上に優れた効果を発揮するため、航空機、自動車、バイク、船舶、重機、電車、新幹線など、業務用車両から旅客輸送用車両まで、様々な車両に利用されています。
外観となるボディ部分の耐久性・意匠性を高めているだけでなく、様々な部品にも金属塗料が塗布されています。例えば、エンジンルームの部品など、高温になる部分には耐熱塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、車両の部品を保護し、寿命を延ばすことが可能です。
3. 産業用機器
金属塗料は、配管や工場設備、及び、計測器や工業用機器、映像機器などの業務用機器にも使用されています。
産業用機器・設備は、高温・化学薬品の使用など、過酷な環境下での動作が想定されるため、金属部材の腐食や劣化を防止するために塗装が不可欠です。とりわけ、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性など、機能性を付加した金属塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、動作中の摩擦や衝撃による損傷を防いで機器寿命を延ばすことが可能です。