ロボットカバー

監修:株式会社テイアイテイ

ロボットカバーとは

ロボットカバー

ロボットカバーとは、産業用機械のロボットアーム全体を保護するために使用されるカバーのことです。

ロボットアームは今ではさまざまな分野の工場で活躍していますが、ほとんどは過酷な条件で使用されています。ロボットアームのトラブルを未然に防いだり、メンテナンスを容易にするためにも、ロボットカバーの使用は有効な手段の一つです。ロボットカバーの導入に費用はかかりますが、ロボットアームのトラブル低減や寿命を伸ばすことによって、費用の回収に繋げることもできます。

ロボットアームは作業において複雑な動きをしますが、ロボットカバーはロボットアームの動きを妨げることがないよう、素材や形状が工夫されたものが開発されています。

ロボットカバーの使用用途

ロボットカバーは、産業用ロボットアームに取り付けられて使われるものです。ほとんどの産業用ロボットアームにおいて、ロボットカバーが採用されています。

ロボットカバーが多く使われる業界は具体的に、食品製造、医薬品製造、自動車製造、塗装作業などです。ロボットカバーを使う目的は、ロボットアームが置かれている環境によって異なりますが、いずれもロボットアームを保護し、トラブルの防止やメンテナンスを容易にしたり、ロボットアームの寿命を伸ばすことがロボットカバーを使用する目的であることに変わりはありません。

ロボットカバーの種類

ロボットカバーの種類を、使用環境による違いから説明します。

耐熱カバー

高温環境下に設置されているロボットアームに適したカバーです。例えば、自動車のボディなどを溶接するロボットアームに取り付けられます。溶接によって飛び散る高温のスパッタからロボットアームを保護するために、特別な耐熱素材が使用されたカバーです。

防油カバー

切削加工などで飛散するオイルミストや調理や食品加工時に付着する油からロボットアームを保護するカバーです。ロボットアームの関節部に油が侵入することによるトラブルを防ぎ、また衛生的にロボットを使用するために防油カバーが使用されています。

防水カバー

湿気や液体が多い作業環境において使われるロボットカバーです。多くは食品加工や医療品の製造ラインなどで使われています。水や湿気は電気機器にとっては好ましい存在ではないため、防水カバーを使用することは、トラブルを未然に防ぐ役割を担う存在です。塗装ロボットであれば、塗料の飛散からロボットアームを守るロボットカバーもあります。

防塵カバー

粉塵や微粒子が漂っている環境で使用されるカバーです。例えば研磨作業を行うロボットアームなら、作業によって周囲に粉塵が飛散します。ロボットアームは可動部分が多いため、粉塵から守ることはメンテナンスを容易にし、予期せぬトラブルの発生を防ぐために有効な手段の一つです。

化学薬品対応カバー

化学薬品が使用される環境で、ロボットアームの部品が腐食や劣化が進行するのを抑制するためのカバーです。

ロボットカバーについて、使用環境で分けて説明しましたが、一つのロボットカバーで複数の役割を担うこともあります。

ロボットカバーの選び方

ロボットカバーは通常、使用するロボットアームに専用の製品が用意されています。複数のロボットカバー製造メーカーから製品が用意されているので、使用環境や価格などから選定します。さらに、メンテナンスのしやすさも重要です。ロボットカバーを使ったとしても、ロボットアームの定期的なメンテナンスや点検は不可欠です。その際にはロボットカバーを取り外す必要があるため、脱着にかかる作業のしやすさや、作業に必要な時間が短いことも、ロボットカバーを選ぶポイントの一つになります。

専用カバーが見つからない場合は、オーダーメイドで制作を依頼することになります。取り付けるロボットアームに適した形状であることや、使用環境に適した生地であることはもちろん、メンテナンスのしやすさなどについても、依頼先企業と調整することが大切です。

本記事はロボットカバーを製造・販売する株式会社テイアイテイ様に監修を頂きました。

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PEEKねじ

監修:株式会社CLUDE LAB

PEEKねじとは

PEEKねじとは、PEEKと呼ばれる樹脂で作られたねじのことです。

PEEKとは (Poly Ether Ether Ketone:ポリエーテルエーテルケトン) という、熱可塑性のスーパーエンジニアリングプラスチックの1つです。耐薬品性能が高く濃硫酸以外のほとんどの薬品に対して耐性があり、高温環境においても優れた機械的性質が維持できるプラスチック材料です。樹脂製のねじは金属製のねじに比べて軽量であるのが最大の特徴です。また絶縁性が求められる場合、ねじに磁性を帯させたくない場合にも、樹脂製のねじが選ばれます。PEEKねじは一般的な樹脂製のねじに求められる要求に加えて、耐薬品性や温度が高い条件になる部位で使われます。

PEEKねじの使用用途

PEEKねじの使用用途について、分野ごとに説明します。

1. 電子・電気分野

PEEKねじが電子・電気分野において特に多く使われているのは、半導体業界です。半導体の製造プロセスの中には高温環境で行われる工程がいくつかあります。高温とともに薬品による腐食にも耐えなければならないため、電子・電気分野はPEEKねじが選ばれる分野の一つです。絶縁性や耐摩耗性の点からもPEEKねじが選ばれることがあります。半導体製造装置以外では、プリント基板のエッチング装置、FPD (フラットパネルディスプレイ) の製造装置なども、PEEKねじの使用用途です。

2. 医療分野

医療分野においてPEEKねじが用いられるのは、人体への影響が少ない特性によるものです。骨固定用や靱帯を骨に繋ぎ止めるアンカーボルトとして、PEEKねじが用いられています。X線やMRIの検査にも影響を与えないことも、人体内で使われるインプラントに適したPEEKの特性の一つです。

3. 食品加工産業分野

PEEKは食品加工産業分野においても、安全性が高い樹脂です。PEEKはアメリカ食品医薬品局 (FDA) の必要条件に準拠した材料であり、酸、塩基、塩、スチームなどに対しても優れた耐久性を有しています。

PEEKねじの種類

PEEKねじは一般的なねじと同様に、以下の種類の製品が販売されています。

1. 六角ボルト

PEEKねじ

六角ボルトはボルトを締め付けるときに工具と嵌合するヘッド部分が六角形状をしたボルトです。最も一般的なねじ形状であり、PEEKねじにも六角ボルトの製品があります。

2. 皿ねじ

PEEKねじ

皿ねじは締結した際に、ねじのヘッド部分が飛び出さないように円錐形状になったねじです。ねじを締結する相手の部材にもねじが通る貫通穴が、すり鉢形状になっています。皿ねじを締結させるために、プラス穴 (十字穴) やマイナス穴 (すりわり) などがあります。

3. 六角穴付きボルト

PEEKねじ

六角穴付きボルトは、円筒形のヘッド部分に六角形の穴が空いているボルトです。六角穴付きボルトの締結には、六角レンチを使用します。六角穴付きボルトの六角穴のサイズは複数の種類があり、適したサイズの六角レンチ以外では締結できないのが特徴です。

4.十字穴付きなべ小ねじ

十字穴付きなべ小ねじは、上面の角が丸みを帯び、締結させるためのプラス穴(十字穴)が付いています。頭に厚みがあり、プラスドライバーを使用してしっかりと締結することができます。一般的サイズはM8(呼び径)以下で、主に小さな部品の締結に使用されます。小ねじの中では最も多く使われる代表的な小ねじです。

PEEKねじのその他特徴

PEEKねじの製造方法

PEEKねじを含む樹脂製のねじは、射出成形または切削加工で作られます。金属製のねじで広く用いられている転造加工はできません。PEEKねじの場合には、製造数量が極端に少なかったり、特殊なサイズ出なければ、多くは射出成形で製造されています。PEEKねじを選定する際には、まずは汎用品から探すのが安価であり、安定した品質の製品が得られます。ただし射出成形のねじは一般的に、金属で転造によって作られたねじほどのねじ精度は期待できません。ねじと相手のねじ穴とのはめあい交差が大きめになることや、噛み合い長さが長く取れないことにも注意が必要です。

本記事はPEEKねじを製造・販売する株式会社CLUDE LAB様に監修を頂きました。

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コーススレッド

監修:株式会社大里

コーススレッドとは

コーススレッドとは、主に木工用のねじの一種であり、木材と木材同士を高い締結力で固定したい場合に多く用いられます。

コーススレッドの名称のコースは「粗い」、スレッドは「ねじ山」を意味する用語であり、コーススレッドとは粗目ビスということにまります。コーススレッドは、釘の代替えになる締結用部材です。

コーススレッドは木ねじで必要となる下穴加工が不要であったり、熱処理によって硬く強度もあることから、インパクトドライバーを使用することもできます。ねじが粗いことによって1回転で進む深さも長いため、作業を効率的に進めることができるねじ部品です。

コーススレッドの外観上の一番の特徴は、細長いねじであり、使用する際には適切な長さを選択する必要があります。全ねじタイプと半ねじタイプの使い分けにも、注意が必要です。

コーススレッドの使用用途

コーススレッドは主に、木材を使った建築工事で多く使われます。

木材

特に2×4や2×6といったツーバイ材を用いた建築において、多く用いられる締結部品です。

ツーバイ材以外でもDIYで木材を使用した作業をする場合、例えばウッドデッキを作るような場合にも、コーススレッドは多く用いられる締結部品です。

コーススレッドは強い締結力が得られるのが特徴であり、木材などの固定には使いやすい締結部材です。木ねじに対して3~5倍ほどの締結力が得られるとされています。ねじ山がねじ込まれた部材に引っかかることになるため、釘に対しても大きな引っ張り力に耐えられます。

コンクリートパネル、石膏ボード

木材以外ではコンクリートパネル、石膏ボードの固定にも、コーススレッドは広く使われています。

コーススレッドの原理

コーススレッドの原理として、下穴が不要であることの理由と、締結力が得られる原理に分けて説明します。

1.下 穴が不要

コーススレッドを使う際に下穴が不要なのは、先端とねじ山が鋭く尖った形状になっているからです。締結作業によってねじ込まれる力によって、相手材を切り裂くことで、自らが入り込む空間を確保します。ねじ込まれた後は相手材との摩擦力によって、逆回転して抜けることを防いでいます。

2. 締結力

次に締結力が発生する原理は、コーススレッドがねじ形状によって、先端方向に向かおうとする力が働き、部材と接している部分の摩擦力によって、締結力が保持されることです。金属などに用いられる一般的なねじ締結においては、ねじ本体がバネになって伸ばされ、元に戻ろうとする力が締結力の源になっています。コーススレッドの場合、バネ力も原理上働いているはずですが、バネ力よりもねじが前進しようとする力と、ねじ山が相手部材と深く引っかかっていることによって、大きな締結力を得ているものと考えられます。

コーススレッドの選び方

コーススレッドを選ぶ際には、長さや太さ、材質、全ねじと半ねじから選ぶことになります。

まず長さを決めるポイントは、固定しようとしている部材の厚さです。一般的には固定部材の厚さ+20mm以上の長さが推奨されています。固定部材の厚さが20mm以上の場合には、固定部材の2倍以上の長さが推奨されています。ただし長すぎて貫通し、コーススレッドの先端が飛び出さない範囲であることも大切です。太さは太いほど強度は高くなりますが、一方で部材に割れが生じる可能性が高まります。材質は大きく鉄鋼材製、またはステンレス製に分けられます。ステンレスは錆びにくい分、価格が高くなるため、使用環境によって選ぶことが重要です。

全ねじと半ねじは、長いコーススレッドは半ねじが多く、短いコーススレッドには全ねじの製品が多くなっています。全ねじの場合、固定物に埋め込まれた部分の影響によって、締結力が下がってしまう場合があります。特に高い締結力を望む場合には、固定物の厚さとねじが切ってある長さに気をつけることが大切です。

 

本記事はコーススレッドを製造・販売する株式会社大里様に監修を頂きました。

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バリアブル印刷ソフト

監修:テキスト・アンド・グラフィクス株式会社

バリアブル印刷ソフトとは

バリアブル印刷ソフト (Variable Data Printing Software) とは、DTPソフトの一つです。DTPとは、Desk Top Publishingの略で、雑誌や書籍、パンフレットや広告などの紙媒体の原稿を、パソコンで行うことを言います。

バリアブル印刷ソフトはDTPソフトの中でも、紙媒体の印刷であっても個別に異なる情報やデザインに一部を変更しながら印刷できるソフトのことです。個別に変更するデータには、例えばダイレクトメールの宛先などがあります。

DTPソフトウェアの登場により、印刷物の製作が容易になりましたが、バリアブル印刷ソフトが普及することで、大量印刷物であっても個別の顧客向けの印刷物が手軽に製作でき、より高いメッセージが伝えられるようになりました。有効な拡販ツールの一つとして利用されるソフトウェアです。

バリアブル印刷ソフトの使用用途

バリアブル印刷ソフトは主に、ダイレクトメールなどの広告、案内状などの印刷に用いられています。バリアブル印刷ソフトによって変更されるデータは、住所や宛名などのテキスト、画像、バーコード、二次元コードなどです。バリアブル印刷ソフトは概ね決められたデザインであって、一部を個別に変更したい印刷物に対して利用されるソフトウェアです。年賀状を一般家庭でパソコンで作成することも広く普及していますが、年賀状印刷ソフトもバリアブル印刷ソフトの一つと呼ぶことができます。

バリアブル印刷ソフトの原理

バリアブル印刷ソフトは概ね決められたデザインから一部分を個別の情報や画像に変えて印刷するソフトウェアです。この役割を実現するために、大きく4つの機能があります。

1. 外部データとの連携機能

外部データは大量印刷において、個別に変更したいデータが含まれるもので、例えば住所や宛先、顧客情報などが挙げられます。外部データはCSVファイルなど、一般的な形式のデータが読み込めたり書き出せる機能があります。

2. テンプレートの設計

テンプレートは印刷したいデザインの全体像になります。どの印刷物にも共通するデザインであり、バリアブル印刷によって変更したい部分も指定します。

3. プレビュー機能

バリアブル印刷において、個別に変更したい部分が適切に設定されているのか? 外部データが正しく印刷データに正しく反映されているかなど、プレビュー機能で確認する作業は、バリアブル印刷において重要な作業です。

4. カラーマネージメント

カラーマネージメントはバリアブル印刷ソフトに限りませんが、一般的にパソコンの画面に表示されている色と、実際に印刷される色には差異が生じます。印刷物の色が希望の色にならない場合には、カラーマネージメント機能での調整が必要です。

バリアブル印刷ソフトのその他情報

バリアブル印刷ソフトのメリットとデメリット

1. バリアブル印刷ソフトのメリット

まず効率的に印刷物を作成できることです。外部のデータベースと連携して個別性の高い印刷物を手軽に製作できるため、印刷作業を効率的に行うことができます。二つ目のメリットはコスト削減効果です。バリアブル印刷ソフトの導入によって、印刷会社に外注しなくても、DMなどの印刷物を効率的に製作することができます。テンプレートデータも自社内で管理できるため、テンプレートの一部変更も、効率よく作業することができます。

2. バリアブル印刷ソフトのデメリット

デメリットは、導入コストがかかること、ソフトウェアを使いこなすための学習コストが必要なことなどです。導入コストや学習コストは、中長期的なソフトウェアの活用頻度を加味して判断することが大切になります。

本記事はバリアブル印刷ソフトを製造・販売するテキスト・アンド・グラフィクス株式会社様に監修を頂きました。

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樹脂射出成形

監修:株式会社CLUDE LAB

樹脂射出成形とは

樹脂射出成形とは、プラスチック製品を作るための方法の一つです。

プラスチック製品の材料となる樹脂を加熱して溶かし、あらかじめ設計された金型に射出し一定の圧力を加えた後に冷却させて、求める形状のプラスチック製品を作る工法を言います。射出を意味するインジェクション成形やインジェクションモールドなどと呼ばれることもあります。

プラスチック製品を成形する方法には複数の工法がありますが、樹脂射出成形は代表的な工法の一つです。樹脂射出成形は大量生産に向いているため、私たちの日常生活で使う製品にも、樹脂射出成形によって製造されたものが多くあります。日常生活で使う小物製品から、自動車の内装やバンパーなどの大きな部品まで、幅広い大きさの製品の製造に利用されているのも、樹脂射出成形の特徴の一つです。

樹脂射出成形の使用用途

樹脂射出成形は、さまざまなプラスチック製品の製造に利用されています。製造される製品も広範囲にわたります。樹脂射出成形で作られる製品の中でも大きなものは自動車部品です。自動車の外観形状の一部となる前後のバンパーや、エアロパーツと呼ばれるスポイラーなどの部品も、樹脂射出成形で製造されます。自動車室内のインストルメントパネル、運転席と助手席にあるコンソールパネルなども樹脂射出成形で製造された部品です。一方でベンチレーターやアウトレットと呼ばれるエアコンの吹き出し口で風の方向を変えたり開閉する部品も、樹脂射出成形で作られています。

自動車部品以外では、家電製品、日用品、文房具、医療機器なども、樹脂射出成形で作られているものが多くあります。

樹脂射出成形の原理

樹脂射出成形は、プラスチックの材料が加熱されると溶けて流動性が高くなり、冷えると固まるという性質を利用したものです。ペレットと呼ばれるプラスチック製品の原料を射出成形機に投入し、高温で加熱し、樹脂を溶かします。材料はスクリューと呼ばれるねじ形状の羽根を持った回転軸によって装置内で移動していき、前方に設置された金型内に射出されます。金型は射出された材料が冷えて固まった時に、求める形状になるようにあらかじめ設計された形状に加工されたものです。金型に射出され一定の圧力によって充満した材料は金型によって熱を奪われ、冷却と共に固まります。金型内で固まったものを取り出すことによって、樹脂射出成形による製品が完成します。

樹脂射出成形のその他情報

樹脂射出成形の特徴

樹脂射出成形の特徴は、まず大量生産に向いていることです。樹脂射出成形機と金型、材料と適した製造条件が見出せれば、比較的短時間で多くの製品を製造することができます。

二つ目の特徴は形状の自由度が高いことです。金型内から取り出すためアンダーカットと呼ばれる取り出し時に引っかかってしまうような形状はできませんが、それでも他の工法に比べて形状の自由度が高い工法です。また一般的に、後加工を必要としません。

三つ目に、材料の選択肢が広いことも、樹脂射出成形の特徴です。プラスチック材料には多くの種類があり、それぞれの特徴を持っています。製品の用途に応じて適切なプラスチック材料を選定することが必要ですが、樹脂射出成形は多くの材料に使うことができる工法です。

樹脂射出成形の注意点

樹脂射出成形での製造で気をつけなければならない点の一つに、伸び尺があります。プラスチック材料は加熱されて金型に射出された時から冷却されるとともに、収縮していきます。

収縮する割合を成形収縮率といい、2/1000~20/1000程度が一般的です。そのため金型の形状は、成形収縮量を見込んだ形状にしなければなりません。成形収縮率は材料によって異なっており、中には射出される方向と、射出される方向と直角方向によって成形収縮率が異なる材料もあります。

本記事は樹脂射出成形を提供する株式会社CLUDE LAB様に監修を頂きました。

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シールリング

シールリングとは

シールリングとは機械部品の一つで、相対回転や往復運動をする二つの部品の間において、気体や液体を密封するための部品です。

シールリングは円形状をしていますが、円周上に1箇所「合口」という切れ目があるのが特徴です。合口があることによって、シールリングを使用する部位に取り付けることができます。一方で合口はシール性を低下させる要因になるため、特に樹脂製のシールリングにおいては、さまざまな工夫が施されています。

シールリングは相対運動する二つの部品の間で使用されますが、摺動による抵抗が生じることが避けられません。シールリングの使用用途によっては抵抗を抑えたい場合もあり、低フリクション化のために、特殊な断面形状を持った製品も開発されています。

シールリングはOリングやオイルシールなど、回転シール全般を指すために用いられる場合もあるようですが、ここでは狭い範囲に限定して解説します。

シールリングの使用用途

シールリングは主に自動車などのエンジン、A/TやCVTなどのトランスミッションに使われています。エンジンでは主に排気系で使われる部品です。例えばターボチャージャー、EGR弁、その他軸のシールなどに利用される部品です。

1. トランスミッション

入出力軸などと、その軸に組み合わさる部品との間で、油圧を伝達する必要がある場合に用いられます。これらの部位においては、多くは相対回転する部品の間で、排気やオイルを密封するのが、シールリングの役割です。

2. CVT

プーリーの油圧室のシールのために、シールリングが使われています。ベルトやチェーンを使ったCVTでは二つのプーリー軸におけるベルトやチェーンの回転半径を無段階で変化させるために、油圧室が設けられたシーブ面という円錐部品をスライドさせます。このスライドをしながら油圧を保つために、シールリングが使われています。

CVTの油圧室でシールリングは相対回転ではなく、摺動運動しながら油圧を保持する役割を果たすのが特徴的な使われ方です。

シールリングの種類

シールリングには大きく、金属製と樹脂製があります。金属製は主にエンジンの排気系、樹脂製はトランスミッションで多く用いられています。

1. 金属製

金属製のシールリングは、シール性はもちろん、耐熱性が求められる部位に使われます。使用される材料はSUS、SKHなどです。耐熱性はもちろん、排気ガスなどによって腐食しにくいことも重要なポイントです。

2. 樹脂製

樹脂製のシールリングは、金属製よりも複雑な形状に仕上げることができます。側面や合口の形状を工夫することによって、回転運動の摺動抵抗を低減させたり、合口からのリークを低減させることができます。

樹脂製のシールリングの材料はPEEK材やPPS材などです。シール性を確保しつつ、耐摩耗性を高める工夫が施されています。

シールリングのその他情報

シールリングという名称で部品販売サイトなどで検索すると、本稿で解説した製品以外に、Oリング、パッキン、ガスケットなども検出されます。JIS B 0116:2020によると”シールは流体の漏れ又は外部からの遺物の侵入を防止する機能又は部品。密封部品ともいう”、パッキンは”回転運動、往復運動などの運動部に用いるシールの総称、運動用シール又は動的シールともいう。注記 一般にはシールと同じ意味を表す”と定義されています。本稿で紹介したシールリングは、シール、パッキンいずれにも該当する部品です。

一般的にOリングは相対運動がなかったり、相対運動が比較的少ない部位において、ゴム部材などを圧縮させて積極的に漏れを防ぐもの、パッキンはリング形状によらず広く用いられている部品です。回転運動する部位の密封部品にはオイルシールもありますが、主に外部からの異物侵入を防止することも機能に加えられた製品を指します。

 

硝酸カルシウム

監修:明京商事株式会社

硝酸カルシウムとは

硝酸カルシウムとは、化学式Ca (NO3) 2で表される無機化合物です。

工業用には4水和物としてCa (NO2) 2・4H2Oとして販売されています。また硝酸亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウムなどとともに、硝酸塩類に属する化合物です。

硝酸カルシウムは無色無臭の結晶で、一般的にはpHは4.0~6.0の酸性です。窒素成分にアンモニア態窒素が含まれた製品はpH約6.5の中性です。潮解性という固体が空気中の水分を吸って溶解し、湿気を帯びる性質を持っています。潮解性があることから、保管する際には密閉することが必要です。

硝酸カルシウムには様々な用途がありますが、主に農業用の肥料、コンクリートの添加剤、金属表面処理などに用いられます。製品としては工業用以外に、純度などを厳しい規格内に管理した試薬用の販売もあります。

硝酸カルシウムの使用用途

硝酸カルシウムは様々な用途に用いられています。まず農業用の肥料として使われています。植物の成長に欠かせないカルシウムと窒素を効率よく供給でき、速効性も期待できるのが特徴の一つです。農業用には保存に適した2水塩 (2水和物) と、潮解性の高い4水塩 (4水和物) として製品化されています。養液栽培用肥料としても用いられています。

建築用途ではコンクリートの添加剤として用いられる化学成分です。主にコンクリートの硬化促進に用いられ、寒冷地でのコンクリート施工に添加されます。その他工業用途では金属表面処理、メッキ薬剤、ラテックスの凝固剥離剤なども、硝酸カルシウムの使用用途です。

硝酸カルシウムの性質

硝酸カルシウムは無色〜白色の結晶です。潮解性があるため吸湿しやすい性質もあり、工業製品としては4水和物 (4水塩) 、保管を要する肥料としては2水和物 (2水塩) として販売されています。強酸化剤でもあり、可燃性物質や還元性物質とも反応します。

農業用途で用いられる硝酸カルシウムとして期待される効果は、農作物に硝酸態窒素を効率よく吸収させることと、水溶性カルシウムを供給することによって、作物の品質を向上させることです。肥料ではアンモニア態窒素を多く含んだものもありますが、農作物に速やかに吸収される硝酸態窒素に変換されるまでに時間が必要です。

硝酸カルシウムには硝酸態窒素が10%以上含まれているため、窒素を素早く農作物に供給することができます。また農作物においてカルシウムが欠乏することで生じる障害は、尻腐れ、チップバーン、芯腐れ、りんごのビタービット、ナシの裂果、石ナシ化、サクランボの果肉の軟弱化などです。これら障害を防ぐ上でも、硝酸カルシウムが効果を発揮します。

硝酸カルシウムの原理

メッキ処理での硝酸カルシウムの役割

硝酸カルシウムの使用用途の一つに、メッキ処理があります。硝酸カルシウムはメッキ工程の中でも前処理や後処理に使われる薬品です。まず前処置としては、酸化膜の除去に用いられます。硝酸カルシウムは強酸化剤であるため、メッキ処理工程においては金属表面に形成された酸化膜を溶解、除去するのが役割です。製品の表面が清浄化されることによって、メッキの密着性が高まります。同じく不純物の除去にも効果が期待できます。

メッキの後処理として硝酸カルシウムは、金属表面を安定化させたり、仕上げ品質を向上させることも、硝酸カルシウムの利用用途の一つです。

コンクリート硬化の促進剤

硝酸カルシウムはコンクリート施工において、コンクリートの効果を促進させたい場合に使用されます。硝酸カルシウムからカルシウムイオンが供給されることによって、コンクリートの水和反応が促進され、凝固時間が短縮されます。多くは低温環境においてコンクリートの硬化を促進させたい場合に、硝酸カルシウムが添加されます。

本記事は硝酸カルシウムを輸入・販売する明京商事株式会社様に監修を頂きました。

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石灰窒素

監修:明京商事株式会社

石灰窒素とは

石灰窒素とは、農業用資材の一つで、農薬効果、肥料効果、土づくりの3つの効果が得られるものです。

石灰窒素は土壌に施用されると、時間の経過とともに成分が変化し、3つの効果が得られます。最初に農薬効果が得られますが、その後肥料成分へと変化するため、農薬成分が残留しないことも、石灰窒素のメリットの1つです。

国産・ドイツ産の石灰窒素は、農薬取締法の定めによる農林水産大臣の許認可を得ており、農薬登録された資材です。農薬登録された資材は品質や安全性が確認されており、安心して用いることができます。防ぎたい病害虫や雑草ごとに使用量や施用時期、施用方法に従って施用することで、3つの効果を発揮することができます。

石灰窒素の使用用途

石灰窒素は多くの農作物の生産に用いられている肥料です。中でも野菜の栽培には幅広く用いられています。ハクサイ、ホウレンソウ、ネギ、ナス、ダイコン、キャベツ、トマト、タマネギ、サトイモ、ニンジン、キュウリの栽培に用いられています。野菜以外で使用されている作物は、水稲、茶、果樹、いも類、麦、花弁、豆類などです。水稲の稲わら腐熟、麦の麦稈腐熟、茶の選定枝の腐熟など植物残渣を速やかに分解して土壌に還元する腐熟促進の目的で使用されます。

石灰窒素の性質

石灰窒素は土壌に施用されると、時間の経過とともに成分が変化し、農業用資材として3つの効果を発揮します。

まず製造された石灰窒素の成分は、カルシウムシアナミド、酸化カルシウム、炭素などです。カルシウムシアナミドは土壌中の水によって加水分解しシアナミドに変化します。シアナミドは殺菌・殺虫・殺草などの農薬効果がある成分です。シアナミドはさらに加水反応によって尿素を経て、アンモニア態窒素⇒硝酸態窒素となって肥料効果を発揮します。この過程において、シアナミドから副成されるジシアンジアミドは硝酸化抑制効果を発揮し、アンモニア態窒素から硝酸態窒素への変化のスピードを抑制するものです。結果的に緩効性を発揮することによって、窒素の肥効が長効きし、窒素の流亡を減らすことにつながります。この効果により石灰窒素は農林水産省より「肥効調整型肥料」に認定されています。

また石灰窒素で期待できる土づくり効果は、酸度矯正効果、腐熟促進効果、温室効果ガス排出削減効果、連作障害軽減効果です。土壌中に含まれる有機物の分解が促進され、土壌微生物にとって最適な環境づくりになります。結果的に不純な天候や土壌病害に強い土壌環境へ変化していきます。

石灰窒素の種類

石灰窒素は3つのタイプで製品化されています。

粒状石灰窒素

粒状石灰窒素は機械散布に適した、粒状の石灰窒素です。他のタイプと比較すると粒が大きいため飛散しづらいのが特徴です。また撒いてから窒素成分への分解が早いため、高い肥料効果が期待できます。

粉状石灰窒素

粒状よりも細かく粉状にした石灰窒素です。均一に散布しやすいのが特徴で、そのまま散布する方法以外に、水に懸濁した上澄液を散布する方法が、馬鈴薯の茎葉枯凋用途として使われています。

防散石灰窒素

粉状石灰窒素と比較して、風によって飛び散りにくいサイズの粉状にした石灰窒素です。主に鶏、牛、豚の畜ふんの堆肥化処理に利用されています。

石灰窒素のその他情報

石灰窒素の製造方法

石灰窒素は1901年にドイツのアルバート・フランク博士によって発明され世界で最初に製造が始まりました。日本国内での製造は1909年に始まり、日本の農業でも長く使用されてきた肥料の一つです。

石灰窒素の製造はまず、石炭石を石炭炉で焼成し生石灰にします。また電気炉で生成されるのは、コークスや無煙炭から得られるカルシウムカーバイトです。さらに大気から分離した窒素とともに窒素炉で高温反応させることによって石灰窒素は製造されます。

以上の工程によってカルシウムシアナミド、酸化カルシウム、炭素からなる石灰窒素が製造されます。

本記事はドイツ産石灰窒素ペルカを輸入・販売する明京商事株式会社様に監修を頂きました。

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振れ止め金具

監修:株式会社アルティマ

振れ止め金具とは

振れ止め金具とは、建物の天井から吊り下げられている様々な機器や配管などが横振れすることを抑制するために用いられる建築資材の一つです。

振れ止めは建築業界で使われる用語で、天井から吊り下げられているワイヤーや吊りボルトなどと併せて使用されます。

振れ止め金具は、天井から吊り下げられて使用する振れ止め以外にも用いられるものがあります。例えば配管を壁面などに固定するU字ボルトや、断面がL字形状をしているアングル材を組み合わせて作られるスチールラックのコーナー部分で部材同士を固定する金具も、振れ止め金具と呼ばれる資材です。

振れ止め金具の形状や使われる部位は様々ですが、多くはねじで固定される部品です。振れを止めるという外力が作用することが前提の部品のため強度も必要であり、ほとんどが鉄鋼材料で作られています。

振れ止め金具の使用用途

振れ止め金具は主に建築物で、天井から吊り下げられた機器や配管類の横揺れを抑制するために使用されます。鉄骨や鉄筋コンクリート造の大型施設の天井を見ると、様々な配管や照明などが天井から吊り下げられているのを見かけることがあります。振れ止め金具はこのような天井から吊り下げられた部材が横揺れを防止するために用いられる資材です。斜め方向にワイヤーや吊り金具と呼ばれる鉄製の棒材の両端におねじが切られた部材などを固定するために用いられます。

天井から吊り下げられたもの以外には、まず壁に沿って垂直に配置された配管を壁に固定するものがあります。さらにアングル材を組み合わせて作られるスチールラックのコーナー部分で、複数の部材の位置関係がブレないように固定するための部材も、振れ止め金具に分類される資材です。

振れ止め金具の種類

振れ止め金具は用いられる部位や振れ止めの対象となる部材によって、様々な形状をしており、適した製品を選ばなければなりません。

天井から空調機器や配管の振れを止めるために用いられる振れ止め金具では、主に振れを止めるための吊りボルトの設置の仕方によって用いられる振れ止め金具が異なります。

例えば四角形上の空調機器を天井から吊り下げた場合、隣の頂点と交差するように吊りボルトを配置する場合、4つの頂点の外側にそれぞれ平行に触れ止めの吊りボルトを配置する場合、4つの頂点から放射状に吊りボルトを配置する場合などがあります。振れ止め金具は吊りボルトと天井との固定に使われますが、天井面と吊りボルトとの角度がそれぞれ異なるため、両者の固定に適した振れ止め金具を選ぶことが必要です。

天井から吊り下げられた空調機器や配管以外の振れ止め金具は、配管を壁面に固定するU時金具、アングル材を組み合わせて作られるスチールラックなどに用いられる振れ止め金具があります。

振れ止め金具のその他情報

振れ止め金具の表面処理

振れ止め金具は主に建物の内部で用いられますが、天井や壁面の内部など、室内よりも過酷な条件で用いられる部材です。湿気が多い場所で使われることもあるため、メッキや塗装が施されたり、ステンレス材で作られています。

メッキは電気亜鉛メッキ、溶融亜鉛メッキ、ユニクロメッキなどが用いられています。振れ止め金具は日頃は点検しにくい場所に用いられるのが一般的です。使用される環境に適した製品を選ぶことが重要です。

振れ軽減機能付き防振吊り金具

振れ止め金具の中には、振れを積極的に吸収する防振機能を加えた製品もあります。振れ止め金具と吊りボルトを直接固定せずに、両者の間にゴム製のダンパーの役割を果たす部材を挟んだものです。機械の稼働によって細かな振動が常に発生する場合、機械振動を伝えたくない場合には効果が期待できる金具です。

 

本記事は振れ止め金具を製造・販売する株式会社アルティマ様に監修を頂きました。

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壁面緑化

監修:株式会社アルティマ

壁面緑化とは

壁面緑化とは、建物の外壁表面上を植物で覆うことを言います。「緑のカーテン」と呼ばれることもあります。壁面緑化は都市やまちの中に植物を育てるという見た目の効果以外に、空気の浄化、二酸化炭素の削減、ヒートアイランド対策、気温が高い日でも建物の内部の温度を低く保つことによってエアコンの消費電力を低減できるなど、環境保護に関する対策としても有効な手段の一つです。

壁面緑化と同様の目的で行われるものに、屋上緑化があります。高いビルなどで屋上緑化が行われる場合、まち中を歩く一般の方に対する視覚的な効果は期待できませんが、ヒートアイランド現象の緩和や低炭素化などの観点から推奨される取り組みです。

壁面緑化の使用用途

壁面緑化は主に、建物の外観やイメージを向上させる目的と、環境改善の目的で設置されます。まず建物の外観やイメージ向上は、特に都市地域やビル街など、木々や緑が少ない場所で効果が期待できる方策です。緑色はひとの目に優しいとされる色であり、緑色の光の波長は可視光線の波長域のおよそ中央にあります。壁面ではありませんがオフィス環境整備では「緑視率」という指標があります。ひとの視界の面積に対する緑の部分の面積を表した数値であり、集中力を高める上で望ましいとされているのは10~15%程度です。。壁面緑化は都市やまちの中の緑視率を高める効果が期待できます。

環境改善の目的では植物が増えることによって二酸化炭素の削減、空気の清浄化にも効果的です。。さらに植物の葉っぱから水分が蒸発する際の気化熱によって、ヒートアイランド現象を低減する効果が期待できます。

また建物の外壁が植物に覆われることによって、直射日光や風雨に晒されにくくなる点で、壁面の劣化を遅らせる効果もあります。

壁面緑化の原理

壁面緑化が特に環境改善に貢献できるのは、植物による二酸化炭素の吸収と酸素の放出、気化熱による周辺気温の低減によるものです。植物は根から吸収した水分を葉の表面で蒸発させる蒸散作用を行います。蒸散作用で水分が蒸発する際の気化熱によって、周辺環境の熱が奪われます。また葉が物理的な日除けにもなるため、建物内部への直射日光の侵入を妨げ、暑い日には屋内の気温が上昇するのを抑制するのも効果の一つです。

都市部にも緑が増えることは、都市部にも昆虫や鳥類などが生息しやすい環境にもなり、生物多様性の面からも望ましい取り組みになります。

壁面緑化の種類

壁面緑化は壁面に緑を生育させるための資材や方法によって種類を分けることができます。

ユニット型

ユニットはあらかじめ植物を生育させたパネルを、壁面に取り付ける方法です。施工直後から壁面を緑で覆うことができます。植物は壁面に直接生育することになるため、設置については事前検討が重要です。

ワイヤー型

壁面にワイヤーを利用した植物が伝うための土台となるものを設置し、植物をワイヤーなどに這うように生育する方法です。植物はワイヤーを設置した地面などから生育し、上へと生育していきます。

パネル型

パネル型は植物が伸びていく登はんマットと金網を組み合わせたタイプです。登坂マットが保水し植物が根を伸ばして吸水できるため、つる植物などを生育することができます。

壁面緑化のその他情報

壁面緑化に利用される植物

壁面緑化に利用される植物は主につる植物です。植物によって常緑、半楽、落葉に区分けできます。常緑ではヘデラ・カナリエンシス、キヅタ、ツルハナナス、半落植物ではスイカズラ、ツキヌキニンドウ、トケイソウ、落葉植物ではナツヅタ、ノウゼンカズラ、フジなどがあります。

壁面緑化では施工する場所の気候はもちろん、設置する壁面が向く方向によって日射量も変わります。設置場所でも生育しやすい植物と方法を選ぶことが大切です。メンテナンスについても検討しておく必要があります。

 

本記事は壁面緑化を提供する株式会社アルティマ様に監修を頂きました。

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