振れ止め金具

監修:株式会社アルティマ

振れ止め金具とは

振れ止め金具とは、建物の天井から吊り下げられている様々な機器や配管などが横振れすることを抑制するために用いられる建築資材の一つです。

振れ止めは建築業界で使われる用語で、天井から吊り下げられているワイヤーや吊りボルトなどと併せて使用されます。

振れ止め金具は、天井から吊り下げられて使用する振れ止め以外にも用いられるものがあります。例えば配管を壁面などに固定するU字ボルトや、断面がL字形状をしているアングル材を組み合わせて作られるスチールラックのコーナー部分で部材同士を固定する金具も、振れ止め金具と呼ばれる資材です。

振れ止め金具の形状や使われる部位は様々ですが、多くはねじで固定される部品です。振れを止めるという外力が作用することが前提の部品のため強度も必要であり、ほとんどが鉄鋼材料で作られています。

振れ止め金具の使用用途

振れ止め金具は主に建築物で、天井から吊り下げられた機器や配管類の横揺れを抑制するために使用されます。鉄骨や鉄筋コンクリート造の大型施設の天井を見ると、様々な配管や照明などが天井から吊り下げられているのを見かけることがあります。振れ止め金具はこのような天井から吊り下げられた部材が横揺れを防止するために用いられる資材です。斜め方向にワイヤーや吊り金具と呼ばれる鉄製の棒材の両端におねじが切られた部材などを固定するために用いられます。

天井から吊り下げられたもの以外には、まず壁に沿って垂直に配置された配管を壁に固定するものがあります。さらにアングル材を組み合わせて作られるスチールラックのコーナー部分で、複数の部材の位置関係がブレないように固定するための部材も、振れ止め金具に分類される資材です。

振れ止め金具の種類

振れ止め金具は用いられる部位や振れ止めの対象となる部材によって、様々な形状をしており、適した製品を選ばなければなりません。

天井から空調機器や配管の振れを止めるために用いられる振れ止め金具では、主に振れを止めるための吊りボルトの設置の仕方によって用いられる振れ止め金具が異なります。

例えば四角形上の空調機器を天井から吊り下げた場合、隣の頂点と交差するように吊りボルトを配置する場合、4つの頂点の外側にそれぞれ平行に触れ止めの吊りボルトを配置する場合、4つの頂点から放射状に吊りボルトを配置する場合などがあります。振れ止め金具は吊りボルトと天井との固定に使われますが、天井面と吊りボルトとの角度がそれぞれ異なるため、両者の固定に適した振れ止め金具を選ぶことが必要です。

天井から吊り下げられた空調機器や配管以外の振れ止め金具は、配管を壁面に固定するU時金具、アングル材を組み合わせて作られるスチールラックなどに用いられる振れ止め金具があります。

振れ止め金具のその他情報

振れ止め金具の表面処理

振れ止め金具は主に建物の内部で用いられますが、天井や壁面の内部など、室内よりも過酷な条件で用いられる部材です。湿気が多い場所で使われることもあるため、メッキや塗装が施されたり、ステンレス材で作られています。

メッキは電気亜鉛メッキ、溶融亜鉛メッキ、ユニクロメッキなどが用いられています。振れ止め金具は日頃は点検しにくい場所に用いられるのが一般的です。使用される環境に適した製品を選ぶことが重要です。

振れ軽減機能付き防振吊り金具

振れ止め金具の中には、振れを積極的に吸収する防振機能を加えた製品もあります。振れ止め金具と吊りボルトを直接固定せずに、両者の間にゴム製のダンパーの役割を果たす部材を挟んだものです。機械の稼働によって細かな振動が常に発生する場合、機械振動を伝えたくない場合には効果が期待できる金具です。

 

本記事は振れ止め金具を製造・販売する株式会社アルティマ様に監修を頂きました。

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