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シクロオクタンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、シクロオクタンのメーカー6社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。
図1. シクロオクタンの基本情報
シクロオクタン (Cyclooctane) とは、有機化合物の一種で、飽和8員環構造を取るシクロアルカン (脂環式化合物) です。
分子式は C8H16、CAS登録番号は292-64-8です。分子量112.21、融点12-14℃、沸点150℃であり、常温では無色から褐色の透明の液体となっています。
樟脳のような臭気があります (ただし、樟脳の成分であるカンファーとは分子構造は全く異なります) 。エタノールやアセトンに溶けますが、水にはほとんど溶けません。水への溶解度は7.90 mg/Lです。密度は0.836g/mL (20℃) 、引火点は30℃です。
シクロオクタンの主な使用用途は、溶媒や試薬です。合成中間体としても有用であり、例えばプラスチック、繊維、接着剤、コーティングを製造する中間体としても使用されます。
また、学術的には飽和8員環化合物の代表として、その立体配座は計算化学の手法を用いて広く研究されてきました。
図2. ニトロベンゼンと過酸化物を用いたシクロオクタンのアミノ化の例
シクロオクタンの化学反応には、飽和炭化水素の典型的な反応である燃焼反応やフリーラジカルハロゲン化反応があります。例えば、過酸化ジクミルのような過酸化物とニトロベンゼンを用いることでシクロオクタンのアミノ化が可能です。
通常の保管方法では安定ですが、保管においては、高温、直射日光、熱、炎、火花、静電気を避ける必要があります。また、強酸化剤との混触も厳禁です。有害な分解生成物としては、一酸化炭素、二酸化炭素が挙げられます。
シクロオクタンは主に研究開発用の試薬製品として販売されています。容量の種類には25mL , 500mLなどがあります。室温での取り扱いが可能な試薬ですが、引火点が低く、消防法での規制を受ける化合物であるため、法令を遵守した取り扱いが必要です。
また、全ての水素原子が重水素で置換されたシクロオクタンd-16も試薬製品として販売されています。こちらはNMR分析用の重溶媒として用いられる物質です。重水素の数が多いため高価であり、他の溶媒が使用できない場合など特殊な場合に用いられています。
シクロオクタンの合成はシクロオクタジエンを水素化して、飽和炭化水素にする方法で可能です。まず中間体である1,5-シクロオクタジエンなどの化合物が、ビス (シクロオクタジエン) ニッケルのようなニッケル (0) 錯体を触媒としたブタジエンの2量化で合成されます。
このシクロオクタジエンを接触還元などによって水素化することにより、シクロオクタンは合成されます。
図3. シクロオクタンの立体配座
シクロオクタンは似かよったエネルギーの立体配座が幾つも存在し、その立体化学は非常に複雑なシクロアルカンです。配座には、舟-いす形、かんむり形、おけ形、舟-舟形、ねじれ舟-いす形、ねじれいす-いす形があります。尚、最安定配座は舟-いす形であることが報告されています。
シクロオクタンは引火点が30℃と低く、引火性の高い液体及び蒸気です。消防法では、「危険物第四類 第二石油類 危険等級Ⅲ」に指定されています。また、労働安全衛生法においては、危険物・引火性の物との指定を受ける化合物です。
火災予防としては、防爆型の電気機器・換気装置・照明機器を使用すること、 火花の出ない道具を使用すること、静電放電の予防措置を講ずることなどが必要です。また、本物質を取り扱う場合は、保護手袋、保護衣、保護眼鏡、保護面などの保護具を着用することが必要です。
もし皮膚に付着した場合は、ただちに汚染された衣類を全て脱いで皮膚を流水で洗う必要があります。また、飲み込んで気道に侵入すると生命に危険の恐れがあり、大変危険です。
参考文献
https://amasawahakusyo.com/electronics/soldering-method/
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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