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ジニトロベンゼンについての概要、用途、原理などをご説明します。また、ジニトロベンゼンのメーカー5社一覧や企業ランキングも掲載しておりますので是非ご覧ください。ジニトロベンゼン関連企業の2024年10月注目ランキングは1位:東京化成工業株式会社、2位:富士フイルム和光純薬株式会社となっています。
ジニトロベンゼン (英: Dinitrobenzene) とは、白色〜淡黄色の針状または板状結晶の芳香族ニトロ化合物です。
化学式はC6H4N2O4で表され、分子量は168.11です。ジニトロベンゼンは、ニトロ基の置換位置により3種類の位置異性体があります。
1、2置換体をo (オルト) -ジニトロベンゼンまたは1,2-ジニトロベンゼン、1、3置換体をm (メタ) -ジニトロベンゼンまたは1,3-ジニトロベンゼン、1、4置換体をp (パラ) -ジニトロベンゼンまたは1,4-ジニトロベンゼンと言います。
ここでは、もっとも一般的な異性体であるm-ジニトロベンについて主に説明します。
工業的に容易に合成できるm-ジニトロベンゼンは、染料中間体として用いられてきました。m-ジニトロベンゼンを硫化ナトリウムなどで部分還元することで、m-ニトロアニリンが鉄-塩酸で還元することで、m-フェニレンジアミンが得られます。
上記の方法で得られるm-フェニレンジアミンは、アゾ系の塩基性染料や媒染染料、直接染料、酸性染料の中間体として用いられています。また、m-ジニトロベンゼンから合成されるm-フェニレンジアミンは、イオン交換樹脂の原料や現像液などの写真製品、アラミド繊維やスパンデックスの原料としても使用されています。
m-ジニトロベンゼンは、性機能検査の呈色試薬としても使用されます。血液中のテストステロンが代謝されて生成されるのが17−ケトステロイドです。
尿と共に排出される17−ケトステロイドを、m−ジニトロベンゼンに接触させると赤色に呈色します。17-ケトステロイドの検出値は、男性のアンドロゲン分泌量を知る指標となります。
CAS登録番号は528-29-0です。融点は118 °C、沸点は318 °Cで、常温で固体です。ベンゼンやクロロホルムに溶け、水にはほとんど溶けません。
CAS登録番号は99-65-0です。融点は89.6 °C、沸点は297 °Cで、常温で固体です。アセトンやエタノール、酢酸エチル、クロロホルムに非常に溶けやすく、エーテルに溶け、水にはほとんど溶けません。
CAS登録番号は100-25-4です。融点は174 °C、沸点は299 °Cで、常温で固体です。p-ジニトロベンゼンは、3種類の一異性体の中で最も対称性が高いため、最も高い融点を有します。アセトンやベンゼン、酢酸エチル、クロロホルムに溶け、水にはほとんど溶けません。
m-ジニトロベンゼンは、硝酸と硫酸の混合酸でベンゼンをニトロ化し、合成された中間体であるニトロベンゼンを同条件にてさらにニトロ化することで得られます。
m-ジニトロベンゼンは、以下の国内法令に指定されています。
取り扱う場合の対策
ジニトロベンゼンは、強酸化剤、強塩基および還元性の金属 (スズ、亜鉛) と激しく反応し、火災や爆発の危険を生じます。上記の混触危険物質との接触は避けてください。局所排気装置であるドラフトチャンバー内で使用してください。使用の際は、個人用保護具を着用します。
なお、ジニトロベンゼンは可燃性です。粉末や顆粒状で空気と混合すると、粉塵爆発の可能性があるとともに、加熱により空気がなくても爆発することがあります。高温や直射日光、衝撃、熱、炎、火花、静電気、スパークには近づけないようにしてください。
火災の場合
燃焼すると、有毒なガスや窒素酸化物などを生成します。消火には水噴霧や泡消火剤、粉末消火剤、炭酸ガス、消化砂などを使用します。棒状注水は行わないでください。
皮膚に付着した場合
接触するとアレルギー性皮膚反応を起こす恐れがあるので、皮膚に付着しないよう注意してください。使用時は、必ず白衣や作業着などの保護衣や保護手袋を着用します。保護衣の袖は決して捲らず、皮膚が暴露しないようにしてください。
万が一皮膚に付着した場合は、石けんと大量の水で洗い流します。衣類に付着した場合は、汚染された衣類をすべて脱いで隔離します。皮膚刺激又は発しんが生じた場合や症状が続く場合は、医師の診療を受けてください。
眼に入った場合
眼に対し強い刺激性があります。使用時は必ず保護メガネまたはゴーグルを着用してください。
万が一眼に入った場合は、水で数分間注意深く洗います。コンタクトを着用している場合で簡単に外せるときは外し、しっかり洗浄します。直ちに、医師の診察を受けてください。
保管する場合
保管する際は、遮光性のポリエチレン製容器に入れて密閉します。直射日光を避け、換気がよく、なるべく涼しい場所に施錠して保管してください。
参考文献
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/99-65-0.html
https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/1_3-Dinitrobenzene
*一部商社などの取扱い企業なども含みます。
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