歩行分析アプリ

監修:名古屋理研電具株式会社

歩行分析アプリとは

歩行分析アプリとは、スマートフォンで歩行の具合を数値化するソフトウェアです。

従来の歩行解析は、赤外線カメラや床に埋め込んだ圧力センサなど高価な設備を必要としました。それに対して歩行分析アプリは、手持ちのスマートフォンに内蔵された加速度センサやカメラ映像を、AIと組み合わせる技術です。短い歩行動画やポケットに入れた端末揺れだけで歩幅・歩行速度などを推定することができます。

取得したデータはクラウド上の解析エンジンを利用し、数分ほどで可視化できます。一般ユーザーも客観的な歩行情報を確認することが可能です。近年の研究では、歩行分析アプリが医療用センサとほぼ同等の信頼性を示す報告があり、在宅リハビリテーションの補助指標などとして活用が進んでいます。

歩行分析アプリの使用用途

歩行分析アプリは以下のような用途で使用されます。

1. 医療・介護

リハビリテーションでの経過観察に使用されることが多いです。術後や脳卒中後の患者が決められた距離を歩く様子を毎週記録し、歩行速度の回復曲線や左右の荷重バランスを自動でまとめます。これにより、理学療法士や作業療法士が訓練内容を調整しやすくなります。客観的な数値を患者自身が確認できるため、モチベーション維持にもつながります。

2. スポーツ

スポーツやフィットネス分野でフォーム改善をサポートします。走る姿を撮影すると、走るフォームだけでなく、骨盤の傾きや膝関節の屈曲角度を自動計測します。これにより、過度に負荷がかかる状態や、左右で非対称となる事象を警告します。言語指示だけでは伝わりにくい動きのクセを的確に修正することが可能です。

3. 一般用途

日常生活での健康管理に応用できます。自宅の廊下で短い歩行を撮影するだけで、歩幅のばらつきなどの指標を測定することが可能です。ウェアラブルセンサを併用すれば、歩数や心拍とも連携することが可能です。スマートフォンひとつで計測から解析まで完結するため、繰り返し手軽に検査できる点も大きな利点です。

本記事は歩行分析アプリを製造・販売する名古屋理研電具株式会社様に監修を頂きました。

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FM放送送信機

FM放送送信機とは

FM放送送信機とは、音声信号をFM方式で電波として放射して離れた場所へ届ける機器です。

FM方式では、搬送する信号波の周波数を微妙に変化させて音声や音楽を伝送します。略称として使われるFMは音声の変調方法の一種であり、AM方式より雑音に強く、クリアな音質が得られる点が特徴です。FM放送送信機はマイクやオーディオ機器から取り込んだ音を内部で変調し、所定の周波数帯域に合わせて増幅したうえでアンテナに送り出します。

音質の安定性に加えて、受信側がシンプルな構造のラジオ機器でも受信しやすい面も利点です。FM放送送信機は放送局や地域のコミュニティ局などで幅広く用いられ、利用目的に応じて出力やサイズを選定します。正しいライセンスの下で運用することで、質の高い音声放送を効果的に届けることが可能です。

FM放送送信機の使用用途

FM放送送信機は以下のような用途で使用されます。

1. 地域放送

地域情報を市民に届けるための小規模なコミュニティ局や、イベント会場での一時的な告知放送に利用されます。独自の周波数帯を使い、小さなエリアでもクリアな音質で情報を伝えられます。災害が発生した際には避難所などに設置し、住民同士の混乱を防ぐ取り組みに役立つ点も特徴です。

2. 案内放送

施設内や敷地内に限られた範囲でFM電波を飛ばし、来場者に案内を提供する場合があります。例えば、観光名所の歴史を複数言語で音声ガイドし、受信者が手持ちのラジオやスマートフォンで聴取できるように運用するケースです。分かりやすい説明を受けることができ、滞在時間を充実させる効果が期待できます。

3. 独自プログラム

独自の音楽番組やトーク番組を制作し、限られたエリアに配信するケースもあります。試験的に音響調整を行ったり、新しい番組形式を検証する目的で活用される場面もあります。FM放送送信機を使う実験放送は、放送技術の知見を深めるだけでなく、将来的な応用を試す上でも貴重な機会になることがあります。

基板リワーク

監修:アート電子株式会社

基板リワークとは

基板リワークとは、一度完成した電子基板に対して行う、部品の付け直しや交換などの作業を提供するサービスです。

たとえば、間違った部品が取り付けられていたり、はんだがうまくついていなかったりした場合、そのままでは基板が正常に動作しません。問題のある部分を修正して使える状態にするのがリワークです。最近の電子製品は小型化・高性能化が進んでおり、基板の中に使われている部品も非常に細かく、複雑になっています。そのため、基板リワークには専門の機器や技術が必要です。

リワークを行うことで、基板を無駄にせず再利用できるため、材料コストの削減や納期の短縮にもつながります。また、開発中の製品で仕様が変わったときにも、基板の作り直しをせずに対応できるなど、多くの場面で役立つ重要な工程です。

基板リワークの使用用途

基板リワークは、主に以下のような場面で使用されます。

1. 製造時の不良修正

基板の製造中に検出された部品の実装ミスやはんだ不良に対して、リワークは重要な対処手段です。製造工程や出荷前の検査で不具合が発見された場合、該当部品を一度取り外し、再実装することで基板を再利用できます。これにより、全体の不良率を下げ、生産コストを抑えることが可能です。

2. 設計変更への対応

開発中あるいは試作段階の製品では、回路や部品構成に変更が生じることがあります。基板をすべて作り直すのではなく、既存の基板をリワークすることで、設計変更に迅速に対応できます。

3. 部品供給の変更や代替品対応

半導体不足や部品の生産中止などにより、予定していた部品が使えなくなることがあります。このような場合、同一機能を持つ代替品を使ってリワークを行うことで、基板の再利用が可能となります。企業のサプライチェーン維持やコスト管理の観点でも有効な手段です。

4. 品質保証やリコール対応

市場に出荷された製品に不具合が見つかった場合でも、リワークを活用することで基板の修理や改修が可能です。たとえば、特定ロットの部品に不具合があった場合、対象基板のみ部品交換を行い、再検査して再出荷することができます。

本記事は基板リワークを提供するアート電子株式会社様に監修を頂きました。

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放熱基板

監修:アート電子株式会社

放熱基板

放熱基板とは、電子機器や半導体素子などから発生する熱を効率よく外部へ逃がすために設計された特殊な基板です。

電子機器が高性能・小型化するにつれ、基板上に実装される部品の密度は年々高くなっており、発熱も増加しています。この熱を適切に処理できない場合、部品の寿命が短くなったり、誤動作を起こす原因になったりします。そこで放熱対策として登場したのが放熱基板です。

放熱基板は、通常のプリント配線板に比べて、熱伝導性に優れた材料が使用されており、金属基板、セラミック基板などが挙げられます。金属基板はアルミニウムなどの表面に絶縁層を設け、その上に銅による配線を付与したものです。アルミニウム以外にも銅や様々な合金が用いられています。

放熱基板の使用用途

放熱基板は、高発熱が課題となる電子機器で数多く使用されています。

1. LED照明機器

LEDは省エネルギーで長寿命という特徴がありますが、高輝度化に伴い大量の熱を発します。特に高出力LEDを用いた照明機器では、発熱によって発光効率や寿命が低下するリスクが避けられません。放熱基板を使用することで、LEDチップから発生した熱を基板を通して効果的に外部へ逃がし、性能と耐久性を確保します。

2. パワーエレクトロニクス (インバーター・コンバーター)

パワーエレクトロニクス分野では、電力を制御・変換するために高電圧・高電流を扱う回路が必要です。インバーターやDC-DCコンバーターに使われるIGBTやMOSFETなどのパワー半導体は発熱量が大きく、放熱対策が不可欠です。放熱基板はこれらの素子の下に配置され、熱を吸収・分散させて、機器の安定稼働と安全性を確保します。車載用電装品にも広く利用されています。

3. 通信機器 (基地局・アンテナ装置)

5Gや高速通信に対応した基地局装置では、大量のデータ処理とともにCPUや高周波増幅器などが発熱します。これらの装置が屋外や狭小な筐体内で使用されることも多いため、信頼性の高い熱管理が不可欠です。放熱基板により、回路素子からの熱を効率的に逃がし、過熱による通信トラブルや寿命短縮を防ぎます。セラミック基板など、高周波特性と熱伝導性を兼ね備えた材料が用いられます。

本記事は放熱基板を製造・販売するアート電子株式会社様に監修を頂きました。

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絶対に触らないでください(日本会社ニュース)

テレビCMを大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良・滋賀の関西エリアでも5月14日より放映開始します

 

5月14日より大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良・滋賀の関西エリアでもテレビCMの放映を開始します。

 

■ テレビCM開始の背景

これまで東海エリア、関東エリアを中心にテレビCMを展開し、製造業の集積地である地域において多くの反響をいただきました。今回、より広範なユーザーへの認知拡大を目指し、関西エリアへの放映地域を拡大することになりました。

放映するテレビCMでは、「産業用製品を探すなら」というキャッチフレーズとともに、50万製品以上登録、掲載企業数8万社、日本最大級の利用者数を誇るメトリーの特徴を全面に出し、メトリーの実用性と利便性を伝えています。

テレビCMを通じて、製品選定に悩む方々に対して「まずはメトリーで検索する」という新たな選択肢を提示し、さらなるユーザー層への認知拡大を図っていきます。

 

■ テレビCMの概要
・タイトル:産業用製品検索サービス「メトリー」CM 50万製品から探せます!篇
・放映開始日・地域:2025年5月14日より関西エリア(大阪・京都・兵庫・和歌山・奈良・滋賀)で放送開始

 

■ 概要詳細
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000032842.html

 

■ 東海エリアでのテレビCM開始のニュース詳細
https://metoree.com/company/news/370643/

■ 関東エリアでのテレビCM開始のニュース詳細
https://metoree.com/company/news/371360/

自動運転AI

自動運転AIとは

自動運転AIとは、車両が安全に進むための判断を担う高度なAIシステムです。

カメラやLiDARといった光学センサーまたはレーダーなどから取得した環境データを認識します。次に、ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習モデルが、集めたデータをもとに車両や歩行者の動きを予測します。ここで扱われるディープラーニングは、多層の数値計算を通じて画像や点群の特徴を抽出し、刻々と変化する交通状況を把握する技術です。

予測された周囲の動きと道路形状を踏まえ、最適な速度や進路をリアルタイムで算出します。この計算結果はECUに送られ、アクセルやブレーキを細やかに制御します。また、センサー故障などが起きても車両を減速・停止させ、乗員と周囲の安全を守る機能を備えることが多いです。これらが一体となり、滑らかで信頼性の高い自律走行を実現します。

自動運転AIの使用用途

自動運転AIは以下のような用途で使用されます。

1. 一般乗用車

一般乗用車では、渋滞時の低速追従や高速道路での車線維持を自動運転AIで実施可能です。運転手は監視役に回るだけでよく、長距離移動でも疲労が大きく軽減されます。視線検知カメラで居眠りを検知し、自動的に警告や減速を行う仕組みも組み込まれることがあります。この機能により、乗用車の利便性を底上げすることができます。

2. 特殊車両

建設や農業分野では、重機やトラクターに自動運転AIを組み込み、決められた走行ルートを高い精度で繰り返します。GPSと地形マップを併用し、人手不足の作業現場でも安定した品質を確保しながら効率を向上させます。これにより、作業員の負担を軽減し、省人化や省力化に貢献します。

3. 物流

中型トラックや小型配送ロボットに採用される自動運転AIは、倉庫から顧客の玄関先までの走行を自律的にこなします。障害物回避や歩行者検知を行い、安全な経路を選択することが可能です。これにより、物品配送の省人化と時間短縮を実現します。

耐火キャビネット

耐火キャビネットとは

耐火キャビネットとは、大切な物品を火災から守る役割を担う収納庫です。

火災が発生した際に内部温度を一定以下に保つよう設計されており、主に耐火材を使用した頑丈な構造が特徴です。外部の高温を遮断し、書類や電子機器などを熱から保護します。さらに、気密構造を採用することで、煙や水の浸入を抑制する効果も期待できます。火災時に内部の温度上昇や煙の侵入が抑えられるため、貴重な情報資産を安全に保管することが可能です。

一定時間火炎にさらしても、内部を安全な温度に保てるかを試験されることが多いです。日本工業規格などの規格に適合している製品が多く、第三者機関による厳格な試験を受けることで品質が担保されます。高温下での変形や断熱性能の低下も確認されるため、安全性を総合的に判断する指標になります。

耐火キャビネットの使用用途

耐火キャビネットは以下のような用途で使用されます。

1. 行政機関

行政機関などで扱われる重要書類の保管に活用されます。具体的には契約書や登記関連の書類及び機密情報を含むファイルなどを火災から守る目的で設置することが多いです。一定の耐火時間が保証されているため、万一のときにも文書やデータを失わずに済む可能性が高まります。内部に専用の仕切りや棚が備えられているため、書類の分類がしやすい点も利点です。

2. 医療機関・研究所

医療機関や研究所では、患者情報や研究データを保護するために使用されます。紙媒体のカルテだけでなく、電子記録を保存したハードディスクやUSBメモリなども耐火キャビネットに収容することで、万が一の火災から守ることが可能です。個人情報や研究成果を取り扱う場合、耐火キャビネットの安全性が特に重視される傾向があります。

3. 個人

個人事業においては、火災保険の適用範囲を考慮しながら重要書類や貴重品を保管する手段として利用されることがあります。特に契約書や証書類など、再発行が難しい書類を対象に耐火キャビネットの導入を検討します。さらに、USBメモリなどに保存された個人情報も火災のリスクから守れる製品もあります。

冷間圧造

冷間圧造とは

冷間圧造とは、金属を常温またはそれに近い温度で塑性変形により成形する加工サービスです。

冷間圧造では、パンチとダイスと呼ばれる金型を用いて成形します。ふくらまし (据え込み) 、強制絞り、開放絞り、後方押出し、トリミング、打ち抜き (ピアス) などの工程を組み合わせて、製品や粗形材の形状に仕上げていきます。

冷間圧造の最大の利点は、材料の無駄が少ないことです。切削加工と異なり、素材を塑性変形させて形を作るため、切りくずがほとんど発生しません。また、塑性変形によって金属の内部組織が締まり、強度が向上するのもメリットの一つです。高速で大量生産が可能で、寸法精度の高い製品を繰り返し安定して生産できます。

冷間鍛造と類似していますが、圧造は水平方向に圧力をかけるもの、鍛造は上下方向の力で成形するものと大別できます。

冷間圧造の使用用途

冷間圧造は、その特性を活かして、さまざまな工業分野で使用されています。

1. 自動車業界

自動車業界では多くの部品が冷間圧造で製造されています。エンジン、トランスミッション、足回りなどの構成部品には、強度が要求されるボルトやピン、スリーブなどが数多くあり、それらの多くが冷間圧造で作られています。またボルトのねじ形状は、冷間圧造された粗形材に対して、主に転造によって成形されます。

2. 建築業界

建築や土木分野でも、アンカーボルトや締結金具など、強度と耐久性が求められる金属部品が多く、冷間圧造技術によって生産されています。さらに、電子機器や家電製品の内部に使われる微細な金属部品 (小ネジや端子など) にも冷間圧造が用いられています。特に近年では、製品の小型化・軽量化に伴い、精密かつ高強度な小型部品の需要が増加しており、冷間圧造の重要性がますます高まっています。

3. 家電製品

家電製品に使用される部品の製造も、冷間圧造の使用用途の一つです。製造量が多く高強度が求められる部品については、冷間圧造が選ばれることがあります。

防炎シート

監修:株式会社フクヨシ

防炎シートとは

防炎シートとは、火がついても燃え広がりにくい特性を持ったシートです。
防炎シートは、一般的に工事現場や建設現場で目隠しや安全対策として使用されています。

防炎シートは、火がつくと燃焼はするものの、非防炎のシートと比較して燃え広がる速度が著しく遅いという特性があります。これにより、延焼拡大を効果的に防止します。さらに、自己消火性も備えており、火元がシートから離れれば自然と火が消えるため、火災発生時の初期段階での鎮火や、避難時間の確保に大きく貢献します。
防炎シートには、その防炎性能を示す「防炎表示 (防炎ラベル) 」が必ず付いています。この表示がなければ、消防法により防炎物品として販売することはできません。この防炎表示は、消防庁長官によって「登録表示者」として登録された業者のみが貼付を許可されています。

防炎シートの使用用途

防炎シートは、さまざまな分野で利用されています。

1. 建設現場

代表的な用途として挙げられるのが建設現場です。工事中の建物を覆う仮囲いや足場の覆いとして使用され、溶接作業や火気使用作業の際に飛び火による火災を防ぎます。一部規制対象外もありますが、工事中の建築物で使用する工事用シートは、火災発生時に延焼を防ぎ、安全な避難を確保する為、消防法で定められた防炎性能基準を満たした防炎物品 (防炎シート) の使用が義務づけられています。

2. イベント会場・公共施設

不特定多数の人が出入りする展示場での工事用シートは防炎物品である防炎シートの使用が義務づけられています。このような場所では目隠しや仕切り、床養生としても活躍しています。また、イベント会場は行う場所や内容により防炎物品を使用しなくても良い場合がありますが、火災等の可能性がある場合は安全対策として防炎シートを使用することがあります。

3. 工場・倉庫

様々な機械や電気設備のある工場や倉庫は火災のリスクが高くなります。防炎シートはこのような環境において、火災予防、安全対策の為に広く活用されています。例えば、風雨対策の間仕切りカーテンや空間の仕切り、機械や設備のカバー、メンテナンス時の床養生など、様々な用途で使用されています。危険物等を扱う工場や倉庫の場合は、不燃シートを指定される場合がありますので、最寄りの消防署へご確認下さい。

本記事は防炎シートを製造・販売する株式会社フクヨシ様に監修を頂きました。

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金属塗料

金属塗料とは

金属塗料とは、金属素材の保護や装飾性の付加のために用いられる塗料です。

塗装を施さない無垢の金属材の中には、空気中の酸素によって錆を生じ、腐食しやすくなる素材が多くあります。そのため、金属塗料を用いて表面に塗膜を形成し、表面を保護することが必要です。

金属塗料には下塗り塗料と上塗り塗料とがあります。一般的に、下塗り塗料は金属表面を錆から保護し、上塗り塗料との密着性を高める役割を持ちます。一方、上塗り塗料は艶、光沢、色などを付加して装飾性を高めると共に、耐候性、耐摩耗性や耐衝撃性、導電性向上などの機能を付加する役割を持つ塗料です。塗料の成分には様々なものがありますが、保護する対象の金属素材に合わせて適切なものを選択することが重要です。

金属塗料の使用用途

金属塗料は、下記に挙げるような大規模な業務用金属製品の他にも、家電製品、装飾用フレーム、ゴルフクラブ、釣具、医療機器など、あらゆる一般的な金属塗料に利用されています。

1. 建造物・構造物

金属塗料は、一般的なビル・住宅などの建物の他、大小を問わずあらゆる金属製の建造物・構造物に利用されています。具体的な例には、道路の標識柱、グレーチング、ガードレール、照明柱、電車や高速道路の遮音壁、橋梁、欄干、遊園地の遊戯施設、立体駐車場などがあります。

これらの建造物は、屋外の過酷な環境に曝されていることが多いため、強力な錆止め効果と表面の保護が必要です。適切な金属塗料を塗装することにより、長期間の使用に耐える耐久性を保つことができます。

2. 車両・航空機

金属塗料は、耐久性向上に優れた効果を発揮するため、航空機、自動車、バイク、船舶、重機、電車、新幹線など、業務用車両から旅客輸送用車両まで、様々な車両に利用されています。

外観となるボディ部分の耐久性・意匠性を高めているだけでなく、様々な部品にも金属塗料が塗布されています。例えば、エンジンルームの部品など、高温になる部分には耐熱塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、車両の部品を保護し、寿命を延ばすことが可能です。

3. 産業用機器

金属塗料は、配管や工場設備、及び、計測器や工業用機器、映像機器などの業務用機器にも使用されています。

産業用機器・設備は、高温・化学薬品の使用など、過酷な環境下での動作が想定されるため、金属部材の腐食や劣化を防止するために塗装が不可欠です。とりわけ、耐熱性、耐薬品性、耐摩耗性など、機能性を付加した金属塗料が利用されます。金属塗料を適切に利用することで、動作中の摩擦や衝撃による損傷を防いで機器寿命を延ばすことが可能です。