バキュームピック

バキュームピックとはバキュームピック

バキュームピックとは、真空状態を利用して対象物をピックアップするためのツールです。

バキュームピンセットとも呼ばれ、機能や用途はほぼ同じです。吸着部のパッドのサイズやノズルの口径、曲がりの有無といった異なるパーツが数種類同梱されております。このため、吸着したい対象物の平坦面の広さや形状に応じて、最適な組み合わせで使用が可能です。

パッドはシリコーンゴムなどの絶縁体素材で作られているため、静電気を避けたい作業に適しています。

バキュームピックの使用用途

バキュームピックは、指でつまむのが難しい場合や通常のピンセットでは掴めない部品をピックアップするのに使用されます。

カメラ、望遠鏡、顕微鏡などのレンズ、傷つきやすいレンズやガラス製品にも傷を付けることなく、組み立て、分解、メンテナンスを行うことが可能です。球体や複雑な形状のパーツにも有効で、精密機器の製造や組み立ての他、プラモデルの部品、クリアパーツ、ビーズなどにも使用されます。

IC (集積回路) や電子部品のチップやパーツにも適しており、吸着部にはシリコーンゴムなどの絶縁性のある素材が使用されているため、静電気が心配な物にも安心して使用できます。電池などのピンセットではつまみにくいものや、薄いシールや箔の吸着にも適しています。

バキュームピックの原理

バキュームピックは内部に空気室が設けられており、空気室は指先で圧縮可能です。空気室を圧縮した状態でピックの先端を対象物に押し当て、放すと空気室が真空状態になり、対象物が吸着します。

空気孔を指で押さえたり放したりして吸着や取り外しを行うものや、グリップを握ることで操作できるものもあります。特に後者は、手袋をしたままでも使用でき、ピックを持つ手の角度による作業性の影響を受けにくいのが特徴です。また、注射器のような形状で、ノックによってばねの力を利用して真空状態を作り出す製品もあります。

これは小型で安価なため、持ち運びが便利ですが、ロック機構がないため、吸着させたままでの保持には向かないものの、その分非常に軽量で取り回しの良さが特徴です。さらに、手動で真空状態を作るタイプ以外に、電源を利用してエアーを使用するバキュームピックもあります。

こちらは電源に接続し、スイッチ一つで使用できるため操作が簡単で、機構がシンプルなため動作音も少ないです。電源を使用するため持ち運びには不便ですが、その分吸着力が強いのが特徴です。

バキュームピックの選び方

バキュームピックを選ぶ際には、使用する目的や環境に合わせて機種を選定することが重要です。まず、使用する対象物の種類を考えましょう。

精密機器の組立やメンテナンス、または小型電子部品の取り扱いなど、対象物が小さく繊細な場合は、微細な操作が可能な高精度のモデルが適しています。一方で、比較的大きな物体を扱う場合は、吸着力が強く、持続性のあるモデルが必要です。

次に、バキュームピックの種類では手動式と電動式の二種類が一般的です。手動式は、手で空気室を圧縮して真空状態を作り出すタイプで、コンパクトで簡単に扱えるため、持ち運びが必要な場面や短時間の使用に適しています。電動式は、電源を接続して使用するタイプで、連続的な作業や強い吸着力が求められる場合に最適です。

また、電動式は手動式よりも作業効率が良く、長時間の使用にも疲れにくいという利点があります。

バキュームピックのノズルやパッドの選定も重要です。吸着する物体のサイズや形状に適したノズルやパッドを選ぶことで、安定した吸着が可能となります。細かい部品を扱う場合は、小さくて細いノズルが、広い面積を持つ物を扱う場合は、より大きなパッドが適しています。

環境への適応性も考慮する必要があります。静電気が問題となる作業環境では、静電気防止機能が付いたモデルを選ぶべきです。また、清潔さが求められる環境では、材質が清潔に保ちやすく、薬品や汚れに強い材質を選ぶことが望ましいです。

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