シリンジ充填機とは
図1. シリンジ充填機 (充填部) のイメージ
シリンジ充填機とは、各種シリンジへの材料充填を行う装置の総称です。
シリンジ充填機を使用することによって手間のかかる作業を効率化・高品質化することができます。充填前に材料と流路の気泡を除去することで純度の高い充填が可能なため、下記のような局面において幅広い業種で使用されています。
- コンタミや泡の再混入を避けたい材料の充填
- 中~高粘度の液剤や材料の充填
- チクソ性 (攪拌の有無で粘度が大きく変化する性質) の高い材料の充填
- 均一に分散した材料の充填
- 生産現場でのリアルタイムな充填
シリンジ充填機の使用用途
シリンジ充填機の具体的な使用事例は下記の通りです。
1. 歯科材料
歯科ではコンポレットレジン、シリコーン印象材、接着用レジンセメント、コンポジット用ボンディング材など、高粘度材料や紫外線硬化型材料、二液性材料などが扱われています。シリンジ充填機は、このような素材をシリンジに充填するためにシリンジ充填機が使用されています。シリンジ充填機を用いることにより効率的な重点が可能です。また、コンタミ予防にも繋がります。
2. 電子部品材料
電子部品製造では、シリンジ詰めされた材料を用いて定量供給を行います。シリンジ充填機でシリンジへ充填される主な材料には、銀ペースト、クリームハンダ絶縁材料、導電性材料、高粘度ガラスペーストなどです。粘度が高い材料やグリスなどのチクソ性の高い材料などが扱われます。
シリンジ充填機の原理
シリンジ充填機には、手動式と自動式のものがありますが、多くのものは基本的に、内容物の入った容器の上部にシリンジの先端を下向きにセットし、下側から内容物を加圧して充填する下方充填式です。
1. 手動式
図2. 手動式シリンジ充填機のイメージ
手動式では、ハンドルを回してシリンジ部分を下に押し下げるものや、液剤入りの缶を直接シリンジの下部加圧容器にセットして充填するもの、ボタンを一回押すと内容物の入った容器が0.5mm程度押し上げられて充填される仕組みなどがあります。ボタン式のものは空圧を油圧に変換して使用するエアハイドロ式などの機構です。
2. 自動式
図3. 自動式シリンジ充填機のイメージ
自動式のシリンジ充填機も、手動式と同様に下方加圧充填式の製品が多いです。サーボモータ/二リアスケール制御などの制御機構が搭載されています。一部の自動式のシリンジ充填機では、容積移送式の上方充填方式が採用されています。
シリンジ充填機の特徴
シリンジ充填機の主な特徴は下記の通りです。
- 気泡や不純物のコンタミを防げる
- 充填量は再現性が高いため過剰・過少になることがなく、液剤の無駄が省ける
- 充填時の液だれを防げる
- シリンジ容量は3ml~180ml程度と幅広い
- 構造がシンプルなものが多く、使用後の洗浄や手入れが簡単
- 充填に必要な消耗品が少ない
シリンジ充填機の種類
シリンジ充填機は、製品によって充填可能なシリンジの大きさ (容量) が異なります。一般的に、手動式のほうが小型のシリンジに対応しています。また、用途や材料に応じて、下記のように様々な種類の製品があります。用途に合わせて適切なものを選択することが必要です。
- 同時に複数本のシリンジに充填が可能な製品
- シール性の高いプランジャに対応した真空ポンプ搭載の製品
- 充填制御、真空圧制御などを全て自動化した製品
- 二液性の材料をツインシリンジに別々に充填する装置
- 高粘度になればなるほど充填時間がかかるため、材料を加温して粘度を下げ、充填時間を短縮するオプション装置
参考文献
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https://www.thinkymixer.com/ja-jp/products/arc-40h/
https://www.san-ei-tech.co.jp/products/dis_syringe_system.html
http://www.hohsen.co.jp/jp/products/category.php?bg_id=7
http://e-fineflow.com/filling-machine/
http://e-fineflow.com/use/