ウレタン注入とは
ウレタン注入とは、液状ウレタン樹脂を構造物の内部などへ注入し補修や補強を行う施工サービスです。
主に二液反応型のポリウレタン樹脂を使用し、注入後に化学反応を起こして発泡または非発泡の状態で硬化します。これにより、空隙の充填やひび割れの閉塞・地盤の補強などを行うことができます。金型を用いて成形品を製作するウレタン成形とは異なり、既存の構造物や地盤に対して現場で直接、施工する点が大きな特長です。
ウレタン注入は、施工する箇所の状況に応じて材料の粘度や発泡の倍率を調整でき、目視が難しい内部や狭小部にも対応が可能です。解体や大規模な掘削を最小限に抑えながら施工できるため、補修や改修を目的とした工事において有効な工法として採用されています。
ウレタン注入の用途
ウレタン注入は、主に以下のような用途で利用されています。
1. コンクリート構造物のひび割れ補修・止水
建物や土木構造物に発生したひび割れ部分へウレタン樹脂を注入し、水の浸入を防ぐ目的で使用されます。硬化後はひび割れ内部を充填し、止水性や耐久性の向上に寄与します。
2. 地盤の空隙充填・沈下の対策
地盤中に生じた空洞や緩みのある箇所へ注入し、空隙を充填することで支持力を回復させる用途に用いられます。床下や舗装下の沈下対策としても活用されています。
3. 床や基礎下のレベル修正
発泡性ウレタンの膨張力を利用し、沈下した床や基礎を持ち上げて水平を調整する用途に対応します。短期間で施工が可能なため、使用を停止する期間を抑えられる点が特長です。
4. 配管・構造物の周辺の隙間への充填
配管の貫通部や構造物の周辺の隙間に注入し、水や空気の侵入を防止する目的で使用されます。防水性や気密性の確保に貢献します。
5. 既存の構造物への補修・延命の対策
老朽化した建物や設備に対し、解体を行わずに内部の補修を行う手法として利用されます。構造物の機能を回復することや耐久性の向上を目的とした改修の工事に適しています。