スパイラルパイプとは
スパイラルパイプとは、帯鋼をらせん状に捲きながら帯鋼の両端をハゼ折りにかしめて製造したスパイラル鋼管です。
スパイラルダクトとも呼ばれ、プレスや深絞りなどの製法を用いているものもあります。かしめ部分は帯鋼が重なり合っており強度が高く、そのかしめ部分がパイプの外周をらせん状に走ることでパイプ全体の強度を高めています。
スパイラルパイプは建築設備工事において空調用ダクトとして多く用いられています。パイプの内面がなめらかなため圧力損失が非常に少なく、取付施工や管の接続も簡単です。材質はさまざまで、溶融亜鉛めっき鋼板、ステンレス、ガルバリウム鋼板、塩ビ鋼板などがあります。
スパイラルパイプの使用用途
スパイラルパイプは空調用ダクトとして幅広い場所で活用されています。
1. 工場等
- 石油化学工場・パルプ製造プラント工場の排気用
- 半導体製造工場の排気用
- 海浜地帯の工場の排気用
- 薬品やガスを使用する工場の排気用
- 実験用動物舎・実験用クリーンルームの排気用
2. 産業用・公共の建物等
- 病院の手術室の空調用ダクト
- 工場や店舗の煙道・プラントの保温配管
- オフィスビル・店舗ビルのダクト
- トンネル内の送排気管
- 産業用建物の集塵用ダクト
- 下水・し尿処理場の換気用
3. 住宅等
- 住宅用煙突
- 給湯器のボイラー
- 集合住宅の厨房・浴室トイレの換気ダクト、冷暖房用ダクト
スパイラルパイプのその他情報
スパイラルパイプの特徴
スパイラルパイプには次のような特徴があります。
1. 強度が高い
ハゼ折りにかしめて製造されているためダクト全体が補強されており、高速ダクト、集塵ダクト、排煙ダクトといった用途にも耐えうる強度があります。
2. 摩擦損失・漏れが小さい
スパイラルパイプは強度が高いことから送風の際の変形が少なく真円性が高いです。内面がなめらかなため空気抵抗が極めて小さく、摩擦損失が少なく抑えられます。また、かしめ部分がらせん状に走っているため、角ダクトなどに比べ漏れ量が小さいという特徴があり、ダクト周りの保温工事費削減も期待できます。
3. 施工や接続作業が簡単
スパイラルパイプの接続や天井等への吊込みといった施工作業が容易なことも大きなメリットです。
材質によって程度は異なりますが、耐触性、耐熱性、耐薬品性、耐候性に優れています。もちろん材質によって価格に違いがあるため、用途に応じた材質の選択が必要です。
参考文献
http://www.kurimoto.co.jp/download/data/j03/catalog_spiralduct.pdf