超音波計測器

超音波計測器とは

超音波計測器

超音波測定器とは、超音波 (人間の耳に聞こえない高い振動数をもつ音波) を気体・液体・固体の対象物に伝え、反射・吸収などの特性を利用して対象物のさまざまな状態を測定する機器です。

音波には反射・速度・減衰などの特性があります。媒質 (音波伝達の媒介をする物質) の材質・濃度・流量など影響で、音波の反射・速度・減衰などの特性が変化します。この音波の特性が変化することを測定することにより、媒質の特性を調査可能です。

超音波計測器の使用用途

超音波計測器の使用用途

図1. 超音波計測器の使用用途

超音波測定器で調査する対象を物質の三態で分類すると、固体・液体・気体・混合状態に分けられます。

1. 個体
固体の例は、金属の厚みの測定です。超音波を金属内に照射し、反射して戻るまでの時間を計測すれば、金属の厚みが分かります。

2. 液体
液体の例は、魚群探知機です。超音波を海中に照射し、魚群・海底で反射して戻るまでの時間を計測すれば、魚群の大きさや位置、海底までの距離が分かります。

3. 気体
気体の例は、ガスの流速計です。気体中の音波がガスの流速の影響で変化することを利用して、ガスの流速を測定します。

4. 混合状態
混合状態の例は、超音波画像診断装置です。超音波はX線画像やCT画像と異なり放射線の被曝がないので、胎児の様子を見る目的に利用されます。

超音波計測器の原理

波の特性とパラメーター

図2. 波の特性とパラメーター

1. 超音波のパラメーター

一般に「波」には波長・振幅・振動数・速度・周期というパラメーターがあります。

正弦波は、次式で示すことができます。

y = Asin (2π / T) (xt / v)

ここで、yは縦軸の位置、Aは振幅、Tは周期、xは横軸の位置、tは時間、vは速度です。振動数fと波長λは、それぞれ以下のように示すことができます。

f = 1 / T

λ = Tv

これらのパラメーターは音波についても当てはまります。音波の場合、同一の音波でも媒質が異なると上記のパラメーターが変化します。

2. 超音波による計測

超音波による計測は、媒質ごとに超音波の特性が変化することを利用します。

たとえば音速の関係は気体 < 液体 < 固体です。同じ固体でも物質により音速は異なります。このような特性を利用することで以下のような計測が可能です。

1. 個体
同じ条件の固体中の音速は一定と見なせますので、音速と固体中に照射した音波が反射して戻るまでの時間がわかれば、固体の厚みが測定可能です。

2. 液体
海中の条件をほぼ一定と見なせば、照射された超音波が魚群で反射して戻るまでの時間から、魚群の位置を推定できます。

3. 気体
媒質が移動している場合、

(媒質中の音速) = (本来の音速) + (媒質の速度)

という関係が成り立ちます。このことを利用すれば、媒質中の音速を測定することにより、媒質の速度を測定可能です。

4. 混合状態
音の減衰には減衰係数・距離・周波数が関係しており、減衰係数は媒質によって異なります。この関係を利用して、減衰係数を計測することにより媒質の状態を推定することが可能です。

超音波計測器のその他情報

1. 超音波厚さ計測器

超音波厚さ計は、測定物の片面にトランスデューサー (探触子) を当てることにより測定物の厚さを測定する計測器です。

トランスデューサーから発信される超音波は接触媒質を通り、測定物を通過するとともに測定物の反対面において反射してトランスデューサーへと戻ります。物質内を通解する超音波には固有の音速値があります。超音波厚さ計は、この物質固有の音速値と、超音波が発信されその後反射して戻ってくるまでの時間とに基づいて測定物の厚さを計測します。

測定物としては、金属、ガラスやプラスチックなど様々な材質のものが適用されます。さらに測定物としては、平らなものから湾曲状までさまざまな形状のものが適用されます。

2. 超音波計測器の使い方

超音波厚さ計の使い方

図3. 超音波厚さ計の使い方

超音波厚さ計の使用方法としては、以下の測定方法が知られています。

1. 1回測定法
1回測定法は、測定物に探触子 (トランスデューサー) を接触させて厚さを測定する方法です。測定物の腐食や減肉が軽度の場合に適しています。

2. 2回測定法
2回測定法は、トランスデューサーを90度回転させて1回測定法を2度行う測定方法です。2回の測定のうち小さい値を測定値として採用するもので、1回測定法よりも測定精度が高まります。

3. 多点測定法
多点測定法は、測定点を中心とする円の内側を複数回測定する方法です。複数回中最も小さい値を測定値として採用するもので、局部腐食が進行している箇所の測定に適しています。

4. 精密測定法
精密測定法は、測定物における腐食の発生がある程度進んでいると予想される箇所について、腐食による肉厚の減少量の分布状況を測定する方法です。

5. 連続測定法
連続測定法は、厚さの変化を確認するために行う測定方法であり、測定物の断面厚さの変化に基づき裏面の状態を推測することができます。厚さの変化は、一定間隔で1回測定法にて測定するか、連続的にスキャンすることで確認します。 管材の場合には、外観上は異常が無くても内側から減肉が進行している場合があります。

6. その他の測定方法
管材の厚さ測定には、ニ振動子探触子が使用され、1回測定法若しくは2回測定法が用いられます。なお測定時には、トランスデューサーの接触方向が重要となります。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpa/11/1/11_KJ00004292192/_pdf/-char/ja
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshpreview/14/3/14_3_218/_pdf/-char/ja
https://www.dakotajapan.com/mpseries/point.html
https://www.dakotajapan.com/mpseries/point/measurement.html

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