精密ニッパーとは
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精密ニッパー (英: Micro nippers) とは、配線や針金をきれいに切断できるニッパーの1種です。
マイクロニッパーとも呼びます。精密機器や電子工作などの細かな作業に適しており、薄い刃を持ち、小型で軽量であるため、すき間が少ない場合に使用されます。
中には、繊細な作業に特化したプラモデル専用ニッパーなどもあります。
精密ニッパーの使用用途
精密ニッパーは、精密なエレクトロニクス関連や通信機器関連の作業に適しており、細かいものをカットをする時などに使用されます。
使用例は以下の通りです。
- 細い配線や基板の組み立て時のリード切断
- ジャンパーワイヤーやテフロン被覆ワイヤーの切断
- プラスチック模型やラジコンの製作時の、プラ部品ランナー切り離しやバリ取り
- タイラップの後処理
- 家庭でのDIYや3Dプリンター出力品のサポート材切断
- アクセサリー製作
限られたスペースの中で、細かいものをカットする時に使用されます。
精密ニッパーの原理
精密ニッパーは、支点を介して刃の部分とグリップの部分が交差する構造になっています。ハサミやペンチなどと同様、てこの原理を利用することで、大きなせん断力を作る仕組みです。
精密ニッパーの原理は、シーソーと同じで、支点 (回転軸) から離れたグリップ (力点) に力を加えることで、支点に近い刃 (作用点) に大きなせん断力が働き、金属線などの丈夫な素材を切断することが可能になります。精密ニッパーはハサミなどと比べ、支点から刃までの距離が近いため、コンパクトな形状でも、より大きな力を作ることができます。
精密ニッパーの構造
精密ニッパーは、一般的に刃先・グリップ・スプリング (戻しバネ) の3つで構成され、刃は主に「両刃構造」と「片刃構造」に分けることができます。
両刃構造は左右どちらにも切刃がついているため、中心に切断痕ができます。刃の角度が大きいほど痕が目立ちます。 片刃構造は切れないまな板と切断刃がついており、端に切断痕ができます。刃が薄く欠けやすいため、取り扱いに注意が必要です。
精密ニッパーの選び方
精密ニッパーは、サイズや刃の形状などによる特徴や違いを理解し、目的に合ったものを選ぶ必要があります。
1. サイズ
精密ニッパのサイズは100〜200mm程度まであり、サイズにより特徴が異なります。小型の精密ニッパーは、小さな部品や細い配線を切断するのに適しています。
大型の精密ニッパーは、切断能力が大きい分狭い箇所に刃が入らない場合があるため、精密な作業には向きません。精密ニッパーのサイズは、切断能力や作業性に大きな影響を与えるので、作業目的や予算に応じ、適切なサイズを選ぶことが重要です。
2. 刃の形状
ニッパーには「ストレート刃」と「ラウンド刃」の2つの刃の形状があります。ストレート刃は、曲線状の部品を切断するのには不向きですが、直線的な部品を正確に切断することができます。
また、刃先がまっすぐであるため、作業スペースが限られている場合にも、切断する部品に近づけることができます。ラウンド刃は、刃先が丸くなっているため、部品の形状に合わせてスムーズに切り進めることができます。
また、刃先が細いため、繊細な部品を簡単に切断することができます。切断した後に生じる切り残しも少なく、切断面も滑らかで綺麗に仕上がります。作業する内容により、「ストレート刃」と「ラウンド刃」を使い分けることで、作業効率がアップし、綺麗に仕上げることができます。
3. バネの有無
ニッパーにはバネ付きとバネなしの製品があります。バネがつけられているものは、刃が自然に開くようについているため、作業後開き戻す手間がかからないため便利です。ただし、収納する際に、スペースをとるというデメリットがあります。
4. グリップの種類
手に合わないグリップを使用すると、作業能率が下がるだけでなく、力を入れすぎてケガをしてしまうことがあります。グリップにも長さや形、素材などさまざまな種類があるため、自分にあったグリップを選ぶことが大切です。