喰い切り

喰い切りとは

喰い切り

喰い切り (End nipper) は配線や針金をきれいに切断できるニッパーの一種です。刃がハンドルに対して直角になっていて釘の頭を切れるタイプのニッパーです。喰い切りニッパー、エンドニッパーとも呼ばれます。
喰い切りは奥まった箇所での切断に最適なニッパーで、釘の頭や鉄線、ステンレス線、真鍮線、銅線など金属線を切断し、切断面を平面に作り出すために使用されます。喰い切りの先端部の刃渡りの長さや形、刃部の硬度、切断能力、本体とグリップ部分の材質、ばねの有無、大きさなど多様なスペックのものがあります。

喰い切りの使用用途

1. 配線や針金の切断

喰い切りは配線や針金をきれいに切断できます。刃がハンドルに対して直角になっており、釘の頭を切れるタイプのニッパーであるため、金属線を切断して切断面を平面に作り出せます。

2. 突起物切断

試作品などで突起物をきれいに切り落とすのに喰い切りを使用できます。

3. 密集した箇所・奥まった箇所での切断

喰い切りは刃渡りが短くて切断面を平面にできるため、密集した箇所や奥まった箇所でも切断できます。

4. 電子部品やリード線の切断

喰い切りは細かい部品や線を切断するのに適しています。特に電子部品やリード線の切断に用いられます。

5. アルミ板の切り欠き

アルミ板などの薄い板状の材料に対して、喰い切りを使用して切り欠きを作れます。

6. ハリガネの切断、締付

喰い切りはハリガネの切断や締め付けにも使用できます。

9. 壁面に突起している釘などの切断

壁面に突起している釘などを切断するのにも喰い切りを使用できます。

10. ステンレス鋼線の切断

喰い切りは特殊合金鋼を使用しているため、ステンレス鋼線などの硬い素材を切断できます。

11. ワイヤーをねじる作業

喰い切りは、細い金属線をねじるのにも使用できます。

12. その他

チェーンを切ったり、バネホックやカシメ、ハトメを外したり、ファスナーの長さを調整するのにも使えます。

喰い切りの構造

1. 刃先の構造

喰い切りの刃は持ち手に対して垂直で、刃先はくさび型になっています。持ち手に力を入れて刃を閉じたとき、二つの刃がお互いがぶつかってすぐに潰れない構造です。

2. ガタ防止の構造

喰い切りの刃は、一般的なニッパーと異なり、左右合わせた二枚合わせの構造ではなく、三枚合わせ構造になっています。このため本体を挟み込むような形状となっており、長期間使い込んでもガタが生じないメリットがあります。

喰い切りの原理

喰い切りによる切断の原理は以下の通りです。

1. 切断対象を固定する

二本の持ち手を軽く握って、刃先で切断する対象物を挟みます。

2. 「てこ (梃子) の原理」の応用

次に二本の持ち手を握る力を増加させて、口の部分に挟んだものを切断します。その際「てこの原理」により,持ち手を握る力よりも口の部分で挟む力の方が大きくなることを利用します。

喰い切りは、刃先を素材に対して垂直にあてがうことで、素材を切断します。刃先を素材に押し付けながら切り進めることで、素材をきれいに切断できることが利点です。また刃先がくさび形状になっていて素材の一部を切り落とせるため、奥まった箇所での切断できる便利な工具です。

喰い切りの特徴

長所

(長期間使い込んでもガタが生じない構造)
喰い切りは三枚合わせ構造の刃を持ち、本体を挟み込む構造になっています。そのため左右合わせた二枚合わせ構造の一般的なニッパーと比べて、長期間使用しても切断精度が保たれ、ガタが生じにくいメリットがあります。

(突起物の切断に最適な刃形状)
喰い切りの刃は、刃がハンドルと直角に交わる形状であり、くさび形状の刃先を持っています。この形状により釘の頭や金属線の突起部分を効果的に切断できます。

(切れ味がよく切断できる)
喰い切りの刃には特殊合金鋼を使用し、高周波焼入れによる硬化処理が施されているため、非常に切れ味がよく、針金や金属線を綺麗に切断できます。

(美しく正確な切断ができる)
喰い切りの刃が突起物を垂直に切り取るため、切断面が平面的になります。そのため正確で美しい切断面を作り出せます。

(容易に切断できる)
喰い切りの刃には高硬度な特殊合金鋼が使用されており、切断能力が非常に高いため、硬い金属線や釘の頭なども容易に切断できます。また刃部には高周波焼入れ処理が施されているため、耐久性にも優れています。

短所

(丸いものや細いものの切断には不適)
喰い切りの刃先がくさび形状であるため、丸いものや細いものを切断する際には、刃先が入りにくい場合があります。

(細かい作業には向かない)
喰い切りは刃先が太く、力強く切断できるため、大型の針金や金属線を切断する際には適していますが、刃先が太いため、細かい作業には向いていません。

(柔らかいものを傷つける可能性がある)
喰い切りは特に金属製品の切断に威力を発揮しますが、刃先が頑丈すぎるため、柔らかい素材の切断には向かない場合があります。特にプラスチック製品などの場合、刃先が切断箇所以外の部分を傷つける可能性があるため注意が必要です。

喰い切りのその他情報

喰い切りは、用途に応じた適切なサイズや形状・材質のものを選ぶことが重要です。

一般的に切断する素材の硬度や厚さに合わせて、刃渡りの長さや形状を選びます。またグリップ部分の材質や形状も重要で、握りやすさや滑り止め効果を考慮して選ぶことが大切です。

喰い切りには、ばね付きとばねなしのタイプがありますが、ばね付きの方が切断後に自動的に開くため、作業効率が良くなります。さらに、刃の硬度にも注意が必要で、硬度が高いほど耐久性が増し、切れ味がよくなりますが、同時に刃研ぎが難しくなる場合があります。

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