輝度計

輝度計とは

輝度計とは、人が感じる明るさの単位である輝度を測定するための計測装置です。

光源や光源から反射した光が出ている物体などの輝度を測定する装置で、照明器具やディスプレイの開発や検査に主に使用されます。測定には、フォトダイオードと呼ばれる光の強さに応じて電気信号を発信する素子を用います。

色別に測定することが可能な輝度計があり、光の三原色をそれぞれ分光し、それらを個別で測定することでそれぞれの色の輝度を測定します。

輝度計の使用用途

輝度計は光源の出力の大きさの測定や、ディスプレイの開発や検査、輝度を用いて非接触で測定を行う装置などで利用されます。人が感じる明るさの照明などにおいて、輝度を定量的に評価することで、安定的な測定の基準を設定することが可能です。

輝度計の選定の際には、測定精度、色彩などの出力に対応しているかどうか、付属のレンズのピントが合わせられるかなどを考慮する必要があります。

輝度計の原理

1. 光の検出

輝度計は、レンズ、結像面、絞り、補正フィルタ、検出素子で構成されています。測定時は、測定対象の光がレンズを通して輝度計の内部の結像面に描写されます。その結像から測定部の光のみを絞りによって取り出します。

その光を補正フィルタによって、実際に人が感じる明るさの範囲に補正し、フォトダイオードが内蔵されている検出素子を用いることで輝度の測定が可能です。絞りと補正フィルタの間に回折格子を設置し、絞りから出た光に対して、光の三原色ごとに光を分光します。その分光の光を検出素子でそれぞれ測定することで、検出が可能です。

2. ピント調整

測定には対物レンズを使用しています。その焦点距離が不適切で測定対象の光源に対してピントがずれている場合、センサによって測定する範囲が広くなり、光源の輝度が正しく測定できない恐れがあります。

そのため、輝度計の使用時には、一度設定したピントの位置をずらさない様に、測定対象の光源と輝度計の距離を一定に保つほか、ピント調整装置を付属で取り入れることが重要です。 

輝度計のその他情報

1. 目盛校正

輝度計の校正には輝度むらが無く、余弦法則に従う配光を持つ拡散反射板もしくは拡散透過板を使用します。光源に使用するのは分布温度2856 Kの光度標準電球が一般的です。

拡散面上の照度をE、拡散面の反射率をρ、反射の配光が余弦法則に従う場合の反射面の輝度L (cd/m2) は次の式で表されます。

   L = ρE / π

どの方向に輝度計を設置しても、反射面内に測定視野角を収めることができれば校正できます。標準電球の光度I (cd) と電球と反射面との距離S (m) から算出できるEとρで計算されたLから輝度計の出力を校正可能です。

反射率の測定も容易ではないため、良好に作成した反射面を持ちて計算した輝度は、およそ±3〜5%程度の正確さと考えるのが妥当と言えます。

2. 測定前に確認すること

輝度を測定する前には次の事項の確認が必要です。まず、輝度計が正しく校正されているか、また輝度計が目的に応じ測定する視角が十分適合しているかも点検します。

次に必要なのは、照明施設の電源が規定電圧に調整されていることや照明器具の設置、配線が適正であることの確認です。測定視野、測定器の位置と測定点の関係を透視図を描いて調査します。

3. 測定時の注意点

輝度測定時は次の事項への注意が必要です。光源は測定開始前に少なくとも電球で5分間、放電灯で30分間の点灯が必要です。また、電源電圧はなるべく光源近くで測定を実施します。

輝度系は安定に必要な時間の露光 (約5分間) が存在するため、測定前に十分な露光が必要です。感度切り替えの輝度計では、0〜1/4範囲の目盛読み取りは可能な限り実施しないよう注意します。

参考文献
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1980/67/1/67_1_15/_pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jieij1917/53/4/53_4_160/_pdf
https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color_part2/vol07.html

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