平行チャックとは
平行チャックとは、主にワークの搬送用として使用される平行開閉式のチャックのことをいいます。
ワークをチャック中心で把持するという点では、マシニングセンタやCNC旋盤などの工作機械で使用される三つ爪スクロールチャックと似た機能を持ちますが、平行チャックは基本的に二つ爪構造で、よりコンパクトな構造が特徴です。
フィンガ部にはワーク形状に合わせたハンド爪を取り付けることができるため、汎用性の高いチャックといえます。
平行チャックの使用用途
ここでは、平行チャックの使用用途について解説していきます。
平行チャックは、軽量でコンパクトな特徴を持つことから、ワークの搬送機に多く利用されています。
例えば、工作機械と連結してワークを供給するローダー機などでもよく使用されます。軽量なので、最大重量の制限が厳しい高速ローダーにも対応可能です。
把持できるワークの形状は、フィンガのストロークや取り付けるハンド爪などによっても異なりますが、基本的には円筒形のシャフト材が適しています。
平行チャックの原理
ここでは、平行チャックの原理について解説していきます。
一般的に、平行チャックはエアコンプレッサから供給される圧縮空気を用いてチャックの開閉を行います。
平行チャック内部にはエアシリンダが内蔵されており、エアシリンダは駆動ローラを介してフィンガと機械的に繋がっています。エア供給ポートからエアが供給されるとエアシリンダのピストンが押され、駆動ローラがフィンガを押し閉じる構造になっています。エア供給ポートが1つのものを「単動式」といいます。
一方で、中には複数のエア供給ポートを持つものもあり、これを「複動式」といいます。複動式の場合は、使用するエア供給ポートによって把持力を弱めることもできます。
エアチャック仕様なので、油圧や手動式のチャックと比較すると、繰り返し精度は高い傾向にあります(±0.01mm程度)。しかし、エアチャックであるうえにコンパクトな構造であることから、重量のあるワークを把持することは困難です。
参考文献
https://www.pisco.co.jp/dl/pdf/NPAC1-01.pdf
http://ca01.smcworld.com/catalog/ja/rotary_airchuck/MHZ_2/6-3-p0381-0463-mhz/data/6-3-p0381-0463-mhz.pdf