プラテンローラーとは
プラテンローラーとは、サーマルヘッドを使用した印刷を行うプリンターやコピー機などの印刷機において、紙送りとサーマルヘッドへの圧着を担う部品として使用されるローラーです。
一般的に、金属製の芯金の周りに樹脂が成形されています。このプラテンローラーが汚れていると、紙が詰まったり、2枚同時に紙を引き込んでしまったりなど、紙送りの不具合が発生します。また、印刷不良などの不具合も発生するため、定期的な清掃が必要です。
プラテンローラーの使用用途
プラテンローラーは、サーマルヘッドを使用した熱による印刷機構を持つ印刷機の紙送り、またはサーマルヘッドへの圧着を担う部品として使用されています。一般的な家庭で使用するようなプリンターからオフィスなどで使用される大型の複合機まで、サーマルヘッドを使用した印刷機には欠かせない部品です。
身近な例としては、レシートを印刷する印刷機などが挙げられます。一方で、インクジェット方式のようなサーマルヘッドを使用しない印刷機にはプラテンローラーは搭載されていません。
プラテンローラーの原理
印刷物を紙に印字する方式には、感熱方式と熱転写方式があります。プラテンローラーは、これらの熱を利用したプリント方式で使用される装置です。
いずれの方式でも、紙を押し付ける役割と送り出す役割を担っています。耐久性やコストを考慮し、目的に応じた方式の選択が必要です。
1. 感熱方式
感熱方式では、感熱紙と呼ばれる熱に反応して印字ができる紙を使用します。プラテンローラーが感熱紙をサーマルヘッドと呼ばれるヒーターの並んだデバイスに押し付けることで、感熱紙に所望の内容を印字することが可能です。
リボンを使用せず、感熱紙のみで印刷可能な点がメリットとして挙げられます。一方で、感熱紙は普通紙とは異なり、熱への耐久性は低い点がデメリットです。
2. 熱転写方式
熱転写方式では、転写紙と呼ばれる紙とリボンと呼ばれるインクを転写紙に移すものをプラテンローラーに送り込みます。プラテンローラーは、転写紙とリボンが重なった状態でサーマルヘッドに押し付けます。
加熱されたリボンが転写紙にインクを染み出させることで、印字が行われる仕組みです。熱転写方式は熱への耐久性が感熱方式よりも高くなっています。
プラテンローラーの構造
プラテンローラーは、一般的に棒状の金属製の芯金の周りに樹脂が成形された構造です。周りに成形されるものがゴム素材のものがほとんどですが、中には使用用途に合わせて様々な樹脂を使用したものも存在します。
ゴム素材が多い理由は、プラテンローラーの以下の2つの機能に起因します。
- 紙を搬送する
- 紙をサーマルヘッドに押し付ける
上記の機能を満たすには、紙の搬送には適度な摩擦力が必要になるとともに、印刷に使用するサーマルヘッドへの圧着を均一な力分布で行う必要があるため、ゴム素材を使うことが多いです。
プラテンローラーのその他情報
プラテンローラーのメンテナンス
紙の搬送などの上記機能を担う部品であることから、プラテンローラーは定期的なメンテナンスが重要です。ゴミの付着やローラーの劣化などにより、「摩擦力が低下し、紙送りが正常にできなくなる」「紙を2枚重ねて搬送してしまう」などのトラブルが発生することがあります。
基本的に、プラテンローラーを使用した印刷機の取扱説明書には、メンテナンスが必要となる印刷枚数の目安などが記載されています。この目安をきちんと確認し、定期的にアルコールを少量含ませた布でローラーの汚れやゴミをふき取るなどのメンテナンスを行うことが、印刷品質の継続に不可欠です。
参考文献
https://www.mars-tohken.co.jp/tech-info/trend/detail/flags-170-label_printer_maintenance.html