マイクロバブルノズルとは
マイクロバブルノズルとは、水と気体を混合させてμm単位の極小の気泡を発生させる装置です。
一般的な気泡は水面に向かって急速に浮上し、表面で破裂して消滅します。一方でマイクロバブルノズルによって生成された気泡は直径が小さいため、水中での浮上速度が遅い点が特徴です。洗浄に使用すれば、複雑な形状の部品や微細な隙間に入り込んで汚れを掻き出します。また、水中生物などのために水に空気を含ませたい場合にも有用です。
マイクロバブルノズルの内部構造には、旋回流方式や加圧溶解方式など、いくつかの発生原理が存在します。多くの製品では水流の圧力を利用してキャビテーションを起こしたり、空気を取り込んでせん断したりすることで、効率的に微細な気泡を作り出します。
マイクロバブルノズルの使用用途
マイクロバブルノズルは以下のような用途で使用します。
1. 製造業
製造業の現場では、機械部品や電子基板の洗浄工程でマイクロバブルノズルを使用します。金属加工時に付着した切削油や微細なバリなどを除去する際、マイクロバブルノズルを用いることで、有機溶剤や化学薬品の使用量を削減できます。複雑な形状をした配管内部のクリーニングにも適しており、メンテナンスコストの低減が可能です。
2. 農林水産
養殖業においては、酸素を豊富に含んだ水を供給することで魚介類の酸欠を防ぎ、育成速度を早めます。カキやホタテなどの洗浄工程でも、身を傷つけずに汚れや付着生物を落とすために利用します。水耕栽培においては、培養液にマイクロバブルを含ませることで、植物の根張りを良くして収穫量を増加させる取り組みが行われています。
3. 美容・医療介護
シャワーヘッドや浴槽用の給湯機器にも活用します。マイクロバブルを含んだお湯は肌あたりが柔らかく、毛穴の奥の皮脂汚れや古い角質を吸着して除去します。また、入浴時に使用することで、微細な気泡が弾ける際のエネルギーが温熱効果をもたらし、湯冷めしにくくなります。介護施設や病院ではこすり洗いをしなくても汚れが落ちるため、皮膚が弱い患者への配慮にもなります。