小袋充填サービスとは
小袋充填サービスとは、粉末や液体などの内容物を小容量の包装容器へ自動的に封入する受託加工サービスです。
このサービスでは、三方シールやスティック包装といった形態が主に採用され、高い密封性と遮光性を確保しながら、グラム単位の精密な計量が実施されます。エンジニアや研究者にとっての最大の利点は、自社で専用の充填ラインやクリーンルームを保有することなく、試作品や小ロット製品を迅速に市場へ投入できることです。
さらに、窒素充填による酸化防止や、多層フィルムを用いたバリア性の向上など、内容物の化学的特性に合わせた高度な包装技術を柔軟に選択できるため、品質保持期間の延長と安全性の確保も同時に実現できます。
小袋充填サービスの用途
小袋充填サービスの主な用途を以下に示します。
1. 食品・健康食品分野での利用
食品分野では、粉末スープ・調味料・プロテイン・健康補助食品などの個包装に広く活用されています。
特に吸湿しやすい粉末や酸化しやすい油脂を含む製品において、アルミ蒸着フィルムや高バリア性包材を用いた充填技術が品質の維持に寄与します。また、消費者の利便性を高めるスティック包装や三方シールは、携帯性が求められるサプリメントやインスタント飲料での採用が増加しています。こうした製品では、高速充填機による生産効率の向上と正確な計量技術が製品の信頼性を支えています。
2. 化粧品・化学工業分野での利用
化粧品や化学製品では、シャンプー・美容液の試供品 (サシェ) ・一回使い切りの接着剤・洗剤・潤滑油などで利用されます。
この分野では、低粘度の液体から高粘度のペーストまで、多様な流動特性を持つ内容物に対応する技術力が求められます。また、内容成分がフィルムを侵食しないよう、耐薬品性に優れたシーラント層を持つ包材選定と確実なヒートシール技術が組み合わされています。そのため、揮発性の高い溶剤を含む工業用薬品の封入にも応用されています。
3. 医薬品・医療分野での応用
医薬品分野においては、顆粒剤や散剤・医療用検査試薬・医療用ゲルの充填に用いられます。
この分野では、薬機法に基づく厳格な製造管理基準 (GMP) に準拠した環境下での作業に加え、微量な有効成分を均一に封入する高精度な充填技術が求められます。さらに、コンタミネーションや異物混入を確実に防ぐクリーンな充填プロセスと全数検査体制は、患者の安全と製品の有効性を担保する上で不可欠です。