油圧ダンパー

油圧ダンパーとは

油圧ダンパー

油圧ダンパーとは、油圧によって振動や衝撃を吸収する装置です。

一般的に車両や建築構造物などで使用されます。ショックアブソーバとも呼ばれることがあります。油圧ダンパーは油圧の制御を通じて柔軟な調整が可能です。ダンパーの油の流量や圧力を変化させることで、振動や衝撃の制御特性を調整できます。

これにより、さまざまな状況や要求に対応することが可能です。一般的に耐久性が高く、長期間にわたって安定したパフォーマンスを提供します。適切なメンテナンスが行われれば長い寿命な装置です。

ただし、油圧ダンパーには、それぞれの商品に一定の使用範囲や制約があります。推奨される最大負荷や最大圧力を超えないように注意が必要です。過度の負荷や使用範囲外の条件下での使用は、ダンパーの故障や効果の低下を引き起こす可能性があります。

油圧ダンパーの使用用途

油圧ダンパーは、さまざまな使用用途で広く利用されています。以下は代表的な使用用途一例です。

1. 自動車

自動車のサスペンションには、油圧ダンパーが使用されることも多いです。車体の振動や衝撃を吸収し、乗り心地を向上させる役割を果たします。さまざまな路面状況に対応して、適切なダンピング力に調整することが可能です。

2. 制振装置

建築構造物や橋などの制振装置として使用されることも多いです。地震や風などの外部からの力を吸収し、構造物の振動を制御し安定性を確保する役割を果たします。これにより、構造物の耐震性や安全性が向上させることが可能です。

3. 工業機械・産業装置

工業機械や産業装置において、振動や衝撃を制御するために使用されることも多いです。コンベアベルトの振動を抑制したり、大型機械動作時の衝撃を吸収したりする目的で活用されます。

油圧ダンパーの原理

油圧ダンパーの基本原理は、流体の乱流抵抗を利用しています。乱流抵抗とは、流体速度に比例して抵抗値が増加する原理です。

油圧ダンパーは、シリンダとピストン、作動油で構成されています。シリンダー内部には作動油が満たされている場合がほとんどです。ピストンロッドに圧力が加わった際に、ロッドがシリンダ内に充填された作動油を押します。

シリンダとピストンの間にはわずかな空間があり、その空隙に作動油が流れ込みます。この作動油の流動が抵抗を生み出し、衝撃を緩衝する原理です。振動・衝撃は作動油の熱エネルギーとして吸収される場合が多いです。

空隙の幅や数を調節することで、油圧ダンパーの緩衝特性を対象物に合わせて変えることが可能です。建築物の免震・制震機構に取り入れる場合は、十分な機能を発揮させるために数量が必要です。

油圧ダンパーの種類

油圧ダンパーには、モノチューブとツインチューブが存在します。

1. モノチューブ

モノチューブ式ダンパーは、内筒と外筒が一本のチューブで構成された油圧ダンパーです。内筒はダンパーシリンダーとして機能し、ピストンが内部に存在します。外筒はピストンロッドを収納し、ダンパーシリンダーを覆う役割を果たします。

内筒内のピストンによりオイルの流れを制御できるため、より高度なダンピング特性を実現することが可能です。応答性と制御精度が向上します。また、外筒がオイルの熱を効果的に放散するため、長時間の運転中においてもダンパーの性能が安定しやすくなります。

高い制御性能と熱放散能力から、スポーツカーや高性能車のサスペンションで使用されることが多いです。

2. ツインチューブ

ツインチューブ式ダンパーは、内筒と外筒の2つのチューブで構成された油圧ダンパーです。内筒は主なダンパー室として機能し、ピストンが内部に存在します。外筒はオイルを収容するリザーバーチューブとして機能します。

ツインチューブ式ダンパーは、モノチューブ式ダンパーよりも製造コストが低い点が特徴です。また、比較的軽量なため、車両の重量を抑えることが可能です。これらの特徴から、大衆車や一般車に広く使用される油圧ダンパーです。

参考文献
https://motor-fan.jp/tech/10009556
https://kotobank.jp/word/%E6%B2%B9%E5%9C%A7%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%91-144523

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