微細加工機

微細加工機とは

微細加工機とは、ミクロン単位の微細精密加工を行う加工機器のことです。

微細加工の対象となる素材は金属に限らず、樹脂やポリマー、無機材料に及び、近年では10nm単位のプログラム制御を可能とする切削加工機などあり、微細化スケールは日々進歩しています。

広義の微細加工機では放電加工機、ワイヤー放電加工機、ジグボーラー、レーザー加工機も含まれ、これら全般の加工機を用いて微細加工を行います。これらの微細加工機を取り扱う上では、室温等の温度管理、オペレータの熟練度も非常に重要です。

微細加工機の使用用途

微細加工技術は近年あらゆる産業分野で必要とされ、幅広い用途に活用されています。

半導体や電子部品業界ではデバイスの微細化に伴い、パッケージ金型の加工や、各種部品、医療機器業界ではバイオチップの様なマイクロ流路を備える部品、微細な電極構造をもつ部品などで必要不可欠な加工技術です。

従来では加工できなかった極微小ピッチの放熱フィンや、穴ピッチがミクロンオーダーの穴加工、サブミクロンオーダーの突起配列構造など、通常のエンドミルなどで加工できない微細構造を実現できます。

微細加工機の原理

広義の微細加工機には複数の加工機を包含しますが、代表的な加工機に微細NC加工機、放電加工機、ワイヤー放電加工機の3種類があり、それぞれ原理が異なります。

1. 微細NC加工機

基本的な構造や原理は従来のNCマシニングセンタと大きく変わりませんが、各軸の駆動方法やクーラントの温度管理、回転数制御など、すべてに於いて高精度な制御が施されています。

各軸の駆動にはリニアモータが用いられ、プログラム上の分解能は0.1nmに及ぶ製品もあります。また往復運動を司るガイド部は油静圧案内が採用され、限りなく小さな摩擦抵抗と運動精度が実現可能です。

加工時に生じる発熱を管理するクーラントについては1/100℃レベルの温度制御が行われ、屋外から伝達する各種振動を遮る為に建屋基礎構造から防振対策を施したり、除震システム上に設置したりします。更に、機器の熱膨張を防ぐ為に恒温室へ設置します。

2. 放電加工機

導電性材料の微細加工の場合には、材料側に陽極を繋ぎ、可動電極に陰極を持った放電加工機で加工します。この直流電流で加工する技術は、切削や研磨では加工ひずみ等の影響を受けやすい素材、形状の際に用いられ、繰り返し加工でより高精度、高い表面粗度を得る事が可能です。

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3. ワイヤー放電加工機

基本的な原理は放電加工機と同じですが、0.05~0.3mm程度の極細ワイヤーに陰極を接続し、ワイヤーと素材間に直流電流を印加する事で素材を切断する事ができます。 加工は導電率が管理された水中で行われ、加工中は常にワイヤーが送り出されます。 非接触で一筆書き状にカットするため、加工応力は一切生じません。切り代はワイヤー太さ+20~30ミクロンで切断することが可能です。

ワイヤー放電加工機について詳しくみる

微細加工機のその他の情報

微細加工機と併用される機械

微細加工機と併用される機械には、高度な精度と安定性が求められます。微細な加工に対応するためには、機械自体の精度が高く、加工条件も適切に設定する必要があります。それぞれの機械の特徴を理解し、最適な機械選定が必要です。
ここでは、微細加工機と併用される代表的な機械についてレーザー加工機、電子ビーム加工機、イオンビーム加工機の3種類を紹介します。

1. レーザー加工機
レーザー加工機は、高エネルギーのレーザー光線を照射することで、素材を切削・加工する機械です。微細加工にも適しており、金属や非金属を問わず様々な素材に対応可能です。また、精度が高く、微細な加工にも対応できます。

2. 電子ビーム加工機
電子ビーム加工機は、高速で加熱した電子ビームを照射することで、素材を切削・加工する機械です。微細な加工にも適しており、高い加工精度が求められる分野で使用されます。

3. イオンビーム加工機
イオンビーム加工機は、イオンビームを照射することで、素材表面の微細な加工や表面改質を行えます。特に、セラミックやガラスなどの硬質素材に対して有効です。

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