オゾン水生成装置

オゾン水生成装置とは

オゾン水生成装置

オゾン水生成装置とは、空気や純水、酸素ガスを原料として水中に低濃度のオゾンを生成させる装置です。

オゾンは酸化力が高く、汚れの除去、雑菌や微生物の除去、さらには半導体用シリコンウェハの洗浄にも使うことができます。原料が安価、金属不純物が入り込みにくい、操作が簡便、立ち上げ後すぐに使用できるなどの理由から医療、食品、飲食、半導体など様々な業界で使用されています。

オゾン水生成装置の使用用途

オゾンは強力な酸化剤であり、汚れの原因である化合物を分解したり、雑菌や微生物を除去したりすることができます。そのためオゾン水生成装置は殺菌、脱臭、ぬめりの除去などを目的として食品、飲食、医療など業界で用いられます。また、オゾン濃度を高めることで有機物の分解のみならず金属の除去や有機膜のエッチングを行うことができるため半導体や液晶、太陽電池などの業界でも用いられます。

なお、オゾン水には金属不純物が含まれないという点も半導体、液晶業界で用いられる理由の一つです。

オゾン水生成のその他の情報

1. オゾン水生成の原理

オゾン (O3) の原料には水や水蒸気、もしくは酸素ガスが用いられます。水を原料として用いる場合は、水に高電圧を印加させて電気分解を起こし、水中に微量のオゾンを生成させます。通常の水の電気分解では酸素と水素が生成しますが、電圧を上げることでオゾンも生成させることができます。

酸素ガスをオゾンの原料とする場合は酸素ガスに高電圧を印加します。高電圧を印加することで酸素分子(O2)は酸素原子(O)に分解し、分解した酸素原子が酸素分子と結合することでオゾンが生成します。

 陽極
 2H2O → O2 + 4H+ + 4e
 3H2O → O3 + 6H+ + 6e

 陰極
 6H+ + 6e → 3H2

2. オゾン水生成装置の特徴

半導体業界で用いられる塩酸アンモニアなどの薬品は高純度であるため、比較的高価です。一方でオゾン水の原料は純水や酸素ガス、空気であるためコストは比較的安めです。また、オゾン濃度を変更したり大量のオゾン水を生成できる装置など、用途に応じた多様な装置が販売されています。

なお、オゾンは比較的不安定な物質であるため長期保管には適さず、使用するたびに装置を稼働させてオゾン水を生成させます。ただし装置を立ち上げてから実際に使用するまでの待機時間は短いため、実際に使用する際には問題になりません。

3. 医療業界におけるオゾン水生成装置の利用

上記の通り、オゾン水生成装置は医療業界でも用いられています。例えばウイルスや細菌の除去に用いられます。通常、ウイルスなどの対策としては薬剤を用いますが、使用期間が長くなるほど、薬剤耐性を有するウイルスが新たに発生する可能性が高まります。一方でオゾンは細菌やウイルスのDNAを直接破壊するため、耐性を持ちにくく、病原体の除去に適しています。

また、装置で生成されるオゾン水に含まれるオゾンの濃度は非常に小さく、使用後は直ちに分解して酸素分子に変換されるため人体への影響はありません。さらに、オゾン水に含まれるのは水、酸素、微量のオゾンだけであるため、種々の薬品が含まれる排水に比べて使用後の排水も容易、低費用で処理することができます。しかも、オゾン水生成装置は操作方法も簡単であるため、専門性が異なる現場の担当者も日常的に使うことが可能です。

参考文献
https://www.sat.co.jp/product/ozonegw/sat-w.php
https://www.mtk-2.com/product-info/ozone_generator.html
https://www.hamanetsu.co.jp/products/clean/how/
https://ozone-plus.com/magazine/nosocomial-infection/
https://www.teco.co.jp/wp/topix/2962

https://www.ozon-uv.com/ozon-water/ow-carrie-pat.htm

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