フィーダとは
フィーダとは、産業用の機械の一種で、主に粉体や微細な機械部品を供給する装置のことです。
ロータリーフィーダ、スクリューフィーダ、振動フィーダ、パーツフィーダなど、様々な種類と呼称があります。ホッパースケールや搬送コンベアなどと組み合わせて供給から整列、排出までをオートメーション化するのに役立ちます。
アンテナの給電線のことをフィーダと呼称する場合もありますが、今回解説するのは供給装置としてのフィーダです。
フィーダの使用用途
1. ロータリーフィーダ・スクリューフィーダ
ロータリーフィーダ、スクリューフィーダの場合は、粉体の供給に使用されます。ホッパースケールなどで、計量された粉体を次の装置へと排出する際に有用です。
2. 振動フィーダ・パーツフィーダ
振動フィーダとパーツフィーダは小さな機械部品を振動によって整列し、排出することができます。バラバラになっている部品の1つ1つを綺麗に整列し、次の工程に送り込むことが可能です。その後の加工やパッケージ作業の効率化につながります。
フィーダの原理
フィーダは容積式と重量式に分類され、流量コントロールの手法がそれぞれ異なります。
1. 容積式
容積式フィーダは、原料を溜めるホッパ部と原料排出を行うフィーダ部の構成です。フィーダ部は主にスクリューフィーダが使用されます。容積式は、設定回転数で一定容積を連続供給する方式です。
粉は空気が含まれる度合いで、見掛比重や流動性の変動が発生します。そのため、ホッパ内の溜め量で粉体圧が変動し、スクリュとその付近に粉が付着することで搬送効率が変化します。回転数が一定であっても実際の排出量は一定で、無くなってしまう点がデメリットです。
2. 重量式
重量式では、組み合わせた計量部で排出重量を常時計量しています。コントローラで設定した流量になるようフィーダ部の回転数をPI制御しており、高精度な連続供給が可能です。
ホッパ内原料の上下限検出や運転実績の記録が可能であり、安心な運転管理が実現されます。
フィーダの種類
1. ロータリーフィーダ
ロータリーフィーダには羽根型のロータリーが内蔵されており、ロータリーの駆動モーターが回転することで粉体を押し出し、排出します。
2. スクリューフィーダ
スクリューフィーダにはホッパー部分の下に粉体を通すためのパイプが設置されており、その中に長い直線状のスクリューが内蔵されていて、それをモーターで駆動させることによって粉体を排出します。
3. 振動フィーダ・パーツフィーダ
振動フィーダとパーツフィーダの場合、ホッパー部に部品を投入すると、ボウルと呼ばれる受け皿の部分へと自動で部品を投入してくれます。ボウルには部品の残量を計るためのセンサーが設置されており、これによってボウル内の部品の不足を感知し、自動で供給を行う仕組みです。
ボウル部の真下には振動体があり、電磁石のON・OFFによって生じる力を板ばねによって増幅し、振動を発生させています。振動によってボウル部にあった部品は整列されてシュート部に送られ、そこから更に次の工程へと排出されます。
フィーダのその他情報
原料テスト
フィーダが扱う粉粒体原料は、様々な物性のものがあります。フィーダ製造メーカでは、実際に使用する粉粒体原料を使用して原料テストを行い、性能実証を行います。原料テストとは、テスト原料の物性を測定するパウダーテストのことです。
パウダーテストの結果と過去の原料テスト実績と比較することで、最適な機種やパーツ (スクリュなど) の選定が可能です。機種・パーツ選定後は、実際にホッパにテスト原料を投入して運転を行うフィードテストを実施します。
フィーダの供給精度が最終製品の品質を大きく左右するため、製造メーカは実際の原料を使用した実証テストを重視しています。
参考文献
https://www.shinwa-gikencorp.co.jp/partsfeeder/
http://www.earthtechnica.co.jp/powder/p65/
https://www.screwfeeder.jp/about/388