バキュームコンベアとは
バキュームコンベア(Vacuum Conveyor)とは、粉状の原材料を空気の圧力・流れのみで輸送(空気輸送)する機械のうち、減圧による真空を利用した装置です。
動力源は真空ポンプから発生した真空であり、これにより原材料を吸引することで輸送管内を輸送します。ブロワーや圧縮ポンプなどを使用する圧送方式の空気輸送とは異なり配管内は大気圧よりも圧力が低い減圧空間であるため、配管が破損した場合でも粉体が飛散しないなどの利点があります。
また、配管を接続するだけで粉状材料を輸送することができるため、輸送経路を自由に設定することが可能です。
バキュームコンベアの使用用途
バキュームコンベアは配管で接続した経路にしたがって粉状材料を輸送する空気輸送装置であり、様々な粉状材料の輸送に使用されています。
具体的な導入実績としては、小麦粉や砂糖などの粉状の原材料や製品を輸送する必要がある食品加工ラインや粉状のプラスチックを原材料とする化学製品ライン、粉状の薬品を使用する医薬品の製造工程などがあります。
配管を接続するだけで粉状材料を輸送することができるためホッパーやタンクから直接次の工程に輸送できる点や、バケット式やベルト式の装置のように粉体を別の容器に移し替える必要がなく粉体が飛散する心配が無い点が大きく評価されています。
バキュームコンベアの原理
バキュームコンベアは動力源としての真空ポンプ、原材料を貯蔵するタンクやホッパーと原材料を送り出すエジェクターや十手管、原材料を輸送する配管、原材料と空気を分離するフィルタから構成されています。
エジェクターや十手管により空気と混合された粉状材料は、空気の流れにしたがって下流にいそうされます。排出口では粉体は重力により下方に排出されますが、空気はフィルタを通過して真空ポンプに吸引されるため粉体のみが排出されます。
フィルタには遠心力で分離するタイプのものやフィルタの内側から圧縮エアを吹き付けることにより詰まりを防止する機能を有したものなどが販売されています。
また、バキュームコンベアには間欠式と連続式の2種類が存在します。
間欠式の製品は原材料の輸送と排出が交互に行われるため、断続的に原材料が輸送されます。この方式は輸送中に排出口が開口していないため、輸送する原材料の量に対してポンプの流量、静圧といった能力を小さく設定することが可能です。
連続式の製品は連続して粉状材料を輸送・排出します。この方式では輸送と排出の工程を分ける必要が無いため、大量の原材料を短時間で輸送することが可能です。
参考文献
https://www.akatake.co.jp/product_b/2015/02/6514/
https://www.jpnext.co.jp/lineup/piab/