ネットワークラック

ネットワークラックとは

ネットワークラックとは、ネットワーク機器とそれに接続するケーブルやパッチパネルを収納するためのラックのことです。

コンピュータネットワークの構築では、サーバーとなるコンピューター (以下、サーバーと略す) と記憶装置の他にルーターやネットワークスイッチのようなネットワーク機器が使用されます。ネットワーク機器には多数のケーブルが接続され、必要に応じてケーブルを整理してメンテナンスをしやすくするためのパッチパネルも使われます。

ネットワークラックはこれらの機器類を整理し、安定且つ安全に維持するための構造を持った専用のラックです。

ネットワークラックの使用用途

ネットワークラックはネットワーク機器を収納し、通信ケーブルを引き回してネットワーク機器に取り付けるために使用します。

コンピュータネットワークでは、サーバーや記憶装置と共にルーターやネットワークスイッチなどのネットワーク機器を使用します。ラックマウント型のサーバーや記憶装置等をを据え付けるためのラックがサーバーラックであり、ネットワーク機器を据え付けるためのラックがネットワークラックです。

ネットワークの規模が大きくなるにつれて使用するケーブルの数が増大します。このケーブルはネットワーク機器に接続されます。一つのネットワーク機器に多数の通信ケーブルが接続され、さらに複数のネットワーク機器が使用されるようになるとケーブルの本数が多くなります。

ネットワークラックを使うと、複数のネットワーク機器を間隔をおいて取り付け、その周囲の空間を使って多数のケーブルを整理された状態で引き回すことができます。

ネットワークラックの原理

ネットワークラックは、サーバーラックと同様に、基本的には直方体をしています。前側2本の縦フレームには上から下までネジ穴があり、ラックマウントタイプのネットワーク機器類をこの部分に取り付けます。

ネットワークラックの形状は様々ありますが、以下のような特徴がみられます。

  1. 前面部のスペースを広くとってケーブルがラックの前に張り出さないようになっている。
  2. ラックの幅を大きめにして、左右方向からのケーブルの引き込みを容易にしている。
  3. 背面部にケーブルに引き込むための穴が空いたパネルが付いている。
  4. ラックの何か所に束ねたケーブルを留めておくための金具が設置されている。

ネットワークラックの選び方

ネットワークラックには様々な大きさと形状があります。設置する場所や取り付ける機器類の数、ラックに引き込むケーブルの数などに合わせて最適なネットワークラックを選択することをお薦めします。

以下に、ネットワークラックの選択時に検討する項目を上げます。

1. 設置スペース

ネットワークラックを設置した後にメンテナンス等の作業を行う可能性が十分に考えられますので、このことを考慮し、周辺のスペースの確保が必要です。

2. 大きさ

ネットワークラックは、大量のケーブル類を接続する機器を収納するため、ケーブル類が収まるスペースを考慮した上でラックのサイズを決める必要があります。

3. ネットワーク機器の発熱量

ネットワーク機器は、多くの熱を発生させます。周囲温度が上昇すると機器が暴走する可能性があります。従って、十分な放熱経路を確保する必要があります。

4. 堅牢性

ケーブル類を含めた全体の重量が大きくなるので、その重量に耐える必要があります。また、強い地震が来た場合にも天井からの落下物等から機器類を守る必要がります。従ってネットワークラックには、耐荷重に優れ、耐震性にも優れたものが求められます。

5. 拡張性

ネットワークの拡張が予想される場合には、ネットワーク機器の数が増えて、ラックに引き込むケーブルの数も増えることが予想されます。その場合は、あらかじめラックのサイズを大きくしておくか、ラックの数を増やすことを検討しておきます。

6. セキュリティー

セキュリティー対策が必要な場合には、鍵付きドアのあるネットワークラックを検討します。

以上の通り、使用する目的や、今後の計画を踏まえ最適なネットワークラックの選定が必要です。

参考文献
https://blog.rittal.jp/888/
https://direct.sanwa.co.jp/contents/sp/rac/server_select.html

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