デジタルインジケータ

デジタルインジケータとはデジタルインジケータ

デジタルインジケーターとは、精密測定機器の1種です。

目盛りがデジタルであるために人による差が生まれにくく、作業効率を改善させる効果があります。インジケータとはもともと、計数を管理する測定装置です。

ハブが一回転したときの表示と回転軸のリードを読み取ることで、回転軸の送り量を確認できます。しかし、目視だとリードの目盛りと目盛りの間を読み取る時に誤差が生まれてしまうため、デジタルインジケーターが必要となります。

デジタルインジケータの使用用途

デジタルインジケーターは、金属加工のひずみ測定や主軸となる中心の偏心確認、平面度測定、平行度測定に使用されます。落としてしまうと簡単に壊れてしまうため、作業場の整理整頓が必要です。

デジタルインジケーターを固定する際は、専用のスタンドで専用のツメがついたものを選定します。読み取る数値にブレが生じずに誰が測定しても同じ値が出ますが、固定のスタンドアームのゆがみや測定子を対象物に当てたときの測定圧により誤差が出てしまうので、測定時に校正が必要です。

デジタルインジケータの原理

デジタルインジケーターの原理は、光学式のモアレ干渉縞を用いたデジタルリニアスケールです。リニアスケールとは、直線の位置検出や測長に使用するセンサを指します。

1. モアレの原理

透明なシートに直線・円等の規則的な模様を描いて重ねると模様の重なりの中で元の直線や円の規則とは違った模様が現れます。この模様が、モアレ干渉縞です。

2. デジタルインジケータへの応用

モアレ干渉縞は、同じ格子目盛を持つ2枚のスケールがズレて周期ずれが発生する場合にも見られます。縞と縞を重ねた時に片方を変形させるとモアレ縞も変形します。

このため、umオーダーでの分解能を持つことが可能になりました。

デジタルインジケータのその他情報

1. デジタルインジケータの測定方法

デジタルインジケーターで測定を行う際、ゼロ点で校正し、対象物を平面テーブルの上に乗せます。その後デジタルインジケーターの測定子が対象物に触れるようにセットすると、装置のデジタル画面にダイヤルゲージの値が表示されます。

対象物を手で触れて動かす必要があるので、多点測定には不向きです。一方で、デジタルインジケーターの測定子が重力方向に垂直である必要が無いため、デジタルインジケーターを複数箇所に設置することで歪による変形などを簡単に捉えられます。

2. ダイヤルゲージとの違い

アナログのダイヤルゲージは、測定可能単位がストロークがmm単位のスピンドル式とテコ式の2種類があります。

スピンドル式
スピンドル式は変化の大きな対象物を見る時に便利で、一目盛りが10 um相当の分解能のため金属加工でよく使用されます。

テコ式
テコ式は高い分解能を持ちますが、変動が大きいと実の値との誤差が大きくなる点がデメリットです。

一方で、デジタルインジケータは1 um単位の分解能を持っているので、ダイヤルインジケータと比較して精密な測定が求められる場面で使用します。また、先ほど紹介したテコ式も高い分解能を持ちますが、それに加えて大きな負荷や変動があっても壊れにくい点がメリットです。

精密さが求められる測定か、ラフな使い方でも問題なく使用できるかでどのインジケータを使用するかの検討が必要になります。

3. デジタルインジケータの測定手法

デジタルインジケータの測定手法は、ABS測定系とINC測定系の2種類に分類できます。

ABS測定系
ABS測定系は基準ゲージでプリセットを行い、測定基準からの絶対値を測定する手法です。例えば、50 mmの基準ゲージでプリセット後、54 mmのワークを測定した場合、ワークの絶対値である54 mmが取得できます。

INC測定系
INC測定系は基準ゲージでゼロセットを行い、基準ゲージと測定ワークとの差を比較測定する手法です。50mmの基準ゲージでゼロセット後に54mmのワークを測定した場合、差分の4mmが測定値として得られます。

参考文献
https://docs.rs-online.com/43d0/0900766b813b8414.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1933/51/4/51_4_722/_pdf

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