エアプレス

エアプレスとは

エアプレスとは、空圧を動力源とする板金加工機です。

機械式プレス機に分類され、「空圧プレス機」とも呼ばれます。エアプレスは、空圧により金型を上下させる事で金属を加工します。加工スピードが速いことがエアプレスの特徴です。大量生産や高い生産性が求められる工程に適しています。

エアプレスの使用用途

エアプレスは、曲げ、パンチ、切断、リベット接合等で主に使用されます。その他、次のような絞りや深絞り、鍛造、コイニングといった加工に使われています。

1. 絞り

1枚の金属板から継ぎ目のない円筒、角筒、円錐などの容器を作る加工です。

2. 鍛造

鍛造加工の工程でプレス機も一部使用し、他には材料供給装置や潤滑装置など使用するなど、様々な工程があります。

3. コイニング

曲げ角度の精度が求められる時の加工法です。

4. 深絞り加工

絞り加工でも、深型はしわやひずみが生まれやすく難しい加工とされています。具体的には、自動車業界やトレーサビリティのための部品のナンバリングや、大量生産が必要な電気や電子機器、自動車部品のプレス加工に適しています。

エアプレスの原理

代表的なエアプレスは、クランク式プレスです。クランク式の中でも、圧縮した空気を動力とするエアクラッチ式を主流としています。その他、ナックル機構やリンク機構等があります。

1. エアクラッチ式

モータでフライホイールを回転させ、押しボタンなどでクラッチを入れると、クランクに力が伝わります。その力がコネクティングロッドに伝わりスライドを上下運動させます。

特性として静的精度と圧力・トルク・仕事能力が重要です。静的精度とは、スライドとボルスタ (プレス加圧の受け基盤) との真直度、平行度、直角度がプレスの精度のことを指します。

2. クランク機構

クランク状の回転軸による運動からスライドを上下させます。曲げや絞り、鍛造にと幅広く一般的に使用されています。

3. ナックルジョイント機構

下死点 (ストローク最下点) 付近での速度が遅く冷間鍛造プレスに向いてます。

4. リンク機構

クランク機構より、加工時の速度が低下し、スライドの上昇速度は速くなります。そのため加工時の衝撃と騒音、振動が減少し深絞り加工においても成形性を高めています。

5. サーボプレス

機械式プレス機の一種に、サーボプレスがありまず。フライホイールを介さず、サーボモーターで駆動させます。

サーボモーターの場合は回転方向の切り替えが可能で、プレス機のスライド幅を回転と反回転を繰り返すことで、ストローク幅を変える事が出来ます。

エアプレスのその他情報

動力プレスを使用する際の義務

労働安全衛生法では、どのような構造規格のエアプレスも、曲げ、抜き、カシメなどの用途で使用される場合には「動力プレス」と呼びます。動力プレスを使用する事業者には、次のような義務が課せられます。

1. 作業主任者を選任
安全施工令第6条7項には、「プレス機械を5台以上有する事業場」でプレス作業を行う場合、「作業主任者」を選任すべきであると定められています。

「作業主任者」は、プレス機械作業主任者技能講習修了者から選任されます。労働災害を防止するため労働者を指揮し、法令を遵守させることが作業主任者の役目です。

2. 定期自主検査
労働安全衛生規則134条3で、事業者は動力プレスについては、1年ごとに1回、定期に自主検査を行うよう規定されています。同則135条2によれば、自主検査を行ったときは、検査年月日、検査方法、検査箇所、検査結果などの内容を記録し、3年間保存しなければなりません。

参考文献
http://www.nikkin.or.jp/
https://j-fma.or.jp/images/2017/07/fp_guidebbook.pdf
https://www.aida.co.jp/technology/pdf/thesis201410.pdf

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