エルボとは
エルボとは、配管流路を90度もしくは45度に曲げるための配管継手の一種です。それぞれ90度エルボ、45度エルボと呼びます。似た配管継手としてベンドがあり、エルボとは製造方法が異なる点が特徴です。
エルボは周辺環境や口径によって接続方式が変わります。配管開放を想定される際はフランジ接続、洗浄を頻繁に行う場合はヘルール接続、漏れを防ぎたい場合は溶接接続など、複数種類あります。
エルボの使用用途
エルボは配管の向きを変えるときに使用します。例えば、日常生活では上下水道配管などで見られ、産業用としても、工場用水配管などに多用されます。
エルボによって圧力損失が発生するため、数を極力減らすために、ファニングの式によって考慮した設計が必要です。
エルボにはロングエルボとショートエルボの2種類が存在します。ショートエルボは曲率半径が小さいため省スペースです。ロングエルボは曲率半径が大きい反面、安価に入手可能です。一般的には、ロングエルボが用いられます。
エルボの原理
エルボの作動原理は、曲がる箇所で流体を減速させることで流体の流れを曲げることです。エルボは配管内部の流体の流れを適切に制御し、配管システムを正常に機能させるために必要な役割を果たします。
エルボは材質によって、クロムやニッケルなどの金属が使われます。材質によっては、耐食性や耐摩耗性が高く、繰り返しの使用にも耐えられることが特徴です。
また、エルボの接続方式には、ねじ込み式や溶接式があります。ねじ込み式は、配管にねじ込むことで接続する方法で、取り外しが容易ですが、強度が低く、漏れの原因になることがあります。一方、溶接式は、配管同士を溶接することで接続する方法で、強度が高く、漏れの心配が少ないですが、取り外しが難しいという欠点があります。
エルボのその他情報
1. エルボの材質
エルボには材質によって様々な種類の継手があります。一般的に用いられるのは可鍛鋳鉄製です。材料の色から黒継手と呼ばれます。また同じ材質で溶融亜鉛メッキ加工を施した継手を白継手と呼びます。
腐食を防止したい場合はステンレス製の継手を用います。クロムやニッケルの含有量などでSCS13(SUS304相当)やSCS14(SUS316相当)など多種多様です。
2. エルボとチーズ
配管の角度を変えるエルボのほかに、配管を分岐させるチーズがあります。チーズはティーズ、ティーとも呼ばれます。チーズは配管と接続することで、流入してきた液体を分岐させることも可能です。
チーズにもねじ込み式や溶接式などの接続方法があります。チーズに閉止フランジなどを取り付け、エルボとして使用することもできます。
3.エルボと配管の種類
エルボと配管の接続方法として、ねじ込み式と溶接式の2種類があります。
1. ねじ込み式
エルボと配管にそれぞれネジを切る方式です。エルボと配管をねじ込むだけなのでボルトナットが不要です。また、現地溶接も不要なため火気禁止場所でも施工できます。ただし、口径が大きくなるとシールが難しくなる上に施工が困難です。そのため、大口径ではフランジ接続か溶接接続にします。
ねじ込み式エルボは、一般的にはシールテープを巻いて施工されます。シールテープの巻きつけ方向が、締まり方向になるよう施工します。
2. 溶接式
エルボと配管を溶接で接続する方式です。正確な溶接によって漏洩することがなくなります。ただし、溶接工の手腕によって完成度が左右されます。溶接不良などが原因で、腐食が進行する危険性もあります。
エルボとベンドの違い
エルボとベンドは製造方法が異なります。ベンド自体は成形加工したパイプを2次加工して製作します。つまり、パイプを曲げて製作しています。
それに対してエルボは、ハンブルグ曲げ(熱間拡管マンドレル製法)という製法を使用します。鋼管を拡張しながら曲げることで、エルボの内側と外側の肉厚差が出にくい製法です。
参考文献
http://benkankikoh.com/blog/2017/04/27/elbows-molding-theory
https://www.haikanbuhin.com/blog/post-1560/
https://www.avitop.co.jp/faq/faq002/
https://jis.jts-tokyo.com/screwed-type-malleable-cast-iron-pipe-fittings-90deg-elbow-fittings-standards/
https://www.riken.co.jp/products/piping/pdf/catalog/catalog02.pdf