マスフローコントローラー

マスフローコントローラーとは

マスフローコントローラーとは、流体の流量計測を行い、流量を制御する機器です。

高度な流量制御が求められるプロセスの現場等で活用されています。マスフロー(mass flow)とは質量流量を意味します。流量には、体積流量と質量流量の2種類があります。マスフローセンサーは体積流量ではなく質量流量を測定の対象としています。

質量流量は流体の種類や特性・温度等の環境周囲の条件による影響を受けないため、体積圧力よりも精度良く流量の測定・制御ができます。

マスフローコントローラーの使用用途

マスフローコントローラーは、流量の測定に加えて、流体制御ができます。また、高精度で安定した制御ができるので、あらゆるプロセスの現場や実験室において使用されています。半導体の製造工程では、成膜やエッチングなどのプロセスにおいて活用されています。半導体以外にも光ファイバー、液晶、バイオなど使われている製品は多岐に渡ります。また、実験室では、分析機器でのキャリアガスなどの制御に用いられています。

マスフローコントローラーの原理

マスフローコントローラーの原理

図1. マスフローコントローラーの原理

マスフローコントローラーは、センサー、バイパス、流体制御バルブ、電気回路から構成されます。流量センサーには熱式流量センサーが用いられていることが多いです。流体は、マスフローコントローラー内でセンサーとバイパスへ通されます。センサーでは、流体が通るチューブにヒーターが巻きつけられており、チューブの上流側と下流側に流れるガスの温度差を電気信号へと変換して、流量計測を行います。熱式質量センサーでは、センサー部に送ることができる流体の量に限界があります。

そのため、一部をセンサーへ流し、残りをバイパスに送ることで分流の比率を一定に保つことができるため流量が大きい場合でも、高い精度で流量を制御することができます。センサーで測定した流量を受けて、流体制御バルブで流量の調整を行います。流体制御バルブにはアクチュエータ(電気信号を物理的運動に変換する装置)として、ソレノイドアクチュエータ、サーマルアクチュエーター、ピエゾアクチュエータが使用されています。

マスフローコントローラーの選び方

マスフローコントローラーの選定のためにはガス種、最大流量、使用圧力の条件が必要です。マスフローコントローラーは使用するガス種に応じた設定をしているため、異なるガス種では正しく測定できません。

また、腐食性ガスの場合、シール材等は腐食耐性の高いものを選ぶ必要があります。マスフローコントローラーの流量制御範囲は一般的には2-100% F.S.(最大流量)であるため、使用する流量に合わせた最大流量を選ぶ必要があります。マスフローコントローラーで使用される流量調整バルブはバルブ開度で流量を調整するため、一次側と二次側で圧力差が必要となります。一般的には50-300kPaが適正とされていますが、圧力差が大きすぎたりまたは小さすぎると正しく流量調整ができません。そのほかにも、制御する温度や継ぎ手なども場合によっては選定時に注意を払う必要があります。

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