外壁タイルとは
外壁タイルとは、建築物の外壁に施工されるタイル材で、耐久性と意匠性を両立させる外装仕上げ材です。
外壁タイルは、粘土や陶石・セラミックなどを主原料として高温で焼成して作られ、耐候性・耐水性・耐摩耗性に優れています。一般的な外壁仕上げ材と比較して、紫外線や温度変化による劣化が起きにくく、長期間にわたり外観を美しく維持できる点が特徴です。また吸水率が極めて低いため、凍害によるひび割れや、水分の浸透による劣化を防ぎます。
素材の特性上、汚れにくく清掃性に優れているほか、塗り替えなどの定期的なメンテナンス回数を減らせることから、建物のライフサイクルコスト削減にも寄与します。さらに、表面デザインの自由度が高く、色柄や形状バリエーションが豊富なため、建築デザインや周辺環境に応じた外観表現が可能です。
外壁タイルの使用用途
外壁タイルは、下記のような美観・機能性・耐久性をバランスよく求められる建築外装に幅広く採用されています。
1. 商業施設・オフィスビル
商業施設やオフィスビルでは、外観イメージがブランド価値の構築や集客に直結します。外壁タイルは高級感を演出しやすく、加えて耐候性と防汚性が求められるため、多くの中大規模施設で採用されています。人通りが多く、排気ガスや塵埃による汚れに晒されやすい環境下でも、高い防汚性を発揮し、美しい外観を保ち続けます。
2. 住宅・集合住宅
戸建住宅やマンションでは、外壁タイルの耐久性とメンテナンス性が重視されます。塗装仕上げと比較して劣化が遅く、大規模修繕時の塗り替えコストを大幅に抑えられるため、長期保有を前提とする住宅用途に適しています。また、周囲の街並みに馴染む自然な質感が好まれる傾向にあります。
3. 公共施設・学校・病院
公共建築物では、耐久性と防汚性に加えて、安全性や環境調和が求められます。外壁タイルは、長期にわたる使用を前提とする公共建築に向いており、汚れや退色が少ないため、維持管理負担の軽減にもつながります。