チップサーミスタ

チップサーミスタとは

チップサーミスタとは、基板上で温度変化を測定する小型センサーです。

サーミスタは、温度 (Kまたは℃) が変わるごとに電気の抵抗値 (Ω) が変わる特性を持った半導体素子です。これにより、温度の変化を電気信号へ変換します。チップサーミスタはプリント基板上に実装できる程度の大きさのサーミスタを指します。

チップサーミスタは非常に小型であるため、電子機器などに組み込みやすい点が特徴です。高精度で温度を測定できるだけではなく、応答速度も速いため、リアルタイムでの温度検知に適しています。信頼性も高く、長期間にわたって安定した温度測定が可能です。

チップサーミスタの使用用途

チップサーミスタの使用用途は多岐に渡ります。以下はその一例です。

1. 家電製品

チップサーミスタは冷蔵庫内の温度を監視し、設定温度を維持する目的で内蔵されます。これにより、食品や飲料の品質を保持することが可能です。また、調理器具としてオーブンや電子レンジに組み込まれていることも多く、食品が均一に加熱されるようにします。

また、エアコンなどにも実装されていることが多いです。室内機および室外機の双方でサーミスタを使って温度を測定し、運転管理の指標としています。

2. 自動車

車両のエンジン温度を監視するためにチップサーミスタが使用されることが多いです。これにより、エンジンの過熱や冷却不良を検知し、車両の安全性を向上させています。エンジン温度や外気温度を測定し、燃焼が最適となるよう制御する場合もあります。

3. 医療機器

デジタル体温計には体温の測定にチップサーミスタが使用されます。これにより、迅速で正確に体温を測定することが可能です。また、血圧計などにも実装されている場合があります。

4. 電子機器

スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスは、チップサーミスタによってデバイス内の温度を監視し、過熱やバッテリーの過充電を防止していることが多いです。また、コンピューターやサーバーなどもチップサーミスタによって温度を監視しています。過熱を防ぎ、システムの安定性を確保しています。

チップサーミスタの原理

チップサーミスタは半導体で構成されます。マンガンや鉄、コバルト、ニッケルなどを混合して作られます。また、チタン酸バリウムやセラミックスを混合したり、ポリマーにカーボンブラック等を混合して作られることも多いです。

通常の金属は、温度が上がると陽イオンの振動が大きくなります。これにより、自由電子の移動速度が遅くなることで抵抗値が大きくなります。抵抗値を常時測定し変化を確認することで温度を検知できる仕組みです。

また、温度の上昇に伴い陽イオンが増加する半導体が使用されることもあります。この割合が自由電子の移動速度の減少に勝るため、温度が上がるにつれて抵抗値が下がります。この種類の素子が使用される製品も存在します。

チップサーミスタの種類

チップサーミスタには以下のような種類が存在します。

1. NTCサーミスタ

NTCサーミスタは温度が上がるとゆるやかに抵抗値が小さくなる製品です。NTCはNegative Temperature Coefficientの略であり、温度測定や温度制御に利用される万能型の製品です。仕様温度の範囲内では精度が高い点が特徴で、応答速度が速いため、多くの用途で有利です。

2. PTCサーミスタ

PTCサーミスタは温度が上がると抵抗が増加する製品です。PTCはPositive Temperature Coefficientの略であり、主に過電流保護やヒーターとして使用されます。例えば、過電流が流れるとPTCサーミスタが加熱され、抵抗が増加して電流が制限されるような使い方がされます。

3. CTRサーミスタ

CTRサーミスタは、温度上昇によって抵抗値が急に低くなる製品です。Critical Temperature Resistorの略であり、異常な温度上昇などを検知する目的で実装されます。バナジウムに添加物を混合して作られることが多いです。

参考文献
https://takuminotie.com/

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