潅水チューブ

潅水チューブとは

潅水チューブ

潅水チューブとは、主に大規模農場やハウス栽培で用いる水やり用の農業資材です。

潅水チューブには一定間隔の小さな「孔」が開いており、主に塩化ビニールやポリエチレン製樹脂で作られています。農作物の栽培に重要な潅水作業を軽減できるため、多くの農家が取り入れています。

潅水チューブの使用用途

潅水チューブは、野菜や果樹などの農作物への水やりを自動的に行う際に使用します。ビニールハウスだけでなく、畑でも活用可能です。

また、潅水チューブと専用の留め具を併用し、ポットやトレーでの育苗などにも使用されています。大規模農場での水やりを人力で行うのは手間がかかりますが、潅水チューブを設置することで、労力の削減や病気の予防につながります。

潅水チューブの特徴

長所

1. 作業労力削減
潅水チューブの最大の長所は、自動で潅水できることから作業にかかる時間や労力を削減できる点にあります。空いた時間を有効に使えるため、効率的な農業に役立ちます。

2. 農作物の病気予防
潅水チューブの使用により、ハウス内に必要以上の水がたまって高湿度になるリスクを軽減できます。そのため、高湿度による病気の発生リスクを下げることが可能です。

3. 水のコスト削減
人力での散水量に比べ、潅水チューブでは水量を調節できるため、水道代の軽減につながります。

4. ハウス内の土壌乾燥対策
ハウス内は雨が入り込まないため、土壌が乾燥しがちです。潅水チューブで散水することで、適度な湿度を維持できます。

短所

1. 初期投資がかかる
潅水チューブの価格は、幅や長さ、種類によって異なります。通販商品の一例を挙げてみると、散水幅4m/100m×2巻の価格は3.7万円程度です。

潅水チューブ設置に関連して継ぎ手や末端止め、吊り具などのパーツも必要なので、初期投資がかかるのは短所と言えます。

2. 適切に設置しないと生育不良の可能性
潅水チューブから出る水がうまく作物に当たっていないと、適切な潅水が行われず、作物の生育不良を起しかねません。

3. 目詰まりを起こす
潅水チューブを使用する際は、孔に目詰まりがないかなど、管理にも気を配る必要があります。潅水スタート時に目詰まりしていないかを確認するなど、メンテナンス作業が大切です。

メーカーによっては、目詰まり防止の「ろ過器」を販売しているので、確認することをおすすめします。

潅水チューブのその他情報

潅水チューブの潅水方法

また、潅水チューブを用いた潅水方法には、「噴霧潅水」「散水潅水」「点滴潅水」の3つがあります。それぞれ、潅水チューブの孔からの水の出方などが異なります。

1. 噴霧潅水
噴霧潅水チューブは孔から極微小の水が出るタイプで、ハウス内の頭上潅水として多用されています。霧状の水なので、葉の表面を傷めたり土壌を削ったりする心配がありません。

噴霧潅水チューブは、薬剤散布や湿度調整、ハウス内の暑さ対策などにも活用されています。ただし、霧状の水は風の影響を受けやすいため、ハウス内に風が入らないように注意が必要です。

2. 散水潅水
散水潅水チューブは雨粒状の水が出るタイプで、地表に設置するのが一般的です。潅水だけでなく、土中やハウス内の水分コントロールを目的に利用される場合もあります。

散水孔の位置や数、孔径のバリエーションも豊富なので、農作物の種類や栽培面積などに応じて使い分けできます。広範囲に多くの水を潅水できる一方で、ハウス内で使用した場合は湿度が高まるリスクがあることに注意が必要です。

3. 点滴潅水
点滴潅水は、ドリップのようにゆっくりと潅水するタイプで、ドリップチューブとも呼ばれており、無駄に水が飛散するのを抑えられます。点滴潅水チューブを地表もしくは地中に設置して使うため、農作物の株元やハウス栽培による育苗などに用いられることが多い潅水方法です。

なお、点滴潅水チューブは特殊な構造をしていることから、ほかの潅水チューブよりも価格が高い傾向にあります。

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