コンポスター

コンポスターとは

コンポスター

コンポスターとは、野菜くずや落ち葉などの有機物を微生物によって発酵・分解し、堆肥にするための容器や装置のことです。

また、コンポスターなどを活用して堆肥を作ることをコンポストと言います。コンポストは昔から行われてきましたが、近代になり技術が確立しています。

コンポスターで作った堆肥は、主に家庭菜園や農業で活用されており、ゴミや二酸化炭素の削減ができるとして注目を浴びています。

コンポスターの使用用途

コンポスターは、一般家庭のみならず農業でも使用されています。

1. 家庭用途

一般家庭で使用する場合は、調理の際に出る野菜くずなどの生ゴミを原料として、コンポスター内で堆肥化します。コンポスターを活用してできあがった堆肥は栄養が豊富なので、家庭菜園やガーデニング用として使用されます。

2. 農業用途

コンポスターで作った堆肥は畑などの農場でも活用されており、作物の生育や味のよい野菜作りに最適です。とくに、無農薬栽培や有機栽培農業では、自前の野菜くずから作った完全熟成堆肥が役立ちます。

また、農作物の栽培過程で発生する葉くずや、売り物にならない廃棄予定の作物などもコンポスターの原料として利用できるため、ゴミの有効活用やコスト削減が可能です。

コンポスターの特徴

長所

コンポスターの長所は、生ゴミなどの有機物を微生物で分解・発酵させ、堆肥に変換できることです。また、生ゴミの量だけでなく二酸化炭素排出量も減らせるので、環境保全や持続可能な食の循環にもつながります。

さらに、難しい作業工程がないため、比較的簡単に取り入れられる点も長所の一つです。

短所

コンポスターの短所は、堆肥になるまでに時間と手間がかかることです。製品によって多少異なりますが、生ゴミを完全に発酵・分解させるために1~数カ月ほどかかり、毎日あるいは1週間に1度ほど切り返す必要があります。

また、微生物が分解できないプラスチック類などは、コンポスターに投入できません。土の量に対して生ゴミや水分量が多すぎると、ニオイや虫の発生につながる可能性があるので注意が必要です。

コンポスターの種類

1. 家庭用コンポスター

設置型コンポスター
家庭用のコンポスターは、底がないバケツを逆さにした形状が主流です。プラスチック素材で、直径60~80cm×高さ60~70cm程度の大きさの容器が販売されています。

密閉型コンポスター
密閉型コンポスターは、コンポスター内が外気に触れない構造です。生ゴミだけでなく、発酵促進剤を投入して分解・熟成させます。虫の混入の心配や、かき混ぜる手間がなく、容器の下部から液体肥料を収集できるのが特徴です。

回転式コンポスター
回転式コンポスターは、手で容器ごと簡単に回転させられるため、かき混ぜる労力を省けます。数日に1度、5~10回転させるだけなので、手が汚れにくいのも特徴です。

段ボールコンポスター
段ボール箱を利用したコンポスターは簡単に組み立てられて安価なものの、2~6カ月程度で段ボール自体を交換する必要があります。

2. 農業用コンポスター

農業用のコンポスターの一例として、1日に100kgの食品廃棄物を約80%の減量率で分解処理する大がかりな装置があります。廃棄コスト削減や資源循環サイクルの実現に活用されています。

ほかにも、浄化槽などから余剰汚泥を再利用して堆肥化する装置もあり、農地の栄養回復やゴミの減量などに役立っています。

家庭用コンポスターの使い方

  1. コンポスターを設置する
    水はけ・風通し・日当たりのよい場所に設置します。10cmほどコンポスターの底部を埋めておきましょう。
  2. 原料を投入する
    生ゴミや落ち葉などの原料を投入します。投入後に土を被せることで、土の中の微生物が発酵・分解を促進します。
  3. かき混ぜる
    製品の使用説明に従い、定期的に中身をかき混ぜます。
  4. 熟成させる
    2~3週間放置し、生ゴミが分解されて形がなくなったら熟成完了です。
  5. 使用する
    堆肥として使用しましょう。プランターに「土3:堆肥1」程度の割合で混ぜて使います。

コンポスターのその他情報

コンポスターの価格

家庭用のコンポスターの価格は5千円から1万円前後の製品が多く見られます。農業用のコンポスターは家庭菜園用とは異なり、大がかりな装置の種類が主流で、600万円以上する製品もあります。

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