打錠機とは
打錠機の打錠(だじょう)とは、医薬品等で広く知られています錠剤を成形する工程を意味します。その形成工程のための装置が打錠機であり、別名、回転式成形機とも呼ばれています。
錠剤の混合材料の粉末を自動軽量し、金型である「臼」の穴に投入し、「杵」と呼ばれる対の金型が上下から材料に加圧することで錠剤の形状に成形し、錠剤として取り出します。
回転しながら、この工程を連続的に行い、錠剤の大量生産が可能になる装置です。
打錠機の使用用途
打錠機で形成するのが錠剤と一言で言っても、その使用用途や形状は実に様々なものがあります。医薬品やサプリメントで用いられる一般の錠剤や、キャンディーやガム等の菓子類、洗浄剤や磁石、電池や触媒等の様々な用途に用いられています。
また、形成する形状についても、単層構造だけでなく、二層や三層の複数層への対応や特殊形状品、チップインタブレット等、そのアプリケーションに応じて豊富なバリエーションがあります。
打錠機の原理
通常の打錠機は、原料粉末を充填し、圧縮し錠剤の形へ成形、製品の取り出しの3工程を有しています。
医薬品をはじめとし、生産効率に優れた大量生産が求められる製造現場では、これらの工程をシームレスに連続で回転しながら実施可能なロータリー式打錠機が一般に使用されています。
生産現場での打錠機の不具合でよく見かけるのが、打錠障害と言われる、生産した錠剤に不良品が発生することです。
これは、原料粉末中に含有される結合剤の量の過不足で発生する場合があり、錠剤の中間層が剥離してしまうラミネーションや錠剤の成分が杵の表面に付着することで、円状の剥がれが生じるピッキング等の不具合品が生産されてしまうケースです。
これらの対策には、原料粉末の材料成分比を適切に管理することや、臼への投入量の管理、結合剤を錠剤表面に分布させる等の手法がとられます。
さらに昨今の少量多品種への効率的な生産対応の観点から、様々な形状の錠剤へのマルチファンクション対応機能を有する打錠機や高速性に優れたタイプ、毒性を考慮した錠剤では、特殊な封じ込め仕様を有するもの等の多種多様な打錠機があります。