CO2レーザーマーカー

CO2レーザーマーカーとは

CO2レーザーマーカーとは、二酸化炭素を媒質とするガスレーザーを利用したマーキング装置です。

発振波長はおよそ10.6μmの赤外線領域にあり、有機物への吸収率が高いという特徴があります。木材・紙・皮革・ガラス・プラスチックといった非金属材料に対して、鮮明かつ高精度な印字や彫刻を行うことが可能です。

レーザー光を素材の表面に集光し、熱エネルギーを瞬時に与えることでマーキングされるため、摩耗や剥がれのない耐久性のあるマーキングが実現できます。非接触で加工できるため、対象物に物理的な負担をかけず、製品の品質を損なわないというメリットもあります。

CO2レーザーマーカーの使用用途

生産ラインへの容易な組み込みが可能なCO2レーザーマーカーは下記の用途で使用されています。

1. 食品・日用品・包装業界

CO2レーザーマーカーは、賞味期限・製造ロット番号・バーコードなどを食品や飲料のパッケージに印字する目的で用いられています。紙ラベルやフィルム包装に対しても、インクを使用せずに直接刻印できるため、印字のにじみや消失が起きにくく、消費者に確実な情報を提供できます。インクや溶剤を不要とすることで、環境負荷を軽減しつつ、ランニングコストを抑えられるという利点もあります。

2. 電子部品・精密機器業界

電子基板や樹脂製筐体への識別コードやロット番号の印字にCO2レーザーマーカーが活用されています。ICチップやコネクタなどの微細な部品に対しては特に、細線タイプのレーザーを用いることで、極小文字や2次元コードの高精度マーキングが可能です。

3. 医療・ヘルスケア業界

医療機器やパッケージへのUDI (医療機器識別子) 表示にもCO2レーザーマーカーが使用されています。滅菌処理や薬品耐性が求められる環境下でも、レーザー印字は消えにくいという利点があります。ガラス製の注射器や樹脂製の医療容器に対して非接触で高精度な印字を行うことで、製品の識別性と安全性を両立できます。