ケミカルタンク

ケミカルタンクとは

ケミカルタンク

ケミカルタンクとは、薬液を保管するための容器です。

薬品を保管するには容器が必要ですが、液体は固体に比べて反応性が高く、隙間があると漏れてしまうので、保存の際には専用のタンクの使用が必要です。また、薬品ごとに反応する素材が異なるため、すべての薬液に共通して使用できるケミカルタンクは無く、薬品の性質に応じて使い分けます。

ケミカルタンクの材質は、ポリエチレン、硬質塩化ビニール、ガラス繊維強化プラスチック、高耐食性ポリエステル樹脂、フッ素樹脂と耐蝕FRPの複合、鋼製又はステンレス鋼タンクにフッ素樹脂ライニングしたものなどです。

ケミカルタンクの使用用途

薬液は、実験室などでは専用の保管庫に保管したり、エタノールなど洗浄などでよく使用して人体にも大した影響のない薬液は使用しやすいように小さなケミカルボトルに入れて保管します。薬液の生産工場や輸送の場合には大量に保管するため、大きなケミカルタンクが必要になり、破損して液漏れが起こらないように高い強度が必要です。

工場では、薬液の保管の他にも薬品の混合などで使用されます。研究室レベルでは、薬品の保管以外に廃液処理用としても用いられています。

使用の事例

  • 化学工業における薬品の貯槽
  • 各種、水処理装置の反応槽や薬品槽
  • 食品関係の原料貯
  • その他、各種産業分野における液体貯蔵タンク

ケミカルタンクの原理

1. ケミカルタンクの材質

薬液には大きく分けて酸、アルカリ、有機溶剤があります。金属性のケミカルタンクは強度が高く破損しにくいのですが、酸に弱いので、例えば塩酸などの保管には向きません。有機溶剤には高い耐性を示しますが、有機溶剤の中でも例えば酢酸など酸性の液体では腐食が進行します。

一般的によく使用される材料が、安価で耐薬品性及び耐衝撃性に優れたポリエチレンです。酸からアルカリ、有機溶剤、フッ素まで幅広く使用できるので、大容量のケミカルタンクが製造可能です。食品から化学工場まで幅広い業界で多く使用されています。しかし、アセトンなどには耐性が弱く使用できないので、万能という訳ではありません。

2. タンクの形状

タンクの形状は、大きく分けて丸形と角形があります。丸形は、比較的大型のものが多く、鋼製又はステンレス製のタンクに樹脂をライニングしたものが多く使われます。角形は樹脂の成型品が主であり、特徴は、ポンプやセンサー類の装着が容易である点です。

ケミカルタンクの特徴

1. 高耐化学物質特性

ケミカルタンクは、種々の化学物質に耐えうる特性があります。酸・アルカリなど広範囲の薬品に対応が可能です。腐食性の物質や有害な化合物に対して、タンク内部からの漏れや汚染を抑えてリスクを最小限にできます。したがって、安全な貯蔵環境を確保し、人や環境へのリスクを軽減します。

2.自由度が高い設計

ケミカルタンクは、小規模な貯蔵から大規模な貯蔵まで、ニーズに合わせて大きさを選択できます。そのため、種々のオプションが豊富にあり、必要な量の化学物質を低コストで保管できます。また、自由な形状に製造が可能です。

3. 規制遵守

ケミカルタンクは、法的規制や各種規格類に適合しています。化学物質の取り扱いには厳しい規制があり、安全な貯蔵と取り扱いが必要です。ケミカルタンクは各種規制に適合しており、適切な設計と安全機能を備えています。

4. 軽量・高強度

ポリエチレンは、比重が0.925~0.94であり、水より軽い素材です。成形性に優れるため割れの心配がなく、残留ひずみも小さい特性があり、特に耐衝撃性が優れています。また、耐熱・耐寒性があり、70℃から-50℃程度の環境で使用可能です。

5. 汚れに強い

ケミカルタンクは、汚れにくく洗浄性に優れており、いつも清潔で美しさを保ちます。したがって、高い衛生度が必要な食品関係での使用に最適です。特に、フッ素樹脂でライニングしたタンクは、清潔で高耐食性であり、膜厚を厚くできるので、耐久性が優れています。

参考文献
https://axel.as-1.co.jp/contents/ks/cr_list

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