ソケットビットとは
ソケットビットとは、電動ドリルやインパクトドライバーなどで使用する工具です。
一つの電動工具などの本体に対して、複数の異なる形状やサイズのソケットビットが、セットで用意されています。締め付けるねじなどの対象物によって、適切なソケットビットを選択することで、さまざまなねじを締め付けることができます。
ソケットとは、受け口や接続部、穴やくぼみを意味する英単語です。電動工具の回転軸の先端部分に、覆い被せられるように接続されます。工具本体にソケットビットを覆い被せるための穴形状が設けられていることから、ソケットという用語が付いています。ただし、単にビットと呼ばれる場合もあります。
ソケットビットの使用用途
ソケットビットは、電動ドリルやインパクトドライバーなどの電動工具や、ソケットレンチや手動のドライバーなどに使用されています。一つの本体で、さまざまな種類のねじを締め付けるために用意されています。
ソケットビットを使った工具は、一般向けのDIYから小規模な店舗の改修工事、大型商業ビルの建設工事まで、用途は非常に幅広いです。
ソケットビットの原理
ソケットビットは、工具本体の回転軸に設けられた穴形状に合わせて覆い被らせるように差し込み、本体と接合します。差し込み形状は様々なタイプがありますが、六角形状である場合が多いです。
さらに、六角形状にもいくつかのサイズがあります。電動ドライバーやエアドライバーの場合、主に対辺が5mm、6.35mm、8mmの3種類が使われます。小型の電動ドライバーの場合は、対辺が4mmか5mmのものが使われています。
ソケットビットのその他情報
1. ソケットビットの規格
ソケットビットには大きく2つの規格があります。AタイプとBタイプです。それぞれビットにつけられた溝から先端までの長さが決められています。具体的にはAタイプは先端部分が13mm、Bタイプの先端部分は9mmまたは9.5mmになっています。国内メーカーの電動ドライバーのほとんどはAタイプ、海外製の電動ドライバーはBタイプが使われています。
2. ソケットビットの熱処理硬度
ソケットビットの硬さには熱処理区分として、5段階の規格があります。アルファベット1文字で表されておりS、E、G、H、Xの順番で硬くなります。
- S・E
SやEは硬さの低いソケットビットで、衝撃度が高い工具で使われます。 - G
Gは標準硬度で、タッピングねじや小さなねじに対して使われます。自動車や一般的な機械、サッシの組立現場などで広く使われています。 - H
Hは高硬度で、木ねじやセルフドリリングねじに対して使われます。弱電組立、通信音響機器の組立、建築や土木現場などで使われています。 - X
Xは最高硬度で、精密小ねじ、自動機取り付けなどに対して使われています。精密機器の組立、弱電自動ビス締め、住宅用連ねじなどで使われています。
3. 六角ソケットビットの種類
ソケットビットのうち、六角ボルトの締結作業をするものは六角ソケットビットと呼ばれています。また、六角ソケットビットには大きく分けて4種類あります。
軸圧入式
六角ソケット部分と軸部が別体構造になっています。それぞれが適切な材料と熱処理が施されて圧入接合されているために、高い耐久性があります。価格も比較的安価で、最も一般的です。主に建築設備用途として使われています。
一体成型ビット
一体成型ビットは六角ソケット部と軸部が一体構造になっています。主に小径ボルトやトルク管理締結作業用に使われています。一体型なので高い剛性がありますが、締め付け作業時には軸の太さが変わる部分に応力が集中します。そのために他のタイプの六角ソケットビットと比較すると、破断しやすい性質があります。
ビット交換式
ビット交換式は、六角ソケットビットの六角軸部分が差し替えられるようになっています。破断しやすい六角軸部分が交換できるので、長く使用することができます。ただし交換構造部分があるために、他の種類の六角ソケットビットと比較すると大きく重たくなります。
ソケットアダプタ
四角形状を持つインパクトレンチやソケットレンチの六角ソケットビットを、六角穴形状を持つインパクトドライバーなどで使用するための変換アダプタです。接合部分が多くガタも増えるので、あくまでも一時的な使用に留めた方が無難と言えます。
参考文献
https://www.monotaro.com/s/q-%83h%83%8A%83%8B%83%255C%83P%83b%83g/
https://jp.misumi-ec.com/tech-info/categories/technical_data/td06/x0036.html